それがソフトバンクのやり方

ソフトバンクイー・アクセスを買収し、完全子会社化することになりました。携帯電話業界では加入者数第3位のソフトバンクと、イー・モバイルブランドで第4位のイー・アクセス。両者の加入者数を合計すると、第2位のauに肉薄するのだそうです。もっとも、ソフトバンクは「auを抜いて業界2位」と主張しているようですが、ウィルコムを自社の回線数に数えているのにUQ WiMAXをauの回線数に数えていないようで(どちらも資本関係はあるものの別会社ですよね)、数え方に誤魔化しがあるような気がします。
もっとも、ソフトバンクには400万回線強のイー・モバイルのユーザーよりももっとほしいモノがあったようです。それは、イー・モバイルで持っている1.7GHz帯と700MHz帯の電波。特に、現在すでにLTEサービスが提供されている1.7GHz帯はiPhone 5でも利用できますから、これを手中にすれば今後の展開に大きく影響します。実際に、ソフトバンクは今後イー・モバイルの1.7GHz帯をiPhone 5用サービスとして活用していく計画を示しています。
同じくiPhone 5用の電波として1.7GHz帯を狙うauとの争奪戦になっていたようですが、最後にはソフトバンクが株式時価総額の3倍以上という破格の金額を提示して押し切ったようですね。なりふり構わぬ力業です。確かに、もともと電波の割り当て状況では他社より不利と言われていたソフトバンクにとっては、額面がどうのこうのと言っていられない大勝負だったと思いますが。


そもそも、ソフトバンクは当時のボーダフォンを買収して携帯電話事業に参入しました。モバイルブロードバンドへの参入争いで敗れたときにも、ウィルコムが経営危機に陥ったのに乗じて「出資」という形で体よく分捕りました。またしても、自分が欲しい他人の資産を手に入れるために、大量の資金にモノを言わせて会社こと買い取ろうとしています。
どこまで行っても強引なやり方で、私は嫌いです。でも、自分に足りないものを補うために競合他社を丸ごと買収して基盤強化を図る…という手法自体は実に合理的なわけで、それを実行に移せるだけの資金がある(本当に大丈夫なのか?とは思いますが、プロ野球球団を経営しているくらいですから相当な余裕があるのでしょう)のは大したものです。要するに、私はひがんでいるだけなのかも。
IT分野にとどまらない多様な事業に手を広げ、拡大路線にひた走るソフトバンクですが、くれぐれも途中でぶっ倒れて多くのユーザーに迷惑を掛けるようなことのないよう、切に願っています。


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