先週の記事でもご紹介したとおり、自作デスクトップPCのファームウェアを、BIOS仕様からUEFI仕様にアップデートしました。UEFIのぱっと見てわかる特徴のひとつが、BIOSよりも圧倒的にカラフルな設定画面。日本語での表示も、マウスを使った操作も可能です。
もっとも、これは本質的なポイントではなく、ファームウェアがBIOS時代の制約から解放されたことによって、設計の自由度が大幅に上がったことの副次的効果。従来のテキストベースの画面のままでも、ちゃんとWindows 8の高速起動に対応したり、3TBオーバーのディスクからブートできたり…というUEFIの実力が発揮できれば、それで良いわけです。実際、GA-Z68X-UD3H-B3(Rev 1.0)のUEFI設定画面は、マウスでの操作はかなり緩慢で、無理に実装する必要はなかったのに…と思います。
UEFIへのアップデート後の初回の再起動では、普通にBIOSをアップデートしたときと同様に、設定内容を初期化して保存した後に、再び再起動操作が必要になります。もっとも、初期値に戻すと言うよりも、UEFIになったことで新しくなった設定項目が結構多いので、リセットせざるを得ない…というのが正確なところかも知れません。
さて、改めて再起動…となったわけなんですが、ここで私は一気に青ざめることになりました。Windows 7が起動できなくなってしまったんです。BIOSのときのようなテキスト表示の各デバイス初期化画面は全く出ずに、いきなり4色のもやもやした物体が浮遊するWindows 7の起動ロゴ画面が1、2秒表示されるんですが、一瞬だけ画面が真っ青に(おそらくSTOPエラーの画面です)なった後に突如再起動。それを繰り返すだけになってしまいました。
F8キー連打で詳細な起動オプションを表示することは出来るので、とりあえずセーフモードを起動してみようと思ったんですが、これにも失敗。同じように再起動してしまいます。仕方がないので、今度はWindows 7のDVD-ROMからシステムを起動してみましたが、今度はWindowsのインストールされているパーティションが認識されず、修復操作が全く行えません。これでは八方ふさがりです。
スマートフォンでネットサーチしながら似たような状況がないか探ってみたところ、UEFIに更新した場合はSATAの動作モードをAHCIにしなくてはならない…という趣旨の英文記事を見つけました。BIOS時代は、Intel SRTのためにコントローラーをRAIDモードに設定していましたが、SSDは所詮キャッシュに過ぎないので、これを切り離してIDE互換やAHCIで起動しても問題はないはずです。ともかく、モードを切り替えて再起動してみました。
結果は、相変わらずハードディスクからのシステム起動には失敗するものの、DVD-ROMからの修復インストールに成功。今度は何とかWindows 7が起動しました。しかし、どうしたわけかディスク内容が相当たくさん失われています。作成したデータについては、普段からバックアップを取っていたので無事だったんですが、インストールしてあったアプリケーションがいくつも起動できなくなっていました。これでは使い物になりません。本格的に再インストール作業が必要になってしまいました。
実は、Windows 8だけではなくWindows 7でも、64bit版ではUEFIネイティブモードでインストールすることが可能です。もともと(もちろんBIOSが組み込まれていた頃に)インストールされていた64bit版のWindows 7は、BIOSモードで起動する設定だったのに、UEFIを認識してしまったばかりにネイティブモードで起動しようとして、ドライバーの不整合でSTOPエラーを出していたのではないかな?と推測しています。ファームウェアは、動作が安定しているのならアップデートするべきではない!というのが鉄則なんですが…今回は、無茶は承知であったものの、確かに大失敗でした。
Windows 8へのバージョンアップは、当初はWindows 7からのアップグレードインストールを想定していました。今回、Windows 8 Proのダウンロード版が3,300円という、これまでのMicrosoft製品だったら絶対考えられないような破格の安さで提供されているので、これを使わせてもらうつもりでした。
ダウンロード版は、旧OSからアップグレードアシスタントを起動させて、そこから一連の流れの中でダウンロードとインストールが行われるのだそうです。きちんとセットアップされた状態のOSがあることが前提になります。しかし、すっかりボロボロになってしまった私の環境では、アップグレードインストールをする意味はほとんどありません。むしろ、これならクリーンインストールした方が余計な互換性問題を心配しなくて良さそうです。
クリーンインストールするとなると、手元にちゃんとメディアがあった方が安心感があります。というわけで、今回は店頭で6,000円ほどで販売されているWindows 8 Proのアップグレード版を購入しました。パッケージは紙の箱で、ほぼCD音楽ソフトのサイズ。プラスチック製でDVDのトールケースサイズのWindows 7と比べると、さらに一回り小さくなっています。
パッケージの中身は、紙のジャケットに入った32bit版と64bit版のDVD-ROM各1枚、そしてジャケットと同サイズの簡単な説明1枚、カードサイズのプロダクトID1枚。近年どんどん簡素になってきています。まあ、ここに分厚いマニュアルが入っていても、ほとんどの人は読まないでしょうしね。オンラインヘルプもありますし、これで良いのでしょう。
せっかくクリーンインストールするなら…ということで、もうひとつ購入したものがあります。Intel SSD 330の240GB版です。CPUのCore i7同様に、一目見ればわかるIntel製品らしいパッケージに収められています。
先にWindows 7に起きたトラブルの件もあり、今回はできるだけシンプルな環境に…ということで、SSDにシステムをインストールしたいと思っていました。もともと我が家にあったCrucial m4でもパフォーマンス面ではそれほど問題はないんですが、64GBという容量は少々心細いところ。容量やパフォーマンスと価格とのバランスを考慮した上で、CPUやチップセットと同じ製造元ということで好相性を期待し、これに買い替えることを決めました。
私が購入した製品は、デスクトップ製品用のパッケージということで、3.5インチベイに取り付けるためのアダプターと取り付けネジ、そしてSATAの信号ケーブルと電源ケーブルが添付されています。システムの移行用ツール(今回は必要ありませんが)がWebサイトからダウンロード可能で、このパッケージさえあればすぐにデスクトップ機で使えるようになっています。
クリーンインストールするとは言え、アップグレード版のインストールには対象OS環境が存在することが必要。今回は、Windows 7上からWindows 8 Proの64bit版DVD-ROMを自動実行させ、新規インストールを選択しました。DVD-ROMからシステムを起動させた後で、先に取り付けておいたIntel SSD 330をインストール先に選択。あとはほとんど作業は必要ありません。ひたすら待つだけです。64bit版のディスクでインストールすると、自動的にUEFIネイティブモードでインストールされるようですね。
Windows 8らしい従来との違いと言えば、ユーザーを設定するところ。ユーザーはローカルなPC上に設定することも出来ますが、基本的にはオンラインの「Microsoftアカウント」を使ってサインインすることが推奨されます。これを使って、既にインターネット上で提供しているサービスを連携させるつもりのようです。既にMicrosoft Live IDを持っている私の場合、これがそのままMicrosoftアカウントになります。せっかくのWindows 8の新機軸ですから、オンラインで連携させるように設定しておきました。
インストール作業自体には特にトラブルもなく、無事にWindows 8 Proが起動する環境が出来上がりました。さて、肝心なのはここから…なんですが、今回は力尽きてしまったので、続きはまた回を改めて。
コメントを残す