10月18日から、Microsoft社の新しいOSであるWindows 8.1が巷に登場しました。Windows 8が登場してから1年弱での、Windowsとしては今までにない短期間でのバージョンアップです。
しかし、後ろの数字は0.1しか増えていないわけで、7から8になったときのような劇的な変化はないのだろうな…と推測されます。もっとも、Windows Vistaの内部バージョンが6.0になって以来、Windows 7はバージョン6.1、Windows 8はバージョン6.2…と、大幅な変化を見せながらも0.1ずつのステップアップで来ているわけで、数字で変化の大きさを測るのは実に困難なんですが。
それでも、位置づけとしてはマイナーバージョンアップと言えそうな事実の一つが、Windows 8のユーザーなら無償でアップデートが可能である…ということ。バージョンアップのたびに決して安価とは言えない代金(Windows 8のときはかなり良心的でしたが)を支払い続けてきた私ですから、無償で更新できる!となれば、「それじゃ、アップデートしてみようか」という方針は即決でした。
オンラインでのWindows 8からWindows 8.1へのバージョンアップは、秋葉原で深夜販売の始まった4時間前、10月17日の午後8時から行えるようになっていました。この日は残業もそこそこに帰宅して、その瞬間を待っていたんですが、夕食を摂ったり、娘を風呂に入れる準備をしたりしていたらあっという間に時間が過ぎてしまい、パソコンの電源を投入したのは午後9時の少し前でした。
Windows 8.1へのアップデートは、Windowsストアから入手できます。スタート画面からWindowsストアを起動すると、最初に表示される一番左の位置に大きくアップデートの案内が表示されますから、これをタップ(クリック)して作業を進めます。
Windowsストアからダウンロードするわけですから、必然的にMicrosoftアカウントの登録が不可欠ということになります。まあ、このあたりは昔からのBeta版やRC版などをネット経由で入手するときと同じですから、私にとってはそれほど問題にはなりません。
64bit版Windows 8 ProにMedia Centerを追加していた私の場合、アップデートに必要なダウンロードサイズは3.42GB。DVD1枚分に匹敵する大量のデータになりますが、ダウンロード中でも他の作業は通常に行えますから、指示だけ出しておいて、風呂に入ったりしながらじっくり待ちました。
結局、ダウンロードだけで1時間ほどかかりました。最大1Gbpsの「フレッツ光…(中略)…隼」ですから、本来ならもっとスピーディでも良いはずなんですが、やっぱり公開直後で混雑していたのでしょうね。
ダウンロードとその後の諸々のバックグラウンドでの処理が済むと再起動を求められ、そこからは自動的に数回の再起動が行われて、30分ほどで作業は終了しました。特に引っかかる場面も全くなく、正直なところネタにならずに残念でしたね。…もちろん、誰もが使う道具としてはパソコンはこうでなくてはならないのですが。
アップデートが終わると、Windows 8と同様にスタート画面が表示されます。一見何も変わっていないように見えますが、よく見るとこれまでは真っ黒だったデスクトップアプリのアイコン背景のタイルが、アイコンの色調を参照した基調色で塗られています。
スタート画面上での表示に関する設定を変更できるようになったのが、Windows 8.1の改良点の一つ。タイルの大きさの変更範囲がこれまでよりも幅広くなり、大きなタイルにするとアプリ上の更新情報についてもより多く表示できるようになります。また、背景をデスクトップと同じ画像に設定できるのは、私のようにまだデスクトップ画面での使用が中心のユーザーにとっては、デスクトップとの連続感が出てきて好印象です。
デスクトップ画面の左下に「スタートボタン」が復活した…というのが、Windows 8.1での「改善点」として巷では取り上げられています。しかし、以前のWindows時代のスタートメニューが復活したわけではなく、このボタンを押すと例のスタート画面に遷移するだけ。要するに、キーボード上などにある「Windowsキー」を押したのと同じ操作をするボタンということになります。
私のように、キーボードからの操作を多用するユーザーの場合、このボタンの存在する意味は全くと言っていいくらいありません。むしろタスクバーに並ぶアイコン数が減ってしまうのはマイナス要素かも。Windows 8.1としてはこの「スタートボタンのようなもの」を消す設定は用意していないようですが、既にこれを消せるユーティリティも存在するようです。
とはいえ、巷からの要望を聞いて素直に取り入れた…ということでは、これは評価できる改善点ではないかと思います。これでWindows 8アレルギーのようなものが多少でも払拭できれば、Microsoft社にとっては朗報になります。
コマンドプロンプトからWindows 8.1の内部バージョンを見てみると、バージョン6.3と表示されます。つまり、Windows 8からのステップアップは0.1ということで、あれだけ劇的に変貌を遂げたWindows 7からWindows 8への変化のときと同じだけバージョンが上がっていることになります。
ということは、一見見た目には大差なくても、相応に変化したポイントがあるのでは?という疑問が出てきます。実際のところ、新しいUI版のアプリではいろいろと機能が追加、拡張されているのだそうです。しかし、それがはっきり見えてくるのはWindows 8.1専用の機能を使ったアプリが数多く登場してきてから。実感するにはまだまだ時間がかかりそうです。
0.1もバージョンが違うとなると、心配になるのが周辺機器のドライバーの対応。基本的にはWindows 8用のものがそのまま使える…ということらしいのですが、中にはローランドのように、「Windows 8用のドライバーはWindows 8.1に対応していません」と明言しているメーカーもあったりします。実はそのせいで少々泡を食っているところなんですが…このあたりは、しばらく状況を注視する必要があります。
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