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どこでも録画チェック

先日我が家にやって来た新しいブルーレイレコーダー・DMR-BWT550。実に多彩な機能を持った製品なんですが、私が注目していた機能の一つが「お部屋ジャンプリンク」です。録画した番組や現在受信中の放送を、LANを介して他の機器からでも視聴できます。また、自分で撮影した写真や動画、CDの音楽などもBWT550のハードディスクに取り込んで、他の機器で観たり聴いたりすることができます。

同様の機能は、パナソニック以外の各社もブルーレイレコーダーやテレビの対応機能としてそれぞれ独自の名称を付けて宣伝しているところですが、実際にはDLNA(Digital Living Network Alliance)という業界の統一規格に沿ってデジタルコンテンツのやりとりを行っています。つまり、異なるメーカーの製品同士でも利用できる可能性があります。

また、パソコンでも、アプリケーション等で対応すればDLNAサーバーであるBWT550に保存された内容を見ることができます。ただし、デジタル放送には著作権保護のためにコピー防止の暗号化規格であるDTCP-IPへの対応も必要になります。Windows 7/8はDLNAに対応してはいるものの、DTCP-IPには標準では対応していません。また、DTCP-IPに対応するためのWindows用フリーソフトも現在のところは存在しません。有料のソフトウェアを購入する必要があります。

我が家ではテレビのある部屋には全てLANの配線を引き込んでありますが、それはこうして「どこでも録画チェック」を実現するためと言っても過言ではありません。早速パソコン用ソフトを導入して試してみることにしました。


DiXiM Digital TV plus for I-O DATA

我が家で使っているNAS・HDL2-A2.0のユーザーは、DLNA及びDTCP-IPに対応するクライアントソフトである「DiXiM Digital TV plus for I-O DATA」を無償でダウンロードして利用することができます。DiXiMといえば、DTCP-IP対応のソフトとしてはメジャーどころですね。Windows環境だけでなく、AndroidやiOS向けにもアプリが提供されています。

Media Centerのような全画面表示のインターフェースになっています。録画されている番組、視聴できるチャンネルがずらりとリスト表示され、そこから観たいものを選択することになりますが、目的のものを探すのが結構大変です。検索機能は一応付いているので、録画したものを探すにはこれを使え…ということになるのでしょう。ただ、放送を見る場合に有料のBSやスカパー!の局までずらりと並ぶのは、契約していないユーザーには意味がありません。必要なものだけを選んだ「お気に入り」メニューがなくては辛い気がします。

実際に映像が出てくるまでに相当待たされますが、これがBWT550の処理能力が足りないからなのか、LANの転送速度の問題なのか、それともDTCP-IPの手続きがややこしいからで仕方ないものなのかはよく分かりません。おそらく最後の要因が一番大きいのではないかな?と思っています。それでも、映像が出始めれば動きは十分にスムーズ。CMを飛ばすのに便利な「30秒スキップ」「5秒戻し」が可能ですし、贅沢を言わなければこれで十分用が足ります。


StationTV Link

StationTV Linkも、同様にDLNAとDTCP-IPに対応したクライアントソフトですが、こちらはWindows 8の新しいUI上で動作するアプリで、スタート画面と同様のユーザーインターフェースを持っています。録画した番組、受信できる放送、写真や音楽をカテゴリー分けして表示できるので、目的の映像を見つけやすくなっています。

現在、キャンペーン中で通常の半額である1,950円で販売されています。7日間の試用も可能なので、自分の環境で動作するかどうかを確認してから購入することができます。私の自作機のWindows 8.1上では、動作はDiXiM Digital TV plusよりもかなり軽快。しかし、ライブ放送の視聴でしばしば「サーバーとの通信ができない」旨のエラーが表示されて、観ることができません。たまに成功する…というのが何ともアナログで不可解なんですよね。

それでも、録画した番組は問題なく観られるということで、Windowsストアで購入手続きを行いました。動作の安定性については、今後のバージョンアップに期待しましょう。


DLNA自体は、家庭内LANに限らずインターネット上でコンテンツのやりとりが可能な規格になっています。もう一歩進めれば、自宅で録画したものを出先からネット経由で視聴する…なんて芸当もできるはずで、技術的にもインフラ面でも条件は整いつつあると思うんですが、残念ながらまだ諸々のオトナの事情もあってそのあたりは実現できないようです。

そもそも、デジタル放送のダビングが「10回まで」と決められているのも、何とも面倒な話です。先ほどのDTCP-IP対応ソフトの件と言い、デジタル放送になって便利に活用できる可能性が広がったのに、コピーが妙な方法でいろいろと制限されているのは何とも不便ですね。まあ、決められたことですから従うしかありませんが。


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