現在、我が家でデータ保存を担っているのが、ネットワーク接続ハードディスク(NAS ; Network Attached Storage)のHDL2-A2.0。一見味も素っ気もないプラスチック製の小さな黒い箱なんですが、実に多才かつ基本性能も高い優れものです。
ここに保存されるデータは、私たちがこれまでに作ってきた大事な作品たち、そして撮りまくった大量の写真が中心。どんな非常事態になっても、何に代えても守り抜かなくてはなりません。ですから、HDL2-A2.0に内蔵された2台のハードディスクは、RAID 1でミラーリングして、万が一の故障に備えていますが、これに加えて、外付けのハードディスクにもバックアップを保存しておきたいと考えていました。
HDL2-A2.0には、USB端子が2口装備されています。これは、プリンターなどの多彩なUSB機器を接続してPCから使う「net.USB」として使えることを以前ご紹介しましたが、もっとシンプルにハードディスクを接続して共有の保存領域として使うこともできます。そして、パソコンなどを使わずに、NAS本体だけで定期的なバックアップをスケジューリングすることが可能です。
以前バックアップ用に使っていた、ポータブルタイプのUSB3.0接続ハードディスクを繋いで使えれば、災害時などに持ち出すことが可能で、有効なバックアップになる…という目論見がありました。しかし、実際に繋いでみると、どうもうまく動きません。接続しても認識したりしなかったり。また、データの転送中にも突然接続が切れてしまうことがありました。これではまともに使えません。
よく観察してみると、認識しないときには「カツン、カツン」と周期的な音を立てています。どうやら、電源周りが不安定なようです。試しに他のバスパワー動作のハードディスクを繋いでみたところ、全く同じ症状が発生。改めてHDL2-A2.0のサポート情報を見ると、USBメモリなどは認識できるものの、バスパワー動作のハードディスクは非対応となっています。十分な電源供給が確保されていないのでしょうか。
それなら、バスパワー接続のハードディスクでも、外部から電源を供給すれば動作が安定化するのでは?ということで、何か良い方法はないか探してみると、こうしたニーズに向けた商品がちゃんと存在するんですよね。
例えば、HDL2-A2.0の販売元でもあるアイ・オー・データ機器は、USB-ACADP5というACアダプターのパッケージを販売しています。これは、20cm程度の短いUSB 3.0の延長ケーブルから、電源供給のためのケーブルが枝分かれした専用ケーブルに、5V/1.5Aが供給できるACアダプターを組み合わせた商品です。
早速、件のポータブル型ハードディスクを繋いで試してみたところ、これまでの不穏な挙動はすっかりなりを潜め、安定して認識するようになりました。自動バックアップを設定してみたところ、5時間半ほどかかったものの、無事にタスクが走りきるのを確認。これなら任せて大丈夫そうです。
ちなみに、私はバックアップ元のNASとバックアップ先のハードディスクの内容を同一にする「同期」モードで、毎日深夜にバックアップタスクを走らせていますが、2回目からは300GBほどのデータの照合が10分弱で終わるようになりました。変更されたファイルの古いバージョンを残していく「履歴」モードでも運用できますが、所要時間はあまり変わらないようです。
外付けハードディスクをNASの上に載せてみたところ、吸気口を塞がないギリギリ内側にちょうど収まりました。互いにシンプルなデザインで違和感がありません。これなら、インテリア的にも余り美観を損ねずに済みますね。とりあえずこのスタイルで運用してみましょう。間に耐震のジェルでも挟んでおきたいところではありますが…。
HDL2-A2.0の場合、外付けハードディスクのフォーマット方法はFAT32と独自フォーマットから選べます。FAT32なら取り外して他のパソコンに挿せばすぐに読めますが、ファイルサイズ等に制約があります。独自フォーマットなら制約はほぼありませんが、パソコンに直結して読むためには専用のユーティリティソフトをインストールする必要があります。
我が家では、独自フォーマットで運用した上で、念のために自作デスクトップ機にはユーティリティをインストールしておきました。緊急時に備えるという意味では、妻のノートパソコンにもちゃんとインストールしておかなくてはなりませんね。
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