ただ今、2週間のお試し利用中のレッツノート・CF-MX3。以前から何度かご紹介していますが、この機種は、一般的なクラムシェル型のノートPCの形態から、そのまま液晶画面が360度開いて、タブレットのような形態でも使える構造になっています。
ノートPC兼タブレットとして使える「2in1」製品にもいくつかの変形パターンがありますが、CF-MX3/AX3で採用されているこのパターン自体は、全く独創的なものというわけでもありません。他社製品にも複数の採用例があります。一般的には「リングノート型」と呼ばれたり、レノボのライバル製品の商品名から「Yoga型」と呼ばれたりしますね。ヒンジ部分に2つの回転軸を設け、筐体の厚み分をクリアしてディスプレイ面を裏側に回り込ませます。
この方式の特徴は、分離合体型や2軸回転型、水平スライド型などの他の2in1製品と比べると、ディスプレイを開く角度に合わせてさらに多彩なスタイルを作れること。例えば、300度以上開いた状態でキーボード面を底面にして置くと、タブレットをチルトスタンドに立てかけたような形態になり、普通にタブレットをテーブルに置いた状態よりも操作しやすくなります。ネット動画やDVDビデオなどの映像を見るのにも便利です。
テーブルのスペースが十分確保できないときには、ヒンジ部が一番上になるように向けて、ギリシャ文字のΛ(ラムダ)のような形で立てることもできます。床にゴム足等の接地面がないので、安定感には少々不安もありますが、いざという時の選択肢として頭に置いておきたいところです。
CF-MX3では、ディスプレイを180度を超えて開いていくと、220度あたりでキーボードやタッチパッドは自動的にロックされます。そもそも、キーボードを有効にしたところで、この形態でディスプレイを見ながらキーを叩けるような変態的な技能は持ち合わせていません(笑)。必然的に、タッチパネルで操作することになります。
Windowsストアアプリは、もともとタッチパネルでの操作を念頭に置いたインターフェース設計になっていますから、操作には慣れこそ必要なものの、それほど問題は感じません。ただし、タブレット形態で文字を入力したいときには、ソフトウェアキーボードを使うことになります。
ソフトウェアキーボードは、普通のPC用キーボードと同じQWERTY配列の他、スマートフォンでお馴染みのフリック入力ができる10キー型のものも使えます。手書きでの入力も可能です。最初の数文字を入力することでその先を予測入力する機能も搭載されています。ATOK 2014をインストールすると、ATOKの用意するキーボードも使えるようになりますし、予測変換も他の端末(Androidも含みます)で使っているATOKで学習した単語が表示できるようになります。
ソフトウェアキーボードもいろいろと使い勝手が考えられているのは分かるのですが、それでも、CF-MX3ではクラムシェル形態に変形してハードウェアキーボードを使った方が断然正確で早いと思います。どうしてもキーボードを展開できないときは、ソフトウェアキーボードを使うことになるのでしょうけど、そのときはおそらく片手で筐体を持って支えているなど片手で打たざるを得ない状況なので、QWERTYキーボードよりもキー数の少ないフリック入力や手書き入力の方が小回りが利きます。
デスクトップ用のアプリケーションを使う場合は、元々タブレットで使うことを前提に作られていないことがほとんどなので、さらにいろいろと問題が噴出してきます。そして、これは実はタブレット形態に限ったことではなく、クラムシェル形態で使っていても結構ストレスが溜まる…というのが、CF-MX3に限らず、Windows 8以降の今どきのPCの実情ではないかと思います。このあたりについては、また回を改めてまとめてみたいと思います。
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