「レッツノートMX3シリーズお試しキャンペーン」に当選してお借りしているレッツノート・CF-MX3に、現在私の自作デスクトップPCで使っている環境がほぼ移行できました。
まず最初に、ローカルアカウントで設定されているログオンを、私のMicrosoftアカウントを使ったログオンに連携させる作業を行います。自作デスクトップPCでは、Windows 8のインストール時の当初からMicrosoftアカウントでログオンするように設定されていて、これと同じアカウントを使うようにしたわけです。
このように設定するだけで、環境の移行はずいぶん楽になります。いちばん手間が省けるのは、Modern UI用のWindowsストアアプリについては、このアカウントで紐付けされた各端末でインストールされているアプリを一元的に確認できること。ある端末にインストールされているアプリを全て一括でインストールすることもできますし、インストールしたいアプリを一覧から選択して必要なものだけを選ぶこともできます。
また、それぞれのストアアプリの設定も、自動的に移行されている…というより、共通で使えるようになっているようです。例えばWindowsメールのアカウント設定や、Microsoft Minesweeperのスコア記録などは、どちらの端末でログオンしても常に最新の状況が表示されます。また、壁紙などのWindows自体の設定も共有することが可能ですし、共有する項目を個別に選択することもできます。
Windowsの設定の一部ということになりますが、クラウドストレージサービスのSkyDrive(OneDriveに改名されることになっています)の設定もMicrosoftアカウントと同時に引き継がれ、保存しているデータには簡単にアクセスできます。Windows 8.1ではSkyDriveがOSと高度に統合されて、インターフェースとしてはクラウドストレージであることをほとんど意識せずに(回線接続速度が遅いとローカルストレージとの差が体感できるでしょうけど)使えるようになりました。自分でユーザーフォルダーからデータをコピーする作業を行わなくても、同じIDとパスワードでログオンすればすぐに。同じファイルが、ユーザーから見ると同じ場所から開ける…ということになります。
各ユーザーのデータは基本的にクラウド側にあって、それを各端末から呼び出してどこでも共通で使えるようにする…というのが、Windows 8時代の端末間での環境の移行や共有の方法論です。AppleやGoogleがスマートフォンやタブレットで実現してきた環境を追いかけて、ようやく追いついただけ…という見方もできますが、デスクトップPCとノートPCの間でのデータの同期に苦労していた時代は、もう過去のものになりつつありますね。
ただし、これもModern UI上で運用する限りは…の話。デスクトップ環境に関してはこんな便利な環境は用意されず、従来とほぼ変わりません。必要なアプリケーションは個別に再インストールする必要がありますし、環境設定も基本的に一からやり直しです。それは、Microsoft Officeですら例外ではありません。デスクトップ環境がModern UIアプリのひとつのように見えることからして、これは過去の資産との互換のために残しているだけで、動かせるだけでも感謝するべきだ…というつもりなのかも知れませんが、あまりにも大きな落差を感じます。
もっとも、1台のPCにしかインストールが認められず、複数端末で使うには複数ライセンスが必要…というライセンス上の縛りは、ずいぶん改善されています。例えばウイルスバスターなら3台の端末にインストールできますし、ATOK Passportはプラットフォームを問わず同一ユーザーが使用する10台までの端末で使用可能です。Office 365も1ユーザーあたり5デバイスまででの利用が認められています。
そういえば、これらはすべて月額や年額の会員制で、常に最新のバージョンが利用できる契約形態であることも共通していますね。この場合、クラウドからの最新アプリケーションの提供が必然になりますから、複数端末間での利用ライセンスをユーザーで紐付けて、ネット接続前提に管理することも可能です。その結果、確実に収入を得られる環境が整い、ライセンス制限を緩める余裕が出てきた…ということなのでしょうか。
個人的にはこういうシステムがもっと普及してくれると嬉しいんですが、プリインストールソフトてんこ盛り…という日本のPC小売り文化とは相容れない部分がありますし、そのためにMicrosoft Officeの月額制ライセンス推進は日本では企業向けのみの展開となっているようです。劇的に変わるのは難しそうですね。
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