Windows 8と同時に登場した新しいインターフェース・Modern UIと、この上で動作するWindowsストアアプリ。自作デスクトップ機にWindows 8を導入したときには、従来のWindowsデスクトップ環境からのあまりにも大きな変化に違和感があり、結局ほとんど使っていませんでした。
しかし、この新しいユーザーインターフェースは、画面を直接手で触れて操作するタッチパネルに最適化された環境。タブレットや、今回お借りしたCF-MX3のような2in1タイプの製品で使うと、印象はずいぶん変わってきます。確かに、操作したい対象に直接手を伸ばすのは実に直感的なやり方で、従来のマウスやタッチパッドでカーソルを動かす操作がずいぶんまどろっこしいものだったことに気づきます。最近では、自宅や職場のデスクトップPC(もちろんタッチパネルではありません)でも、ついつい画面に手を伸ばしてしまうことがあります。慣れというのは恐ろしいものです。
タッチパネル付きの環境なら、Modern UIアプリをもっと積極的に使ってもいいかな?と思い、いくつかダウンロードしてみました。ひとつの特徴は、全体的に販売価格が低価格のもの、あるいは無料のものが多いこと。デスクトップ用アプリと比べると、全然ケタが違います。Modern UIアプリのライバルは、iOSやAndroidのアプリですから、彼らの価格に合わせなくてはなりません。その価格帯のせいか、あまり高度なアプリはなく、ひとつひとつはお手軽なものになっているような気がします。
そして、これもiOSやAndroid用のアプリと同様なんですが、既にWebサイト上で提供されているサービスを、アプリとして仕立て直して公開しているものが非常に多いですね。だからこそ、改めて代金なんか取れない…ということなのでしょう。
例えば、Twitter、mixi、Facebook、LINEはどれもWindowsストアアプリを用意しているサービスです。そして、Internet ExplorerなどのWebブラウザーからアクセスしてもほぼ同様、あるいはそれ以上のサービスを受けられたりします。
特に残念なのは、Facebookのストアアプリ。画面から受ける印象が、ブラウザーからWebサイトにアクセスするのとほとんど変わらないばかりか、日本語化がまだ完全には終了しておらず、メニュー項目や友達の名前が英語表記だったり、「いいね!」が「Like」のままだったりします。アプリには、スタート画面のタイル上で更新情報を提供できる「ライブタイル」という機能がありますが、それを加味したとしても、総合的な使い勝手はWebサイトの方が上です。
これと比べると、意外に頑張っているのがmixiのストアアプリ。Modern UIの基本作法である横スクロールを基本にタイムラインをタイル状に並べ、外部サイトへのリンクをクリックすると、画面を分割してInternet Explorerでリンク先を表示します。時々変な挙動を見せることもありますが、ライブタイル機能も含めて、アプリならではの付加価値はあり、これならアプリを使ってみようかな?と思わせてくれます。
Android上でも同様の状況を見てきましたが、個々のWebサイトとアプリを見比べて、使いやすい方を使えばそれで問題ないのだと思います。スタート画面上には、アプリの起動タイルだけでなく、Webサイトへの「お気に入り」リンクをタイルとして貼り付けることもできますからね。各サービスにたどり着くまでのアクセス性はほぼ変わらないわけです。
おそらく、アプリの作成技術は日々進歩しているのでしょうから、あまり毛嫌いすることはなく、時々は使ってみて変化を確認しておきたいですね。一方で、HTML5の普及により、Webサイトの表示もどんどんリッチになっています。特定のプラットフォームに依存しないHTMLは、グローバルなサービス展開に有利なはずです。それぞれに長所はありますから、最終的にはうまく使い分けることになるのでしょうね。
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