我が家でコーヒーを淹れるときに、ゴールドフィルターを使っていることをご紹介したことがあります。お陰様で、ひと味違う美味しいコーヒーを楽しませてもらっています。しかし、3年半も使っていると、さすがに金色の輝きにも陰りが出てきました。このあたりでちょっとリフレッシュしてやろう!ということで、フィルターを漂白剤を少量混ぜた水に浸して、しばらく置いておきました。
ところが、後で私が様子を見に行ってみると、浸してあった水の色が真っ黒に。そして、ゴールドフィルターの網の部分に、何カ所も大きな穴が空いてしまいました。底の部分には小さな穴こそあれ大きな穴はありませんから、少量ならまだ淹れられそうなのですが、家族で朝食時に飲む4人分でも難儀しそうです。これでは残念ながら使い物になりません。
ゴールドフィルターをご紹介したときにも説明しましたが、ゴールドフィルターはステンレス製のメッシュに金メッキを施して作られています。本来、金属製品を漂白するときには酸性が強い塩素系漂白剤だと金属を溶かしてしまう可能性があるので問題があるんですが、何しろ金は全ての金属の中で最も化学反応に強い物質。金メッキで覆われているのなら、塩素系漂白剤でも行けるだろう…と高をくくっていました。
ところが、ステンレスが剥き出しの部分があると、状況が一変します。ステンレスは、鉄、ニッケル、クロムなどの合金ですが、これらは全て、金よりも酸化されやすい金属です。酸化されやすい度合い(「イオン化傾向」なんて指標もありますが)が違う金属が、塩素系漂白剤の溶液のような電解液に浸されると、電池の内部に近い状態になり、電子が移動して化学反応が進みやすくなります。こうなると、より酸化しやすい(→錆びやすい、溶けやすい)ステンレスのメッシュが溶けてしまいます。フィルターがぼろぼろになるのも仕方ない話です。
ともかく、当座はペーパーフィルターを買ってきてしのぎ、新しいゴールドフィルターを買おうかと思います。しかし、これまで使っていたのと同じelfo社の103サイズのゴールドフィルターは、どこに行っても、ネットで探しても品切れ状態。理由はよく分からないんですが、もうしばらく探してみようと思います。生産終了していたりすると、話は厄介なんですが…。
ところで、今回買ってきた103サイズのペーパーフィルターは、100枚入りで249円。このフィルターの代わりに4,320円のゴールドフィルターを使って元を取るためには、1,735回以上淹れる必要があります。毎日1回ずつ淹れたとしても4年半以上かかる計算。3年半で使えなくしてしまったのは、実にもったいなかったことになります。もちろん、コーヒーの風味という点でプラス要素がありますから、単純に1回淹れるための金額だけで比べるわけにも行かないんですけどね。
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