今年に入ってから、家族や親しい友人との連絡手段としてLINE(らいん…「いん」のところに平板のアクセントを付けて読まれます)を使っています。LINEは、mixiやFacebookなどのように、登録した友人との間でだけやりとりができる、いわゆるSNS(Social Networking Service)。日本生まれのサービスですが、積極的にグローバル展開を進め、既に世界中でユーザー数は4億を超えるそうです。
1対1やグループ内で、非常に簡易なメッセージをやりとりするのが基本スタイル。また、スタンプと呼ばれる画像で簡潔に感情などを伝えられるシステムが特徴になっています。ときには、テキストは全く使わずにスタンプだけが行き来することもあります。
また、会員同士なら無料で音声通話が可能なのも、セールスポイントのひとつです。もっとも、仕組み自体はインターネット通信の上に音声データを乗せる、いわゆる「インターネット電話」ですから、スマートフォン同士の無線ネット接続では品質面でどうしても難しいところがあります。あとはコストとのトレードオフでしょうか。
LINEの特徴のひとつが、テキストメッセージやスタンプが、送信した相手に確認してもらえたかどうかを知ることができる「既読」機能。基本的に送りっぱなしの従来の電子メールとは、コミュニケーションの質が一変します。確認したのに返信しないことを指す「既読スルー」という用語も生まれるなど、新世代のコミュニケーション手段として認知されてきています。
「既読」機能があるからには、送ったメッセージをいつ読んでもらえるのかは結構気になるわけですが、実際にLINEを使ってみると、メッセージはすぐには読んでもらえないことの方が圧倒的に多いと感じます。それも、届いたメッセージが読まれていない場合だけでなく、メッセージの配信そのものが遅れている場合もあるようです。
LINEがシステムとしてどのようにメッセージを送受信し、既読確認を行っているのかはよく分かりませんが、あくまでもインターネットというインフラの上で、主にスマートフォンアプリを使ってアクセスしているわけですから、少なくともアプリが通信を受け付ける状態でなくては、メッセージは既読かどうかを論ずる以前にそもそも受信してもらえません。バッテリーの消耗を抑えるために、バックグラウンドでのアプリの通信を抑制していたりすれば、LINEアプリがフォアグラウンドに来ない限りはメッセージも届かない…という可能性もあります。
実際に、すぐ読んで欲しいメッセージをLINEで送ってみたものの、何十分も読まれずに放置された例がいくつもありました。後で聞いてみたら、アプリがエラーを起こして止まっていたため、そもそも受信されていなかった…なんて話もあります。画面がチャットアプリのようなデザインになっていることもあり、即時届いていることをついつい期待してしまうんですが、それはどうもLINEに対しては過大な期待のようです。もっとも、一度メッセージの着信を認知してもらい、LINEをフォアグラウンドに置いてもらいさえすれば、ほぼリアルタイムでメッセージのやりとりができていますから、その前提なら期待するレベルにかなり近い動作ということになります。
どうしてもすぐに相手に届いてほしいテキストメッセージを送信するなら、いちばん確実なのはSMS(Short Message Service)です。送信できる文字数が少なく、しかも1通あたり数円の課金が普通という、非常にバイト単価の高い通信なんですが、インターネットではなく電話回線を通って送信先にダイレクトにプッシュされますから、配信されたことを確実に確認できます。電話番号さえ分かればどこにでも送信できるのも便利な特徴です。
しかし、SMSにはLINEメッセージの既読確認のような開封確認があるわけではありません。届いていることは確実ですが、読んでもらったかどうかは分からない…ということになります。ではどうするか?というと、やっぱり最強の手段は相手に電話を掛けて「メッセージ送ったから読んでね」と話すこと。強制的に双方向通信を確立してしまう音声通話は、即時性では最強です。
LINEのメッセージを送った場合にも、なかなか読んでもらえない!と思ったときには、この手が使えるはずです。しかし、無料でコミュニケーションが可能なのがLINEのいいところのはずなのに、有料の電話回線を使うのも何だか本末転倒な気もしますが…結局のところ、適材適所の役割分担ということなのでしょうね。
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