「眼鏡越しの空」といえば、DREAMS COME TRUEが1992年にリリースした5枚目のアルバム『The Swinging Star』に収録されている作品のタイトルです。『The Swinging Star』は、日本で史上初めて300万枚を超える売上を記録したアルバム。それまでもアルバムを100万枚以上売り続けてきた彼らでしたが、この大ヒットでトップアーティストとしての評価を確立したと言っても良いかも知れません。その後、彼らが現在に至るまで第一線で活躍し続けているのは、皆さんもご存じのとおりです。
「眼鏡越しの空」は、シングルカットされているわけではありませんが、知る人ぞ知る名曲として知られる作品のひとつで、主人公は、眼鏡をかけるのは大嫌いだけど、憧れの人に「気がある」ことがばれないようにするにも、その姿をちゃんと見るにも都合がいい…と歌います。しかも、見ているのは後ろ姿ばかり。面と向かうことすら恥ずかしい!という、何とも奥手な主人公は、槇原敬之の楽曲にもちょっと通じるところがある気がします。それにしても、そんな曲ばかり好きな自分のメンタリティーって、いったいどうなんだろう?(苦笑)。
…という音楽談義は横に置いておくとして…前にもそっくりな前振りがありましたが…、実は私もここ1ヶ月ほど、大嫌いだった眼鏡をかけ続けています。
きっかけになったのは、8月上旬に職場の福利厚生で受診した人間ドック。視力検査で、輪っかの切れている方向がさっぱり分かりません。診断結果は、両目とも裸眼視力0.1でした。
以前は、視力検査の結果は裸眼0.6~0.7程度で安定していて、日常生活では大して不自由がないものの、自動車運転免許の更新時には眼鏡がないと検査を通れるか不安なので、クルマを運転するときだけは眼鏡をかけている…という生活を続けていました。それが、去年の検診では0.2~0.3という結果で、久しぶりに変動がありました。そのときは「たまたま疲れているだけかも知れないね」と言われ、特に問題にはならなかったんですが、2年連続で明らかに低い数値が出たのは問題です。これは、視力が低下したと考える方が自然でしょう。
この結果を受けて、改めて日常生活を振り返ってみると、確かに遠くのものが以前よりぼやける感じで、かなり見にくくなっています。一方で、以前から気になっていた肩こりがここ数年はすっかり慢性化し、常に肩甲骨の裏側に鉄板が入っているかのようなカチンコチンの状態。目の使いすぎと肩こりの関係性はよく言われるところで、もしかすると視力低下と肩こりの間には因果関係があるのでは?と思ったわけです。もともと眼鏡は持っているわけですから、それを日常的にかけてみよう!ということにしました。
私にとって、眼鏡は免許の条件だから仕方なくかけている…という存在で、出来ることなら使いたくないモノでした。一方、妻にとっては眼鏡は日常生活の必需品。眼鏡使いの大先輩である妻からいろいろ教わりながら、私の眼鏡生活は始まりました。
まず問題になったのは、そもそも眼鏡をかけ忘れてしまうこと。この1ヶ月で、3日ほど眼鏡をかけ忘れて出勤してしまいました。なるべく長時間眼鏡をかけ続けて、その感覚に慣れたいところだったんですが、忘れてしまってはなかなかウマく行きません。夜寝るときは、枕元のサイドテーブルに置いた眼鏡ケースにしまう。朝は、最初に眼鏡ケースから眼鏡を取り出して掛ける。そんなサイクルを習慣づけるように気をつけて…いるんですが、未だに慣れません。
眼鏡を掛けるようになって、最初に困ったのは非常に歩きにくいこと。今までと地面の距離感が違うので、足下を見ないと怖くて歩けません。しかも、足下に注目しすぎると、今度は前方への注意が行き届きません。これは場数を踏んで慣れていくしかなかったわけですが、慣れるのは意外に早かったですね。毎日必須の基本動作ですから、当然と言えば当然ですが。
結構びっくりしたのが、眼鏡を掛けていると近くのモノにピントが合いにくくなること。最初は「老眼?」と冷や汗が出てきたわけですが、冷静に見てみると、それまでパソコンに向かっていたときの画面までの距離が近すぎただけの話。30cm程度の適正な距離を取ったところで、ちゃんとピントが合います。おかげで、背筋を伸ばした姿勢でパソコンに向かえるようになりました。これはなかなかいい感じ。まだ、肩こりの方は劇的な改善を見ているわけではありませんが、そのうち良い影響がありそうな気がします。
眼鏡を掛けるようになっていちばん嬉しいのが、遠くのモノがくっきり見えるようになったことでした。そもそも、クルマを運転しているときには、遠くのモノがちゃんと見えていないと危なくて仕方ないわけですが、それ以外の場面でも、遠くの案内看板を見ると、今までいかにぼんやりした見え方を我慢していたのかを痛感します。どんな字が書いてあるのか想像しなくても、ちゃんと読めるのが当たり前なんですね…今更なんですが。
そして、看板よりも嬉しいのが、背景になるいろいろな景色が、細かいところまでよく見えること。旅行も大好きな私ですが、もしかすると旅行先で景色を眺めるときにも、今まではぼやけた状態でかなり損をしていたかも知れません。
背景のひとつに、夜空の星たちがあります。昔から、星を眺めるのは好きだったんですが、ここ数年は、夜空を見上げてもほとんど星が見えない日々を過ごしていました。街灯などが明るくなりすぎたのかな?と思っていたんですが、眼鏡を掛けて見上げてみると、実は星座の骨組みを探して追える程度の星はちゃんと見えていることがわかります。
気がついたときには、本当に嬉しかったですね。これなら、流星群のときにも今までよりたくさんの流れ星に出会えるかも知れません。またチャレンジしてみましょう。自宅の近所は結構明るい街灯が設置されているので、星を見るためにちょっとお出かけするのも良さそうです。
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