パナソニックから、レッツノートシリーズの2014年秋冬モデルが発表されました。LX、MX、SXという従来のラインナップは、順当に基礎体力がパワーアップされました。そして、ここにもうひとつ新しく加わった新製品があります。
CF-RZ4は、B5判の大学ノートとほぼ同じフットプリントで10.1型・1920×1200ドットの高精細なIPS液晶画面を持つ、現行ラインナップではいちばん小さなレッツノート。かつてのAXシリーズや現行のMXシリーズと同様に、タッチパネル付きの画面が「360度開いて」タブレット形態でも使える…という、いわゆる2in1タイプの製品になります。
JEITA 2.0基準で約10時間という、まる1日使うには十分のバッテリーライフを持ちながら、重量はたったの745g。「コンバーチブルPCとして世界最軽量」だそうです。しかし、これだけ軽くても、きちんとレッツノート基準の耐久テストをくぐり抜けていますし、インターフェースはUSB 3.0×3ポートに有線のLANポート、さらにはHDMIだけでなくアナログVGA出力まで備えています。現物を見るまでは分からない…とはいえ、いつものレッツノートと同様、妥協のないビジネスモバイルとして開発された製品であることは間違いありません。
何より嬉しかったのは、このモデルに冠せられた「R」の文字。2002年に登場したCF-R1から始まる「Rシリーズ」を意識していることは間違いありません。10型クラスの画面をA4判用紙よりもちょっと小さな筐体に収めるデザインは、Rシリーズはもちろんのこと、初代レッツノート・AL-N1の頃から続いていた、まさにレッツノートの王道だったんですが、ここ数年はこのクラスの製品はレッツノートのラインナップから外れていました。
今年の2月から3月にかけて、「レッツノートMX3シリーズお試しキャンペーン」に当選して、2週間限定でCF-MX3を貸していただきました。レッツノート・クオリティを様々な角度から体感できた、まさに夢のような2週間でしたが、数少ない不満点のひとつが、普段の通勤鞄に入れて運ぶにはちょっと大きすぎたことでした。
それ以前の私は、CF-S21、CF-B5、CF-R2、CF-R4と4種類のレッツノートを使ってきましたが、これらは全て10.4型の画面を持つ製品です。重量の問題だけではなく、これ以上フットプリントが大きくなると、気軽に持ち歩くには辛いな…と感じていたからで、以後いろいろと新製品が出てきても、なかなか購入するところまで動けなかった理由のひとつはそこにありました。
そんな私ですから、今回のCF-RZ4の登場には、まさに「Rが帰ってきた!」という思いです。MXシリーズの登場で存在意義を見いだすのが難しくなっていたAXシリーズを、順当にダウンサイジングしただけ…という見方も出来ないことはありませんが、レッツノートの王道への回帰ということで、喜んで迎えたいと思います。
10型前後の画面というと、iPadが9.7型の画面でデビューして以来、OSにAndroidやWindowsを採用したタブレットもこれに近いサイズの製品が数多く登場し、現在ではタブレットにとってのスイートスポットになってきています。パフォーマンス志向の軽量コンパクトモバイルノートとしてはオンリーワンと言って良いCF-RZ4ですが、「10.1型のWindowsタブレット」としては数多くのライバルに立ち向かうことになります。
「世界最軽量」のCF-RZ4といえども、同等サイズの画面を持つピュアタブレットと比べればさすがに重くて分厚いマシンです。しかし、CF-RZ4にはストローク1.5mm、キーピッチ16.8mmの十分実用に足る本格的なキーボードが装備されていることを考えると、評価は一変します。他のどんなタブレットでも、同等のキーボードを一緒に持ち歩くことを考えれば、CF-RZ4よりは重くなってしまいますからね。しかも、キーボードと画面が強固なヒンジでつながっているCF-RZ4なら、膝の上でも好きな角度に画面を動かして文章を打つことが出来ます。現在、10型クラスのタブレットにキーボードを組み合わせて使っている全ての人たちにとって、CF-RZ4は検討に値する選択肢だと言って良いでしょう。
気になるのは価格なんですが、いちばん安価なOfficeなしのモデルなら16万円程度で入手できそうで、相変わらずやや高めの設定ではあるものの、手が届かないほどではないと思いますし、値段に相当する以上の価値はあると思います。ネット直販のパナソニックストアでは、さらに基本性能がハイスペックのモデルや、LTE通信内蔵のモデルも購入可能で、こちらも気になるところです。まあ、現物を手に取ってみないことには、実際のところは分かりませんからね。今月17日の店頭販売デビューを楽しみにしておきましょう。
しかし、それ以前の問題として、今のところは購入できる資金がとても用意できません。ともかく、宝くじを買ってみたり、プレゼント懸賞に応募してみたり…と、悪あがきしてみようかと思います。
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