火曜日・7日から、1泊2日で鹿児島県鹿児島市への出張がありました。本州はほとんど全ての県に行ったことがありますし、北海道も、四国4県全てにもすでに上陸済みの私ですが、実は九州以南はほとんど手つかずで、学生の頃に福岡市に一度行ったことがあるだけ。もちろん仕事のために行くわけですが、今回の出張は密かに楽しみにしていました。
鹿児島まで行くための交通手段には、意外に選択肢があります。これだけの距離の移動になると、まず頭に浮かぶのは飛行機。しかし、私が住んでいる浜松市は、飛行場までのアクセスが非常に不便な地域です。出発日の7日・火曜日は、ちょうど静岡空港から鹿児島空港への便が飛んでいる日ということで、せっかくなので…と利用を検討したんですが、残念ながらこれでは先方の予定に間に合いません。鹿児島空港から鹿児島市街へも、バスで1時間以上かかるのだそうですね。
もっと多くの便が飛んでいる羽田空港、名古屋空港や中部国際空港、博多駅から地下鉄で2駅の福岡空港などを利用して、残りは新幹線を使うプランも考えました。これなら、午後イチの予定に間に合う方法もあるんですが、ネックになるのは交通費。飛行機と新幹線を合計すると、とんでもない金額になります。飛行機の早割が活用できるほど前から決まっていた予定ではありませんでしたしね。
というわけで、今回は新幹線だけで行くことにしました。ちょっと朝早めに出発しなくてはなりませんが、運行本数が多く、ちゃんと予定に間に合う便があります。しかも、市街地から市街地まで直行で、運行時間も非常に正確ですから、遅刻を心配する必要はほとんどありません。
新幹線で遠出するときに、指定席券を買うかどうか迷う…という話をしたことがありますが、今回は迷わず指定席でした。というのも、新大阪駅以西のみで運行されている(東海道新幹線に乗り入れしていない)山陽・九州新幹線では、指定席の座席が2列+2列の4列シート。自由席の方はお馴染みの5列シートということで、指定席には単なる座席指定以上の意味があります。内装には木がふんだんに使われていて高級感もありますし、ゆったりと落ち着いた移動時間を過ごすことができました。
鹿児島といえば、誰もが思い浮かべるモノのひとつが桜島でしょう。鹿児島市街の真っ正面、鹿児島湾のど真ん中にそびえるすり鉢型の山で、日本で最も活発に活動している火山のひとつです。先日の御嶽山の噴火以来、妻は私が鹿児島に行くのが心配で仕方なかったようですが、それを言っていては仕事になりません。だいたい、日本全国どこに行ったって火山だらけですからね。
近年は年に1,000回近く噴火していたこともあるくらいで、桜島の火山活動が生活に密接に結びついているのが鹿児島の町です。まず、町を歩いていると、どこにいても歩道の片隅などに黒っぽくて粒が細かい火山灰が溜まっているのを見つけます。屋外の駐車場に数時間停めてあった自動車の上にも、うっすらと灰が乗っています。私自身も、市内から宿に戻った夜は、まぶたの奥がが少々ごろごろしている感覚がありました。これも、火山灰の降っている中にいるとしばしば起こる症状のようです。
宿でテレビを見ていて、いちばん「鹿児島らしいなぁ」と思ったのが、天気予報のときに「桜島上空の風向き」がさりげなく流れること。鹿児島の人たちは、これを見ながら洗濯物を外に干すかどうかを決めるのだそうですね。とはいえ、洗濯物は風向きに関係なく毎日干さなくてはならないわけで、鹿児島ではサンルームが備え付けられている家が結構多いのだとか。県営住宅なんかでもサンルームが標準装備だったりします。
余談ですが、7日の午後には、桜島のさらに向こう側で、地面から真っ直ぐ立ち上る煙の柱を見かけました。これは火山の噴火ではなくて、種子島宇宙センターからこの日打ち上げられたH-IIAロケットの航跡ですね。ひまわり8号の打ち上げは無事成功したようです。遠くからとはいえ、滅多に見られないものですから、私のテンションはかなり上がったんですが、鹿児島の皆さんにとってはやっぱりこれも日常の一部のようです。ひとりで盛り上がってしまい、ちょっと恥ずかしかったですね。
鹿児島からの帰り道に、新幹線を途中下車して熊本に寄りました。熊本にも、桜島に負けない存在感がある活火山の阿蘇山がありますが、今回の目的はそこではなくて、妻から頼まれたお土産を買うこと。帰りがけに「お土産は何がいい?」と訊いたら、「くまモンのグッズが欲しい」という答えが返ってきたんですよね。皆さんご存じの通り、くまモンは熊本県庁が仕掛けたゆるキャラ。さすがに鹿児島では売ってないんです。
くまモンの熊本県での役職は「営業部長兼しあわせ部長」だそうで、熊本城の近くに、部長室がある観光交流スペース「くまモンスクエア」があります。ここに行くとくまモン部長に会えることがあるそうなのですが、この日のスケジュールは外でお仕事…ということだったので、会うのは無理だろうと思いつつも、お土産でも買うために寄ってみました。
すると、くまモンスクエアの真ん前で、まさかの生くまモンに遭遇。くまモンは、通りがかりの皆さんとひととおり記念写真に収まった後、子供たちと手を繋いで出口まで歩き、お出かけしていきました。改めて近くで見てみると、くまモンって意外に小柄なんですね(プロフィールは身長200cmなんですが)。浜松から全国区を狙うゆるキャラ・出世大名家康くんが結構大きく見えるのとは対照的です。
くまモンスクエア内には限定アイテムがいろいろ売られていますし、同じ建物に入っている鶴屋百貨店には、実に様々なくまモングッズが並べられた「くまモンショップ」があります。いくつかお土産を見繕って買って帰りました。結局、鹿児島で買ったものよりもくまモングッズの方が多かったりして、いったい私はどこに行ってきたのやら(笑)。
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