私のレッツノート・CF-RZ4には、LTEによるワイヤレスWANを内蔵しているわけですが、レッツノートのワイヤレスWAN内蔵モデルには、実はGPSも一緒に付いてくることを以前ご紹介しています。皆さんご存じかと思いますが、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)とは、人工衛星から受信した情報を元にして地球上の現在位置を高精度に特定できるシステムです。多くのスマートフォンやタブレットに受信アンテナが内蔵され、現在位置の情報を活用することができます。
CF-RZ4のワイヤレスWAN内蔵モデル用取扱説明書によると、Windows 8.1のチャーム(画面右端からスワイプ、またはWindowsキー+C)から呼び出す「PCの設定変更」から、「ネットワーク」→「機内モード」と選択し、「機内モード」がオフになっている(つまりワイヤレス関連機能が有効になっている)のを確認してから、その下の「ワイヤレスデバイス」内にある「GPS」設定をオンにすると、内蔵のGPS機能が有効になります。
しかし、実はそれだけでは不十分です。同じチャームから呼び出す「PCの設定変更」から「プライバシー」→「位置情報」と選択し、「Windowsとアプリで自分の位置情報を使うことを許可する」設定をオンにしなければ、GPSの受信アンテナが有効になっていても、各アプリから利用することはできません。もっとも、私のCF-RZ4の場合は、どちらも初期状態で設定はオンになっていましたけどね。
このようにしてGPS機能が有効にしてあれば、CF-RZ4から現在の位置情報を取得して、Windowsストアアプリが利用することができます。デスクトップアプリの場合は、USB接続のGPS機器に仮想シリアルポートを割り当てるような構成のソフトウェアが多かったので、なかなか面倒だったんですが、標準インターフェースが広がってくれば、取り扱いもずいぶん楽になりそうです。
例えば、地図アプリを起動して静岡市役所前まで行き、「自分の場所」アイコンをタップすれば、地図上の静岡市役所前辺りに自分のいる場所を示すマークが表示されます。
Twitterアプリを起動して、位置情報付きのツイートを投稿しようとすると、「静岡県 静岡市 葵区」と静岡市役所付近の住所が表示されます。
Facebookアプリを起動してチェックインしようとすれば、静岡市役所周辺にある施設やスポットがリストアップされます。スマートフォンでGPS機能を有効にしてアプリを起動するときと、ほぼ同じことができるわけです。
しかし、実はスマートフォンで位置情報を使用する場合とCF-RZ4の場合とでは、決定的に違う点があります。それは、スマートフォンではほぼリアルタイムに現在位置を取得できるのに対して、CF-RZ4では正確な位置情報が使えるようになるまでかなりの時間待たされてしまう場合があること。
位置情報が正常に取得できていないときにアプリを起動すると、東京都内、たいていは東京駅と新宿駅の間あたりに、とりあえず現在位置が設定されることが多いようです。Windowsの「位置情報プラットフォーム」は、GPSの他にもWi-Fiアクセスポイントの位置データベースなどを活用して現在位置を推定するのだそうですが、とりあえず日本国内にいる…ということだけは、もう少し別の方法でわかっているのかも知れません。
GPSの性質上、最初に受信できる衛星を見つけるまでにどうしても時間がかかってしまうんですが、ひとたび受信できれば、その後は連続して測位することが可能になります。スマートフォンの場合は、常に電源が入っている状態で使うのであまり問題は起きないんですが、基本的にはスリープ状態にしておいて、使うときだけ起動させるパソコンの場合、起動させる度に最初から仕切り直しとなってしまいます。常にスリープに入らないような設定にしておけば、常時ほぼ正確な位置を取得できそうなんですが、それではバッテリーの消費が心配ですし…何を優先するのか?で、対応を決めるしかなさそうです。
実は、GoogleマップをWebブラウザーから開くと、アプリ上で現在位置が正常に取得できていない状態でも、ほぼ正確な現在位置にマークが表示されます。これは、CF-RZ4だけでなく、自作デスクトップ機でも同じです。
ここで表示されているのは、パソコンで取得した位置情報ではなく、同じGoogleアカウントで使用しているスマートフォン・206SHの位置情報。精度は高いはずなんですが、必ずしもパソコンとスマートフォンを同時に持ち歩いているとは限らないわけで、厳密に言えば「現在の位置」ではありません。特に外出先で使うときなどは、この点を頭に置いて使えば、素早く画面上で現在位置が確認できて結構便利かも知れません。
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