私のレッツノート・CF-RZ4には、NTTドコモ回線に接続できる下り最大100MbpsのLTEによる、ワイヤレスWAN通信機能が内蔵されています。いつでも、どこでもこれひとつでネット接続できる環境は実に強力で、モバイルノートPCの使い方を別次元に変えてくれます。先日の「最後の週末」の記事も、仕事帰りの新幹線からLTEでつないで(Wi-Fiが使えない車両だったので)更新しました。
そのワイヤレスWANを使うためには回線契約が必要なんですが、「NTTドコモの回線に接続できる」と言われても、この場合にNTTドコモと直接契約する方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。NTTドコモから回線の「卸売り」を受けているMVNO(Mobile Virtual Network Operator ; 「仮想移動体通信事業者」)が提供する、いわゆる「格安SIM」を使うのが一般的になっています。
検討した結果、2月からBIGLOBEの提供する「BIGLOBE LTE・3G」を使っているところです。「モバイルブロードバンド」と呼ぶのにふさわしい、ストレスを感じない高速な通信が、どこにいても利用できています。イオンが自社提供のスマホ用に採用するなど、利用者がかなり増えているはずですが、帯域がユーザーの集中で混み合うところまではまだ来ていないようです…私の行動範囲があまりにも田舎なだけなのかも知れませんが。
その「BIGLOBE LTE・3G」が、4月からサービス内容を改定しています。4月17日から月間の定額での高速通信量が増量され、私が利用している「エントリープラン」では3GBまで、「ライトSプラン」では6GBまで使えるようになります。
さらに、ライトSプラン以上では、これまで行われていた、直前72時間の通信量による通信速度制限(以下「72時間制限」)が撤廃されます。これについては、エントリープランでも緩めてくれればいいのに…と思うところ。「月間3GB」と「72時間で360MB」は単位時間当たり通信量にするとほぼ差がないわけで、これでは72時間制限をする意味があまりありませんよね。
また、各月の利用で残った定額分の通信量が、翌月に繰り越せるようになります。これは、ケータイ時代に「無料通話分が翌月まで繰り越せます」として提供されていたのと同様のもので、実際には繰り越した通信量も含めた全てを翌月に使い切れることはほとんどないような気がするんですが、それでもお得感はあるサービスです。
しかし、それこそエントリープランで1ヶ月間ほとんど使わずに、繰り越し分を合わせた約6GBを翌月に使い切ろうとすると、72時間制限はもはや不可避なわけで、このあたりの設定はなんとも疑問です。ちょっと考えればわかりそうな話なんですが…もしその辺りをわかった上で数値上だけサービスが向上したように見せているのなら酷い話です。もしかすると、また利用条件の修正はあるかも知れませんね。
価格据え置きで、次々にサービスを拡充していくのはかなりの大盤振る舞いだなぁ…と感じます。しかし、MVNO他社も同様にサービスを拡充している中で、追従していかなくては競争に勝ち残れないのでしょうね。いよいよSIMロックの解除が義務化されることもあり、様々な分野からMVNOへの参入が進んでいますが、現状では業者が乱立して過当競争気味のように感じられます。BIGLOBEのサービス内容は、個々の数値で他社に追いつこうとして改定した結果、結果的にちぐはぐな形になってしまった…というだけなのかも知れませんね。
見方を変えると、各社が横並びでサービスを改定できるということは、通信設備を貸す側のNTTドコモ等が、その分だけ利用料の設定を引き下げているのでしょう。MVNOたちの回線数が増えていくことは、結果的には自社回線が増えていくことと同じですから、彼らにも十分なメリットがあると言えます。現状でMVNOへの回線提供についてはNTTドコモのひとり勝ち状態のようですが、LTEの通信網がほぼ全国展開を完了したところで、他社、特にKDDIの動向が気になるところです。
いずれにしても、ユーザーである私たちにとっては、より大容量のサービスが、あるいはより安価なサービスが利用できるわけで、実にありがたいことです。経営が傾かない程度に、より良いサービスを提供していただけることを期待しています。
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