ちょっと久しぶりに、我が家の全景写真をご紹介します。左側にちらりと写っている南隣の家には、今月に入ってからご夫婦と小さなお子さんが引っ越してきました。私が庭仕事をしているところに声を掛けていただいたりして、和やかにお付き合いさせていただいています。
しかし、今回のポイントはそこではなくて、我が家の屋根に起こった変化。いつもの東側からの写真では、よく見ないと違いがわかりにくいんですが、西側に回り込むとはっきりわかります。屋根一面に、ドット柄の付いた黒いパネルがずらりと並びました。太陽光発電のための、太陽電池パネルです。
太陽光発電については、マイホームを建てる計画の初期段階から常に念頭にありました。屋根に太陽電池パネルを並べ、事実上無尽蔵と言える太陽光のエネルギーをちょっとだけお裾分けしてもらう太陽光発電は、発電過程で全く燃料が要らず、排出物も皆無。究極に「エコ」な(エコロジーも、エコノミーも)エネルギー源です。
自然志向のログハウスに先端テクノロジーの太陽光発電…という組み合わせに、違和感をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「自然からエネルギーをいただく」という点では、私にとっては実は薪ストーブと同じ位置づけだったりします。かなり高価な設備ということもあり、新築時に同時に導入することは諦めましたが、導入のタイミングは常にうかがっていました。
太陽光発電といえば、やっぱり気になるのが固定価格買い取り制度により電力会社に「売電」できる売電単価。制度が導入された2009年から(今のシステムになった2012年以降も)どんどん下がり続けています。一方で、割高に設定された売電単価を支えるため、各家庭に均一に負担させる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は上がり続けています。回り回って、太陽光発電を使っている人たちの電気代を負担させられているという見方もできるわけで、この現状がなんとも腹立たしかったのが、導入の最大の動機といえるかも知れません。どうせ負担させられるのなら、利用する側にも乗ってやれ…というわけです。
太陽光発電導入の資金計画は、ローンを組んだ月々の支払いを、電気料金の負担減でほぼ相殺する…という形が一般的です。我が家の場合は、電気料金の収支を実質ほぼゼロにした上で、現状の電気料金の平均とほぼ同額を支払っていく…という計算をしています。高めの売電価格が維持されることになっている10年間で支払いは完了させ、その後は「電気代ゼロ」生活…というビジョンなんですが、本当に固定価格買い取り制度がちゃんと維持できるのかどうか?は不安要素ではあります。
今回の施工は、家本体をお願いしたBESSではなく、他の業者にお願いすることにしました。屋根を始めとして、家本体に大幅に手を入れることになる太陽光発電の設置では、他の業者に頼んだことで家に対する保証が切れてしまうのでは?と気になっていたんですが、保証内容について確認してみると、実は誰が施工したとしても(たとえBESS自身でも)、当初の現状と変化させることで、変化させた部分については保証対象外になるとのこと。新たに施工業者による保証は付くわけですし、遠慮なく作業を進めることにしました。
BESSさんには、施工に当たって業者と打ち合わせの場を持っていただくようお願いし、ログハウスの特性を踏まえたアドバイスをいただきました。これで完全にトラブルが起こらない…とまでは思っていませんが、安心感はあります。
太陽光発電システムを供給するメーカーは意外にたくさんありますが、我が家ではシャープ製のシステムを導入することにしました。太陽電池の開発を始めてから半世紀以上の歴史があり、実際に長期間太陽光発電を運用してきた経験も数多く持っている、業界のパイオニアです。
シャープと言えば、どこかで「不買運動」なんて叫んでいたヤツがいた気がしますが、既に数多くのシャープ製品に囲まれた状態で、不買運動は完全崩壊しています。現在経営再建中の同社ですが、無事に立ち直ってくれることを願うばかりです。まさか、高い技術を持ち、まだまだ将来も伸びしろがありそうな太陽光発電関連の事業を、どこかに売却してしまう…なんてことはないと思っているんですが。
施工は、2日に分けて行われました。といっても、当初は1日で全て終わる予定だったのですが、最初の予定日があいにくの雨で、屋根に登る作業だけを延期したため、2日間にわたってしまった…というのが実際のところです。おかげで、屋根に登るための足場が残されたまま週末を過ごしたので、ちょっと別件で使わせていただきました。
初日は、電気の配線工事が主になりました。ほとんどは普段は見えない場所での作業になりましたが、家の中では数少ない、見た目でわかる変化が、リビングの壁面に取り付けられた電力モニタ。発電量、消費電力、現在買電中か売電中か(どちらも「ばいでん」と読むわけですが)等の情報を表示します。壁の中に配線を通し、後付けらしい違和感は皆無です。無線LAN経由でクラウドにつなぐ機能もあるようです。
その電力モニタの真下あたりの、電話線やコンセント等が集まっているところに、新しく電源コンセントが2口取り付けられました。これは「自立モード」用のコンセントです。太陽光発電システムは、通常時は電力会社の供給する電気と併用し、余剰分は売電する「連系モード」で動作していますが、太陽電池の発電した分のみを使える自立モードに切り替えることができます。このときに使うための専用のコンセントがこれで、1口について最大1.5kW、2口合計で最大3.0kWの電力が利用できるそうです。来たるべき大地震等で長期間電気の供給が止まっても、これで何とか乗り切れるかも。
作業員の皆さんは、これらの配線を壁に通すための穴開け作業にかなり苦労されていたようです。ログハウスで天然木の分厚いパネル壁になっているのが仇になったかも知れませんね。
1週間後に設定された2日目は無事快晴となり、屋根に登って太陽電池パネルを取り付ける作業が行われました。この日は、最初に玄関前に荷物を上げ下ろしするリフトが設置されました。足場が組まれていたとはいえ、さすがに重い太陽電池パネルを担いで屋根に登るわけにも行かないですよね。
4名の作業員がフル回転で、屋根に土台を設置し、そこにパネルを1枚ずつ取り付けていきました。昼を過ぎてようやく土台が付き始め、午後3時を過ぎたくらいからようやくパネル設置に入りましたが、そこからはあっという間に作業が進みました。
屋根から降りてきた配線を、1階壁面に取り付けられたブレーカー、パワーコンディショナーに接続して、この日の作業は終了となりました。3cmほどの太い送電ケーブルが張り巡らされましたが、目立たないように綺麗に配線していただけました。太陽光発電については、ときどき配線が非常に残念な実例を見かけることもある中で、この壁への機器の配置も含めて、カッコ良く収めていただいたと思います。
実は、これだけではまだ工事は完了ではありません。電力メーターの右側に取り付けられたグレーの板の上に、売電用の電力メーターが取り付けられて、ようやく連系動作が可能になります。これについては、中部電力が実施することになります。
後日中部電力から我が家に連絡が入り、工事日が決まるのだとか。通常なら2週間ほどで使えるようになるのだそうですが、電力会社も太陽光発電関係の処理ではかなり多忙な日々を送っているようで、ゴールデンウィークを挟むこともあり、ちょっと日程は読めません。まあ、待つしかありませんね。
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