Windows 10 Technical Previewの最新ビルド・Build 10061の提供が始まっています。今回も、プレビュービルドのインストール方法を「速い」にしているユーザーのみに、Windows Updateで提供されています。ダウンロードにもインストールにも相当長い時間がかかりますが、作業自体はほぼ全自動なので、放置しておけばそれほど面倒ではありません。
今回のビルドでは、UIのデザインにかなり手が入っています。タスクバーやスタートメニューが、黒基調の固定カラーが標準になるように設定変更されているのが目を引きますね。アクションセンターの背景も、これまでの白から黒に変わりました。
スタートメニューの右上にあった電源ボタンが、Windows 95以来の「終了」メニューの定位置であるスタートボタンすぐ上に移動しています。しかし、そのボタンに付いたキャプションが「仕事率」なのはなんとも不思議。単なる誤訳なのでしょうけど…。
Build 10061では、標準のメール・カレンダーのアプリが一新されました。メールアプリは標準的な3ペインの構成で、シンプルかつタッチ操作向けに余裕を持たせたUIのレイアウトがなかなかいい感じです。
このメールアプリの良いところは、GoogleやiCloudのアカウントを簡単に取り込める方法を用意していること。それぞれのサービスにログオンするだけで設定が完了します。AndroidやiOSのユーザーをWindowsに呼び込むためには必須の仕掛けですね。
これらのアカウントを取り込むと、カレンダーアプリにもそれぞれのスケジュールデータが反映されます。複数のアカウントで登録した予定が同時に一つのカレンダー上に表示されて、なかなか使い勝手は良さそうです。
これらの仕様は、既に公開されているAndroid用やiOS用のOutlookアプリとほぼ同じ。複数のデバイスを利用しているユーザーに、ラインナップの一つとしてWindowsデバイスを追加してもらえるように、間口を広げていこう!というのが、最近のMicrosoft社の戦略のようです。もちろん、その先にはOffice 365やOneDrive等の同社のサービスの契約に結びつけよう…というビジョンがあるのでしょうけど。
Build 10061では、これまでWindows 8.1そのものだった部分にいろいろと手が入り、いよいよWindows 10の完成に向けて仕上がりつつあるんだな…という印象を受けました。しかし、残念なことに動作の安定性が今ひとつ。使用中に突然落ちることも多々あります。Spartanの不安定な挙動も相変わらずです。どうやら7月末になるらしい製品版のリリースに向けて、今の状態で本当に大丈夫なんだろうか?と心配になります。
来週は、アメリカでMicrosoft社の開発者向けイベント・「Build 2015」が開催されるのだそうです。ここで、Windows 10についてはかなり多くの新しい情報が出てくるのではないかと思っています。本当に7月デビューが決まっているのなら、もしかするとRC版(Release Candidate ; 製品候補版)の公開もあるかも知れません。期待しすぎると、逆にガッカリするのかも知れませんが、とりあえず期待はしておきましょう。
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