外して広げる

デリカD:5の3列目シート我が家のクルマ・デリカD:5は、ゆったりと8人が乗れる広々とした室内が持ち味の一つです。特に、3列目のシートに座ったときの快適さは、他社の5ナンバー1BOXとは別次元と言って良いでしょう。

室内空間の広さはもちろんなんですが、3列目シートそのものの造りの良さも、この快適さに貢献しています。実は座面の奥行きは2列目よりも3列目の方が長かったりしますし、クッションの厚みも2列目と全く遜色ありません。

3列目シートを跳ね上げた状態のデリカD:5室内しかし、この豪華な3列目シートが邪魔になってしまう場面もあります。多くの荷物を積んで移動しようとするときには、3列目シートは跳ね上げておけるようになっているんですが、シートが重くて作業に力が要るのは仕方ないとしても、跳ね上げた状態でもシートは意外に場所を取ってしまいます。狭いとまでは言えないものの、妻の店がイベントに出店するために商品や什器を積み込んだり薪にするための木をもらいに行ったりするときには、もっと多く積めれば…と思うことも多々ありました。


実は、デリカD:5の3列目シートは、片側につき2本のボルトを外すだけで取り外すことができます。とはいえ、布製のシートカバーの一部を捲り上げ、プラスチック製のカバーを外した奥にあるボルトなので、作業には相当手間が掛かります。外しっぱなしにしておくのならともかく、我が家のようにシートが必要な場面も結構ある状況では、その都度付けたり外したり…という作業をする気にはなかなかなれません。

この辺りの問題に応えるために、「サードシートデタッチャブルボルトキット」という商品が売られています。3列目シートを固定しているボルトを、簡単に手回しで操作できるモノに交換してしまうためのキットです。

「サードシートデタッチャブルボルトキット」の内容キットには、手回しノブ付きのボルト4本を組み立てるパーツ一式の他に、プラスチック製のカバーを加工するためのドリルの刃、型紙、取り付け方法を解説した取扱説明書が付属しています。自分で加工する作業が必要だとはいえ、ドリルの刃まで付いて4,000円(税抜)という価格は意外に良心的です。

キット付属のホールソーこのドリル刃は、大きな円い穴を空けるための「ホールソー」と呼ばれるモノですが、気をつけなくてはならないのは、取り付け軸が直径10mmのタイプであるところ。直径6.5mm軸専用のドリルでは、そのままでは使えません。商品レビューでは、この点を注意喚起する人が大量に見られました。我が家のドライバードリルは直径10mmタイプの刃が使えるので、全く問題はありませんでしたけどね。


このキットには、丁寧な取扱説明書が付いていますから、ちょっとDIYの経験がある方なら、難なく取り付けることはできるのではないかと思います。ただし、ホールソーを使ってプラスチック製のカバーに穴を空けるときには、ちょっと注意が必要です。穴の位置を示した型紙も付属しているんですが、穴の中心がカバー内側を走っているリブ(出っ張り)のすぐ脇になるので、正確な位置に穴を空けるのが意外に難しいんです。説明書にも記載されていますが、

最初に型紙の上からキリで突いて中心位置の印を付ける最初に型紙の上(裏側)からキリで突いて中心位置の印を付け、
φ2.0mm程度の細いドリルで穴を裏から表に貫通させるφ2.0mm程度の細いドリルで穴を裏から表に貫通させて、
表側からホールソーで所定の大きさの穴を空ける表側からホールソーで所定の大きさの穴を空ける…という手順を踏めば、中心が大きくズレることは少ないのではないかと思います。
ボルトが堅くて外れない(汗)また、意外に泡を食うのが、元々止められているボルトの締め付けトルクが意外に強くて、なかなか外れないこと。我が家の安物のドライバードリルでは全く歯が立たず、仕方ないのでソケットレンチを買ってきました。


ボルト換装完了途中で買い物などの用事を挟んだものの、正味1時間少々の作業で、取り付け作業は完了しました。星形の手回しネジのノブが、シートを跳ね上げる際の軸に当たるところに前後2箇所飛び出した形になっていますが、あまり目立たず、「もともとこうだった」と言われても信じてしまいそうです。

樹脂製のカラーを紛失しないよう注意このネジを取り外すだけで、3列目シートを取り外すことができるようになります。ネジを外したときに、樹脂製のカラー(もともとボルトを通して留められているもの)も一緒に外れますが、これを紛失してしまうと正常な取り付けができません。袋に入れて保管しておく等、管理には注意しましょう。

なお、取り外すときには、シートは跳ね上げていない状態で作業することをおすすめします。跳ね上げた状態だと、ネジを外した際に細いベルト1本のみの宙吊りの状態になってしまいます。取り付けるときにも、跳ね上げた状態ではねじ穴の位置合わせが至難の業ですが、下ろした状態なら位置決めは一発です。

3列目シートを取り外した室内3列目シートを取り外した室内は、見違えるほど広くなりました。床面積は変わっていませんが、上の空間が広がったので、積み上げて載せられる荷物なら、かなり収容量が増えそうです。


リビングに置いてみた3列目シート取り外した3列目シートは、実は足を畳めば底面が完全に平面になるので、そのまま座椅子としても使えてしまいます。クッションはしっかり堅めの感触で座り心地は良好ですし、リクライニングをかなり倒しても実に安定感があります。普段は3列目シートを使わないのなら、物置に放り込まずにリビングに置きっ放し…というのも、十分実用的な選択肢だと思います。

一方、クルマ本体の方は、シートを外したら格段に走りが軽くなりました。1個あたり約20kgもの重量物が2個も取り外されたわけですから、当然と言えば当然。乗員が1名減ったのと同じくらいの効果があることになりますからね。燃費もかなり良くなりそうです。

今日は妻の店がイベントに出店するので、早速シートを外した車に荷物を積み込みました。この夏には3度目の車検を受ける予定のデリカD:5ですが、ここに来て、新たな可能性を広げることができたかな?と思っています。


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