4月29日(現地時間)からアメリカで開催されている、Microsoft社の開発者向けイベント・Build 2015。これまでのところ、私が一番注目していたWindows 10のデビュー日については、特に情報は更新されていません。それでも、「Project Spartan」と呼ばれていた新ブラウザーの正式名称が「Microsoft Edge」と発表されたり、AndroidやiOS向けに作られたアプリを簡単にWindows向けに変換できるデモが行われたり…と、話題はいろいろと振りまいていますね。Microsoft社の並々ならぬ気合いが伝わってきます。
このBuild 2015の開催に合わせて…ということか、Windows 10のプレビュー版も最新ビルドのBuild 10074が公開されました。今回は、「高速」更新のユーザーだけでなく、「低速」更新のユーザー向けにもWindows Updateが提供され、さらにはISOイメージも用意されています。このところ新ビルドが体験できなかった「高速」以外のユーザーには、久しぶりの更新となります。
今までは「Technical Preview」と名乗っていたWindows 10のプレビュー版ですが、今回からデスクトップ右下には「Insider Preview」と書かれています。名前だけの話なのかも知れませんが、Windows 10の開発が、一段次のステージに進んだ印象を受けます。
Wi-Fi接続のタスクトレイアイコンのデザインが変更されているなど、よく見ると変更されている点はいろいろあるんですが、ぱっと見た感じでは、デスクトップにはあまり外見上の違いはありません。むしろこのビルドを触ってみて感じるのが、動作の安定感が増したこと。まだアプリの強制終了にはときどき遭いますが、以前ほどではありません。
タブレットモード時にアプリを終了すると、殺風景なデスクトップ画面ではなくWindows 8時代同様にスタート画面に自動的に移行するなど、UIの熟成も少しずつ進んできているようです。一方で、「仕事率」ボタン(「Power」を直訳したのでしょうか)は相変わらずそのままだったりして、まだ完成まではかなり距離がある感じがしますが、それでも製品版に向けての歩みは感じられます。
…と、ここまでの紹介では、バグ潰しに注力したあまりにも地味なビルド更新に見えてしまうんですが、実はBuild 10074にはちょっと気になる仕掛けも組み込まれています。
先にインストールしたCF-RZ4の環境では、スタートメニューの背景は従来と同じ単なる半透過表示で、背景が普通に透けて見えていたんですが、その後インストールした自作デスクトップ上の仮想環境では、背景がすりガラスのようにぼかされて見えています。この見え方には、親しみを覚える方、懐かしさを覚える方など、いろいろな方がいらっしゃるのではないかと思います。これはまさにWindows Vista~7世代の「Aero Glass」ですよね。
Build 10074では、「Aero Glassを復活してほしい」というユーザーの声が多かったのを取り入れて、半数のユーザーにこのAero Glassモードのスタートメニューとタスクバーが提供されるのだとか。「A/Bテスト」と呼ばれる手法で、2種類の環境それぞれのユーザーからのフィードバックを元に、この表示を採用するかどうか決めるのだそうです。
私はAero GlassのUIはかなり好みだったんですが、いざWindows 10のUIの中にこの効果を適用してみると、どうも違和感があります。今どきのUIの潮流であるフラットデザインとは、ちょっと合わないんですよね。個人的には、「Aero Glassなし」に一票を投じたいところですが、製品版でどのような対応になるのか、ちょっと楽しみですね。
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