Windows 10の無償アップグレード開始まで、あと1ヶ月となりました。レッツノート・CF-RZ4と自作機の仮想マシンにプレビュー版のWindows 10をインストールして、半年以上使ってきたわけですが、現在私たちに提供されているBuild 10130を見る限りでは、本当にこれが製品として巷にばらまかれるとは、とても信じられません。動作が不安定なばかりか、インターフェースにも一貫性を欠く部分が多々残っていますし、完成品にはほど遠いレベルです。製品版に注力しているので、プレビュー版の新ビルドの準備は後回しになっている…と信じたいのですが、もうちょっと私たちInsiderプログラム参加者たちを安心させていただきたいものです。
さて、製品版のデビューに向けて最後の仕上げに入っているであろうMicrosoft社の開発者ブログで、先日、非常に気になる記事が投稿されました。「Insider Preview版のWindows 10がインストールされていれば、製品版のWindows 10にアップグレードすることができる」という趣旨の話。もしこれが事実なら、実質的にWindows 10はタダで入手できてしまう…ということになります。ネットニュースの各媒体でちょっとした騒ぎになりました。
騒ぎに驚いたのか、Microsoft社はこの件について改めて説明のブログ記事を公開しました。Insider Preview版のWindows 10から製品版へのアップグレード作業が可能なのは事実なのですが、このためにはアップグレード元になり得るWindows 7やWindows 8.1のライセンスが必要であり、「Windows 10が実質無償」という話ではないのだそうです。まあ、OSが基本的に自社のハードウェアにバンドルされて販売されるApple社とは違い、Windowsそのものが重要な商品であるMicrosoft社からすれば、それが常識的な線でしょう。
しかし、これとは別にちょっと面白い話が出てきています。7月29日の正式版登場に合わせて、Insider Programに参加しているプレビュー版ユーザーは、「製品版のWindows 10に移行する」か「Insiderを継続する」かを選択することになるようです。後者を選ぶと、製品リリース後も引き続き不具合修正、新機能追加等の開発が続けられるプレビュー版のWindows 10を使い続けることができます。
この場合、考えようによっては、無償で最新版…それも、巷に出回っている「普通に」最新のWindows 10よりもさらに新しいバージョンのものを使い続けることが可能になるわけで、「実質無償」も完全に誤りとは言えないのかも知れません。しかし、ここまでのプレビュー版の品質を振り返ってみると、これを業務でずっと使い続けるのにはかなり抵抗があります。「タダでWindows 10を使う」という目的で使うには、あまりにも頼りありません。
私の場合、自作機にもレッツノート・CF-RZ4にもWindows 10にアップグレードできるライセンスをちゃんと保有していますし、後者についてはサポートの確約もありますから、日常的にPCを使う基盤としてのWindows 10に、わざわざInsider Previewを使う意味がありません。どちらも順当に製品版にアップグレードした上で、自作機上の仮想マシンでInsiderを継続しようかと考えています。現在劇的に変わりつつあるWindowsの「一歩先」が見える面白さは、簡単には手放せません。
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