槇原敬之の楽曲で、「ゼイタク」という作品があります。「君」が旅行に出かけている間、「僕」は一人で留守番。せっかく一人っきりになったんだから!と、いろんなことをするんですが、一人でしたかったことは「もはや2日目でやり尽くす」という状態に。最後には「君といることはそう/飽きることのない贅沢」という結論に達する…という詞になっています。シングル「四つ葉のクローバー」のカップリングとして、またアルバム「Dawn Over the Clover Field」にも収録されていますので、よろしければ是非聴いてみてください。
しかし、それにしても、どうして唐突に曲紹介から入るのか?なんですが、実は私もこの週末はこの曲にちょっと近い立場に置かれていたんですよね。
土曜日・3日は、妻が「ゆりの木通り手作り品バザール」というイベントに出ていました。いつもは、妻がイベントに出かけるときは、私も手伝いで同行して、荷物の積み下ろしをしたり、ときには店番もしたりするんですが、今回は店の営業としての参加ではなく、彼女自身がママ友さんたちと自作のモノを持ち寄って共同出店…という形でした。荷物の量もいつもほど多くありませんし、人手も十分いますし、だいたい女子会の中にオヤジ一人いる場所なんかありませんし…というわけで、今回は会場まで荷物だけ運んで下ろし、私は一人でクルマに乗って帰ってきました。
娘は妻を送る前に学童保育に預けてありましたから、この日は娘を迎えに行く夕方まで、家にいるのは私と妻の両親だけ。ちょうどドラムのレッスンもありませんでしたから、まるまる一日、自分の好きなように使えそうだ!と思い、ちょっと楽しみにしていました。
先日、「ランチパスポート」という本を使って、妻と一緒に食事に出かけました。この本に掲載されている店の店頭でこの本を見せると、掲載されているメニューが500円で食べられる…というモノで、本自体は1,000円弱ですが、3、4店も回れば軽く元が取れてしまいます。全国各地のバージョンがそれぞれ売られているようです。
今回は、妻がこの本を家に置いていってくれたので、この本を使ってワンコインランチを楽しもうかな?と思いつきました。妻からもOKをもらったので、ワクワクしながら本を見始めたんですが、よく見ていくと、利用可能日時が「土・日を除く」となっている店がほとんどです。店の側からすれば、週末は特にこんなモノを使って集客をしなくても、勝手にお客さんが来てくれる…ということなのでしょう。
「土・日も利用OK」になっている店でも、該当メニューの限定数が設定されていることが多く、少々出遅れてしまった私が食べさせてもらえるとはとても思えません。結局、近所のショッピングモールのフードコートで、讃岐うどんを食べました。リーズナブルなお値段で、結構ボリュームたっぷり食べられて、これはこれで結構好きなランチの一つです。
食事を済ませて帰宅し、寝室のベッドに寝転がって、午後からやりたいことをいろいろと考えてみました。しかし、考えてみても、頭に浮かぶのは庭仕事ばかり。レンガ敷きの準備をしておくのもいいし、芝刈りもしておきたいし、薪割りもしなくてはならないし…と考えている間に、ついつい眠り込んでしまい、目を覚ましたらもう午後2時半過ぎ。長い昼寝になってしまいましたが、のんびりと寝られるのも、これはこれで贅沢と言えないこともありません。
娘を迎えに行くまで2時間弱の中でできることは?と考えて、結局薪割りをすることにしました。太いままの木が大量に残っているので、このままではこの冬どころか年も越せませんからね。
この日は、一見真っ直ぐに見える木でも、なかなか割れないモノが多くて苦労しました。実際に割れてみると、見た目だけは真っ直ぐでも、実はかなり激しくねじれていることがわかります。こんなときには、斧を真っ直ぐ振り下ろしても、くさびを打ち込んでもなかなか割れてくれません。
2時間ほどかけて、一生懸命薪を割りました。昨年の秋に伐られて、半年以上経ってからここに運ばれ、そこからさらに半年以上置いてあった木ですから、水分は十分に抜けているんですが、まだ年を越せるかどうか微妙な分量しかありません。それでも、コツコツと進めるしかありませんけどね。ずいぶん勘を取り戻せたので、次回からはもう少しペースを上げられそうです。
結構久しぶりに、自分の好きなように過ごせる一日をもらったんですが、結局やっていたことはいつもとあまり変わりませんでした。変わったことをしようとしても、なかなかできないものです。
振り返ってみると、映画でも見に行けたんじゃないかな?というのは、ちょっと心残りではあります。まあ、これにしても、一人で見たのでは「面白かったよね」「つまらなかったよね」なんて会話ができないわけで、ちょっと物足りなくはあります。
夕方に、娘を迎えに行ってクルマに乗せ、その足で妻を迎えに行きました。三人揃って家に帰るところで、なぜかちょっとだけ「ほっ」とした自分に気がつきました。…ああ、槇原敬之が「ゼイタク」で歌っていたのは、そういうことなのか。
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