先日一般公開されたWindows 10のバージョン1511では、Cortana(こるたな)の日本語版が有効にされたのが大きなトピックの一つでした。Cortanaは、ユーザーの必要とする情報や、興味のありそうな情報などを認識して提供してくれる「パーソナルアシスタント」です。キーボード等からの文字入力だけでなく、マイクからの音声認識による入力にも対応し、情報検索だけでなく雑談等にも一部答えてくれます。
このあたりは、AppleのSiri(しり)やGoogleのGoogle Now機能にも通じるものがありますね。というより、擬似的な人格を持ってユーザーと「対話」しているように聞こえるSiriと、ユーザーの動きに先回りして必要な情報を準備しようとする(事務的に、ですが)Google Nowの「いいとこ取り」を狙っているのがCortanaだ…と言って良いかも知れません。
ちなみに、Cortanaの名前の由来は、Microsoftが提供するゲーム「Halo」に登場する人工知能だそうです。私はプレイしたことはありませんが、Halo中でのCortanaは女性の姿で描かれているそうですから、一応代名詞は「彼女」と呼ぶべきなのでしょうか。ちなみにSiriは公式に性別不詳、Google Nowにはそもそも性別を論ずる気が起きません(笑)。
Cortanaは、Windows Phone 8.1の時代から提供されているサービス(音声認識をクラウド側で行っているようです)なんですが、日本語版についてはこのWindows 10が初登場となります。バージョン1511の公開以前にも、Insider Programでテスト版が提供されていたので、ちょっと触ってみてはいました。
Cortanaは、スタートボタンすぐ横の検索テキストボックス内にある、円いアイコンでスタンバイしています。このボックス内をクリックすることで、Cortanaのホームウィンドウを開くことができます。ボックス内にテキストを入力したり、右端にあるマイクのアイコンを押して音声入力をしたりして、直接Cortanaに指示を与えることもできます。
ホームウィンドウには、当日の予定、ニュース、天気等の情報が表示されます。これらの情報提供の起点には位置情報を利用することができますが、これにはGPS等から得た現在地の他に、あらかじめ決めた「お気に入り」の場所も使用できます。
お気に入りの場所は、自宅、勤務先の他に複数指定することができます。上手く使えば、Cortanaにより的確な情報を提供してもらう助けにもなるかも知れません。
Cortanaの設定画面の中に、「コルタナさん」という項目があります。「コルタナさん」を「オン」にすると、マイクのアイコンを押さなくても、マイクに向かって「コルタナさん」と呼びかけるだけでCortanaが反応し、音声認識機能が起動するようになります。
さらに、このときに自分の声以外ではCortanaが反応しないように設定することもできます。いくつかのサンプル文を読み上げさせて、「コルタナさん、」の読み上げ方のパターンを学習させるようになっています。
Cortanaは、Windows 10デバイスならどれでも使えるものではありますが、マイクを内蔵し、キーボードがたたまれたタブレット形態で使われることもある2in1デバイスであるレッツノート・CF-RZ4でこそ、音声入力で活用したいところです。
音声認識の精度については、全く不満がありません。比較的早口の私が、「普通」のスピードで喋った文章でも、電車内などの結構賑やかな場所でも、ほぼ間違えずに漢字仮名交じりのメッセージに変換して表示され、対応してくれます。Web検索に丸投げ…というパターンが多いのは気になるところですが、このあたりは今後どんどん進化してくれることを期待しましょう。
しかし、問題なのは、公衆の場で声を出してCF-RZ4に指示を出すのが、結構恥ずかしいこと。特に、日本語で「コルタナさん」と呼びかけるのが、もう強烈に恥ずかしいんですよね。英語版の「Hey, Cortana.」の方が数段ましだと思います。
私の周りでも、音声入力を使ってスマホなどに指示を出している人は、ひとりしか知りません。やっぱり、皆さんちょっと気恥ずかしいようです。Android Wearデバイスのように、実質的に音声入力くらいしか方法がないのならともかく、Cortanaは基本的には文字入力で呼び出す方が多くなりそうです。もっとも、周りの皆さんが端末に話しかける姿を多く見かけるような時代になれば、このあたりは一変する可能性もあると思っていますが。
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