先日、我が家にちょっとした臨時収入がありました。…とは言っても、正確に言えば収入ではなく、預けてあったものが帰ってきただけのことなんですが、それでもおカネが手元に入ってくるのは嬉しいものです。
せっかくなので、これまで買えずに我慢していたものの中から、何か買おうか…という話になりました。候補はいろいろ挙がりましたが、さすがに全部はとても買えません。ともかく、じっくり検討して使い道は考えましょう。
とはいえ、その中で真っ先に購入が決まったものがひとつありました。それは、電動式の薪割り機。マイホームに引っ越してきてから…というよりは、薪ストーブのために薪を割り始めてからずっと、欲しいと言い続けてきたアイテムです。趣味で薪割りをしているわけではありませんから、やっぱりこういう道具を使って楽ができるものならさせてもらいたいところです。薪割りで腰を痛めてしまったこともありましたしね。
斧で薪割りをするときは、数キログラムの刃を振り上げて、勢いよく丸太に叩きつけるわけですが、所謂「薪割り機」は、何らかの動力を使って、固定された刃に丸太を押しつける…という構造が普通です。動力としては、テコの原理を使って体重を乗せるようなものもありますが、主流になっているのは油圧ポンプを動かして大きな力を掛けられるようにしたものです。
ポンプの動力源は手動、電動、エンジン駆動とあり、この順でどんどん大きな力を掛けることが出来るようになります。もちろん出力は大きいに越したことはありませんが、エンジン式の薪割り機は機器の手入れが大変ですし、何より高価です。今回は、労力を掛けずに手軽に使える…ということで、当初から電動式に照準を合わせていました。
私が購入した薪割り機は、破砕力7トンを謳うもので、家庭用電源を使う電動薪割り機の中では最強クラス。カタログでは消費電力は「AC100V、1500W」と書かれているので、一応家庭用電源が使えることになりますが、起動時には一時的に15Aを超える電流が流れるのだそうで、きちんと起動できるかどうかは微妙な不安材料でした。配電盤を見ると、各電気系統のブレーカーは20Aのものが付いていたので、おそらく大丈夫だろう…とは思っていましたけどね。
現物は水曜日の昼には届いていたんですが、平日の昼間は仕事に出ているので、結局試運転は土曜日の朝になりました。
電源コードを差し込んで、側面の小さな箱に付いている押しボタンを押すとモーターが回り始めます。あとは、割りたい木を台の上に載せて、2本あるレバーを両方押すと、金属製の「ログプッシャー」が手前から前方に油圧で動いていき、木を前方にある刃に押し当てて割っていきます。操作自体は実にシンプル。心配していた動作音も、思っていたよりは静かです。電流の問題も、とりあえず同じ系統で他に何か使っていなければ大丈夫そうです。
説明書には、破砕能力は「直径30cmまで」と書かれていますが、実際に直径30数cmの丸太でも真っ二つにしてくれます。今までなら、丸太にくさびを打ち込んで、全力で斧を振り下ろしていたわけですが、これはレバーを倒すだけ。大したパワーです。
ただし、気をつけなくてはならないのは、割れた木が前方にとんでもない勢いで飛んでいくことがあること。写真では砂場のあたりに転がっている薪が2本ほどありますが、これは前方の隣家との境のフェンスに当たって、跳ね返ってきたものです。都合5m以上飛んでいることになります。こんなものが当たったら、大ケガになる可能性もあります。作業中は庭への立ち入りは禁止にしなくてはなりませんね。
使用上のポイントになりそうなのが、木を台に載せるときに、木目を見て割れやすいような位置に刃を合わせること。これは基本的に斧やくさびで割っていくときでも同じで、これがうまく見極められるかどうかで、割れやすさは段違いです。見方を変えると、木目に合ったところに刃が入っていないときには、大きな力が必要で、結果的に割れた木が吹っ飛んでいく…とも言えます。
1時間ちょっと薪割り機を回して、薪小屋1号館の上段半分くらいを埋める薪ができました。作業のペースとしては、順調に斧で薪が出来ていったときよりも少し早いかな?という程度なんですが、カラダに掛かる負担は段違いに少なくなっています。何しろ、レバーを押しているだけですからね。これは楽です。
実際に使ってみると、薪割り機では割れない木が意外に多かったですね。太さが40cmくらいある大きなものは仕方ないとして、直径20cm未満のものでも堅くて全然刃が食い込んでいかないものがありました。
樹種の問題もあるのかも知れませんが、丸太のままで長く置きすぎて、乾燥で材が締まってきてしまったことも影響していそうです。もっと早く薪割り機を買っておけばよかったのかも…という気もしています。
薪割り機に無理をかけ過ぎて壊れてしまっても困りますし、割れないものは仕方ありません。最終手段のくさびで半分に割っておいてから、改めて薪割り機でトライしたいと思います。
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