1996年6月に初めての「レッツノート」・AL-N1が発売されてから、間もなく満20年を迎えますが、考えてみると、その20年のうち8割ほどの期間は、私もレッツノートと共に過ごしてきたことになります。
私はこれまでに、モバイルノートPCとして5台を購入していますが、他社のいろいろなタイプの製品と比較してみるものの、最後に「購入しよう」という決心にまでたどり着くのは、いつもレッツノートでした。皆さんご存じの通り、お値段は相当高価なんですが、損をしたと思ったことは一度もありません。今日は、私が使ってきたレッツノートを振り返りながら、ちょっと昔話でもしてみましょうか。
私の初めてのレッツノートにして、初めてのモバイルノートPCとなったのが、CF-S21J5(1998年6月発売)でした。ずいぶん昔にもご紹介していますが、1週間泊まりがけで東京での研修に行っていたときに、秋葉原の電気街に立ち寄って購入したものです。研修先の宿舎に前乗りして、数枚のCD-ROMと外付けドライブを持参して、研修前にセットアップを行う…という、とんでもなく迷惑な研修生でした。若気の至り(苦笑)。
このときは、ちょうど同時期に東芝が発表していたDynaBook SS 3000シリーズとどちらを購入しようか、相当迷いました。CF-S21より1cm以上薄く、300gほど軽いというSS 3000も、相当気合いが入った製品でしたが、最終的には、SS 3000のポインティングデバイスであるアキュポイントにどうも馴染めなかったこと、そして学生時代以来の憧れだった「レッツノート」というブランドへのこだわりが決め手になったと記憶しています。ここで別の選択を下していれば、その後の人生が変わっていたかも?
2台目となったのが、「トラックボールのレッツノートがほしい運動」が新製品として結実したCF-B5R(2000年6月発売)。「トラックボールの灯を消すな」とずいぶん盛り上がった気がしますが、改めて振り返ってみると、CF-S21を買ってから2年しか経っていません。今とは違い、パソコンの進歩は日進月歩ですから、2年という期間は相当長く感じられたのかも知れませんが。
CF-S21よりも厚く、大きく、重く、しかもシルバーと青の2トーンカラーデザインも今冷静に見るとあまりイケてなかったCF-B5Rですが、トラックボールの魔力にハマってしまったのか、すっかり気に入っていろいろな場所に持ち歩いていました。「イケてない」と言いながら、実は現在愛用のCF-RZ4も結果的に同じカラーリングではあるんですけどね。
2002年に登場したCF-R1で、レッツノートの歴史は新たなステージに進んだ…というのは、自他共に認めるところのようですが、ワタシが乗り換えた3台目のレッツノートは、その1年後、CPUの歴史の大きな転換点になったであろうPentium Mを搭載して登場したCF-R2A(2003年5月発売)でした。
1.8型のハードディスクを内蔵して、約930gという当時の世界最軽量を実現したモデルを購入しました。天板をレッドに交換し、最終的にはWi-Fiを内蔵するなど、とことんいじり倒した思い出があります。
4代目の私の相棒となったのは、Rシリーズの正統な後継・CF-R4G(2005年5月発売)でした。我が家に届いた次の日の出張に持って出たいあまりに、ほぼ徹夜でセットアップしたという、これまた無茶な思い出がある機種です。若気の至り…というより、全然成長していません(爆笑)。
プレインストールされているOSはWindows XPでしたが、その後Windows Vista、Windows 7と2世代にわたってOSをアップグレードしました。内蔵ハードディスクもSSDに換装するなど、CF-R2に負けないくらい、アブナイ世界を堪能しました。
しかし、この後10年近く、私の歴史には新しいレッツノートが登場しません。結婚して収入が全て自分のために使えるわけではなくなったことが、ひとつの要因であったとは思います。しかし、それよりもこの時期はパソコンを持ち歩くこと自体の意味に迷いがあった方が大きかったのではないかと思います。スマートフォンさえあれば用が足りてしまうのでは?とか、タブレットを持ち歩くのはどうだろう?とか…。
そんな状態だった自分に、ノートPCというデバイスの価値を再確認させてくれたのが、CF-MX3S(2014年1月発売)。といっても、これは自分で購入したわけではなく、「レッツノートMX3シリーズお試しキャンペーン」に当選しての、2週間限定でのユーザー体験でした。応募の際には、相当気合いを入れてアピールしたのを覚えていますが、それでもまさか当選するとは思っていませんでしたね。
モバイルノートPCの、そしてレッツノートの優位性についてはもちろん、このときに確認できたのは、周辺を取り巻く様々な環境が、私が理想としていた世界に相当近づいていたこと。特に、無線通信の高速化・遍在化と、これを背景にしたクラウドサービスの進歩を目の当たりにして、モバイルデバイスはリソースの全てを抱え込む必要がないんだ…という時代の到来を確信しました。
そして、その半年後に、劇的な軽量化を達成して「Rシリーズの復活」とも言えるデビューを果たしたCF-RZ4C(2014年10月発売)を購入して、現在に至ります。さすがに、旅先で購入してセットアップしたり、徹夜で翌日の出張のために設定したり…ということはありませんでしたが、CF-RZ4Cにも購入後1週間そこそこで島根県行きのお供をさせました。私の手元にやってくると、旅行することが宿命づけられているのでしょうか。
もうすぐCF-RZ4と過ごす「レッツノートのある暮らし」も1年半になりますが、もうちょっと処理能力が高いと嬉しいかな?という場面はいくつかあったものの、基本的には不満はありません。特に、LTEによるインターネットへの常時接続があるのが大きいですね。もはや、「ネットにつなぐ」ことを意識すること自体がありません。
改めて写真を並べてみると、キャンペーンで貸していただいたCF-MX3以外は全て、10型程度の画面とA4判用紙より小さなフットプリントという、非常に似たプロポーションを持つことがわかります。
CF-RZ4が登場したときにも触れましたが、実はこれはAL-N1から続くレッツノート伝統のフォームファクター。そして、あのiPadとも非常に近いプロポーションになります。CF-RZ4を持ち歩くバッグを検討したときに、「iPadが入る」を謳っているバッグで厚み方向に少し余裕があればピッタリだろう…という目安で探したんですよね。
パナソニックはアップルよりも10年以上前から、仕事に使えるモバイルデバイスのジャストサイズを正確に読み切っていたのかも?…というのはさすがに褒めすぎかも知れませんが、常にユーザー側に立った製品開発を進めてきてくれたことが、今につながっているのは間違いなさそうです。
そんなレッツノートとのお付き合いが、これからも続いていくと良いなぁ…と感慨に浸りながら、東京駅や品川駅で新幹線を降りるときには、いつもレッツノートの大きな広告看板があるのを見て、軽く一礼して進みます。周りを見回すと、同じ会社がこれだけ長く同じブランドの製品を作り続けること自体、実に困難な業界ですからね。FMVとdynabookとVAIOのメーカーが経営統合する…なんて話もありますし。
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