日曜日・25日は、アクトシティ浜松大ホールに、浜松フロイデ合唱団のベートーヴェン「第九」演奏会を聴きに出かけました。毎年この時期恒例となっていますが、私にとっては単なる演奏会ではなく、かつて合唱団で歌った仲間たちとの「同窓会」でもあります。
それは私だけでなく妻にとっても同じなんですが、娘を家に置いて二人で聴きに行ってしまうわけにも行きません。今回は私が演奏を聴いた後で、妻と娘にも来てもらい、一緒に団員さんたちの「出待ち」をしました。
演奏会のチケットには、「10歳未満のお子さまは、チケットをお持ちでも入場できません」と記載されています。現在小学校3年生の娘は、いよいよ来年の演奏会からは客席に入れることになります。しかし、1時間を大きく超えるクラシックの演奏会の間、静かに聴いていられるのか…不安しかありません(汗)。またそのときが近づいたら、どうするか考えましょう。
毎年、合唱団員も、指揮者も、ソリストも、オーケストラも変わり、それぞれ違った「第九」を聴かせてもらっています。今年の指揮者は大井剛史氏。プロフィール写真の、指揮者らしからぬ柔和な笑顔が印象的な彼は、私と同じ1970年代生まれです。
年代はともかく、演奏の方は穏やかさとはある意味対極にある、疾走感満載の第九でした。とにかく、全体的にテンポ自体が速かったですね。特に、男声合唱から皆さんお馴染みの「歓喜の歌」にかけての部分の速さは尋常ではありませんでした。
とはいえ、実はこれはある観点から見ればごく当たり前の演奏とも言えます。この日使われた楽譜はおそらくベーレンライター版だったと思うんですが、ベーレンライター版の特徴のひとつが、これらの部分の常軌を逸した(笑)速さなんです。この速さこそが、楽譜に書かれた作曲者の意思をくみ取って表現しようとする、柔和な笑顔に現れた彼の真面目さなのかも知れません。
そのとんでもないスピードに遅れることなく食らいついていった合唱団の皆さんは、やっぱりスゴかったです。今年も、生で音楽を聴く楽しさを味わわせてもらいました。
今年は、合唱団が第三楽章と第四楽章の間で舞台に入ってきました。例年、合唱団の入場するタイミングはまちまちですが、このタイミングで入ってくるのを見たのは、私の覚えている範囲では初めてのことです。
これまで、第三楽章が終わった直後に、あまり間を空けずに第四楽章に入っていく指揮者が多かったこともあってか、この「間」にはかなりの違和感がありました。聴く側の立場としては、各楽章の間に不要な間は要らないと思っているので、ベストは第一楽章の始まるときから合唱団が入っていることです。もちろん、ステージに上がる立場になれば、それはあまりにも過酷なステージなんですが。
ただ、おかげで合唱団がいない状態の第三楽章を聴けたわけで、これはこれで新鮮でした。特に高音域がスッキリと抜けている気がしましたね。合唱団が立っていると、柔らかい体が音を吸収してしまうのかも知れません。
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