iDeCo、準備中。

相変わらず趣味の世界を突っ走っているSSK Worldですが、たまにはちょっと真面目な話もしてみましょう。

先月、ウチの職場で、昼休み中に各自の机にあるパンフレットが配られていました。パンフレットの表紙には、「iDeCo」という、今まで見たこともない文字が書かれていました。

iDeCo(いでこ)は、「indivisual-type Defined Contribution pension plan」から頭文字をとって作られたニックネームだそうで、日本語では「個人型確定拠出年金」と言います。アタマのiが小文字になっているあたりは、日本人がiMac以来「iの魔法」に魅了され続けている影響なのかな?と思ったりもします。


…というのはともかく、そもそも個人型確定拠出型年金というのは、その名のとおり年金の一種。以前からある国民年金や厚生年金等は、毎月払い込む金額とは関係なく、老後に制度で定められた額の年金が支給される…という「確定給付型年金」ですが、これとは違い、個々の加入者が、自分の積み立ててきた金額を老後に受け取る形の年金が「確定拠出型年金」です。

その中でも、個々の加入者自身が積み立てていくものが、個人型確定拠出年金(企業が従業員のために積立金を拠出する「企業型」確定拠出年金もあります)。制度自体は2001年から始まっているものなんですが、個人型は、当初は自営業者等の限られた人たちしか加入することが出来ませんでした。

この個人型確定拠出年金が、今年・2017年1月から、基本的に60歳未満の全ての人が加入できるように法改正されました。私のように、職場が年金システムを整備している場合でも、月々12,000円までは年金に拠出(積み立て)できることになります。従来の確定給付型年金制度の運用が、高齢化の進行でどんどん厳しさを増していき、本当に十分な年金がもらえるとはとても思えない状況で、一応自分で積み立てたお金は受け取れることになっている確定拠出型年金の方がまだ当てになるような気がするのは、私だけでしょうか。

確定拠出年金として積み立てた掛金は、全額が所得控除の対象になります。年金ですから、受け取るときにも税制上の優遇措置が受けられます。老後のための資金を貯めていこうと考えているのなら、この制度を利用しない手はないと思います。税制面の話だけでなく、制度上60歳になるまでは引き出せませんから、確実に貯まりますしね。


確定拠出型年金として積み立てられたお金は、単に預金として貯めておくだけでなく、個々の加入者が「運用方法」を決めることができます。

この超低金利時代に、単に定期預金などで預けておくだけでは、金額はほとんど増えません。しかし、このお金を株や債券などに投資していくことで、預金しておくよりはお金を増やせる可能性が出てきます。これが「運用」で、実際に国民年金や厚生年金なども、加入者からの拠出金だけで制度を回すのはとても無理なので、拠出金を運用して増やそうとしています。

先ほどはあえてスルーしていましたが、iDeCoの税制上のメリットのひとつが、運用によって得られたいわゆる運用益も、全て非課税になること。このままでは破綻しかねない年金制度を補完する存在としてiDeCoを普及させたい政府が、手厚く優遇措置を用意しているということなのでしょうけど、一方で、国民にもっと投資を身近なものにして、お金を活発に動かすことで経済成長につなげようとしているのかな?とも感じます。投資の入門としては、iDeCoと同様に運用益が非課税になる、NISA(にーさ)という制度もありますよね。

iDeCoを取り扱う銀行や証券会社などは、預金の他にも拠出金の様々な運用方法を選べるように用意しています。これが、どの会社に頼むかで結構ラインアップが違ったりするようで、会社選びから個人の選択が始まる…ということになってきます。


職場から帰った私が、妻に「iDeCoっていうのがあるんだって」と話をしてみたところ、何と彼女は既に証券会社にiDeCoの口座づくりを手配済み。配偶者の扶養控除の対象となる、所謂「第3号被保険者」も、このたびiDeCoに加入できるようになりました。彼女たちは月々23,000円まで拠出できます。

しかも、iDeCoにとどまらず、既に我が家の家計の一部は彼女による運用が始まっていたことまで発覚しました。おカネはいかに使わずに貯めておくか…ということくらいしか考えられなかった私と比べると、ずいぶん考え方が進んでいます(驚)。

妻に教わりながら、彼女オススメの証券会社からひとつ選び、iDeCoの資料を請求しました。申し込むためには、職場に一筆書類を書いてもらわなくてはならないので、総務に書類を持って行きお願いしておいたところ、翌日の午前中には出来上がった書類が戻ってきました。総務の仕事が早い…というより、どうやらiDeCoの申し込みをする人がほとんどいないようです。実際に職場で同僚に話を振ってみたところ、「何、それ?」とか、「よくわからないなぁ」という反応がほとんどでした。

郵送で証券会社に書類を提出したところ、受理はされたようですが、実際にiDeCoの積み立てが始まるのは3月末からのようです。対象者が大幅に増えたことで、申し込みが殺到しているようですね。冷めているのはウチの職場だけなのか、それとも勤め人一般に意識が低いのか。


株だとか、投資だとか聞くと、一攫千金狙いのバブリーでリスキーな行為…というイメージがありました。しかし、妻によるとそんなアブナイものばかりではなく、預金するよりはちょっとお得…というレベルの、マイルドな投資も結構いろんな方法があるのだそうです。特に、iDeCo向けにはそうしたメニューがいろいろ用意されているのが普通らしいですね。そして、手元に大金がなくても、数千円レベルから始めることも出来ます。

iDeCoを申し込むのと並行して、同じ証券会社にNISAの口座開設も申し込んであります。これも活用して、妻に教わったり、本を借りたりしながら、ちょっと投資の勉強もしてみようかな?と思っているところです。まあ、もともとそんなに簡単にお金が増えるウマい話があるとは思っていませんし、ほどほどのところで堅実に行きたいところですが。


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