NuAns NEO [Reloaded]では、Bluetoothヘッドセットへの音声転送方式として、aptX/aptX HDを利用することができます。発売直前になって対応が発表され、出荷直後のファームウェアアップデートにより利用可能になりました。
aptXは、Bluetoothの音声転送に標準で使われるSBC(Sub-Band Codec)よりも高音質、低遅延というのが特徴の音声転送方式。48kHz・16bit相当の音声を、MP3やAACのような「聞こえない音を省略する」手法を使わずに、基本的に鳴っている音全てを含むように圧縮するのだそうです。
さらに、aptX HDでは、量子化ビット数が24ビットに拡張され、一応「ハイレゾ」と呼べる音声が転送できます。現在は、スマートフォン用のプロセッサチップ等で有名なQualcomm社が開発元の会社を買収し、ライセンスを保有しています。
先日、aptX対応機器について「持っていない」と書いたワタシでしたが、1年ほど前に購入したBluetoothステレオヘッドセット・QCY QY8が、実はaptX対応だったことが判明しました。スマートウォッチと接続してランニングすることを想定して購入したので、防水等の性能には留意していたものの、正直なところ音質はそれほど気にしておらず、すっかり忘れていました。
基本的に、aptX対応のBluetoothデバイスでも、ペアリング等の設定手順はSBCで音声を転送するデバイスと同じ。送受信が互いに利用できる最も高音質な方式が自動的に選択される仕様になっています。aptXで接続されたときには、画面の下の方に一瞬だけ「Qualcomm aptX」ロゴが表示されることで確認できます。
我が家にはaptX非対応のBluetoothイヤホン・MW600もありますが、これとは音の解像感がひと味違うのがすぐわかります。とはいえ、同じドライバーユニットで聴いているわけではないので、aptXのおかげなのかどうかは厳密には比べられないのですが…。
低遅延であるという特徴を確認するために、動画を再生してみましたが、よく見ていると微妙に音が遅れているのはわかります。といえ、微妙なレベルの話で、実用に耐えないレベルではありませんでした。
しかし、ゲームの効果音はさすがにそうはいかず、遅れが操作性に如実に影響します。ただ、ゲームそのものの動作もカクカクしてしまう場面があったりして、遅延時間というよりも、SBCよりビットレートの高いaptXの音声データ転送処理が、システム全体への負荷になっているのかも知れません。
MW600にしろ、QY8にしろ、スマートフォンとの接続はワイヤレスになったとは言え、イヤホン自体にはヒモがぶら下がっている状況は変わらず、特に走ったりすると結構気になります。最近は、右耳と左耳のユニットが独立した「完全ワイヤレス」とでも言えるタイプの製品が出始めています。機会…というよりも経済的余裕があったら、何か試してみたいところです。
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