家を建てるために日々奔走していた頃、ログハウスビルダー・BESSのWebサイトで、「経年美化」という言葉が使われていたのを覚えています。年を経るに連れて、木材をふんだんに使った家には独特の味わいが出てくることを指した表現です。
我が家も竣工から5年目を迎え、何となく経年美化らしいものも出てきたような気がします。もっとも、外壁の塗装など手入れが行き届かず、単に劣化が進んでしまったように見える場所も結構あるわけですが。
この「経年美化」、経年変化や経年劣化をもじって作られたBESSの造語かと思っていたんですが、例えば「経年美化」をキーワードにしてググってみたりすると、思った以上に多くのWebサイトがヒットします。BESSと同じように、木を生かして家づくりをしようとしている方々の間では、結構ポピュラーな表現になっているようです。
住宅に限らず、木材や皮革などの天然素材、あるいは金属などで作られた製品でも、「使い込むことによって味が出てくる」ものは結構いろいろあります。いわゆる「ビンテージもの」が成立する分野なら、共通で使えそうな言葉です。
衣料品分野では、デニムを使った製品が、経年美化が比較的一般的に受け入れられているもののひとつです。少なくとも、我が家にはこんなにボロボロになったモノを着ても妻に怒られない衣類は他に存在しません(彼女がどう思っているかは別として・笑)。ときには穴が空いていてもファッションとして成立してしまうのは、他の衣類とは明らかに次元が違います。
そして、NuAns NEO [Reloaded]のデニム製TWOTONEカバーも、半年も経たないうちに経年美化の兆しを見せています。といっても、貼り付けてある布地の縁がほつれてきているだけなんですけどね。表面を改めてじっくりと見ると、手垢やいろいろな汚れを吸い取ったのか、色合いも微妙に変わってきました。
実は、このカバーは新品として届いたときから、どんどんほつれていってしまうのではないか?とちょっと心配でした。縁がかがってあるわけでもなく、単に貼り付けてあるだけですからね。
とはいえ、何しろ販売元のトリニティ自身が「デニムならではの味わいとしてお楽しみください」と言い切っているほどで、これはあえて経年変化を起こさせようとする確信犯の商品設計。そちらがそのつもりなら、こちらもとことん楽しんでやろうじゃないか…と思っています。そもそも、それが嫌ならわざわざデニムのカバーなんて買わなければ良いわけで(笑)。
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