先日購入したトリマーを使って、店の看板を作ります。…と偉そうに言っている私ですが、トリマーの使用経験はまだほんの数時間。とはいえ、基本的なポイントさえ押さえておけば、何とかなりそうな感触は持っていました。
先日にちょっとご紹介しましたが、トリマーには大きく分けて2つの役割があります。ひとつは、板の表面に溝を掘り込んだり、文字を彫ったりすること。もうひとつは、板の縁を削り落として、角を丸めたり、飾り模様を付けたりすることです。
板の表面を掘り込むときには、ストレートビットという、その名のとおり真っ直ぐなビットを使います。先日もご紹介しましたが、取扱説明書には「掘り込む深さはビットの直径の1/3程度以内に」という記載があります。6mmのビットなら2mm以下、3mmのビットなら1mm以下…ということになるわけですが、実際にセットしてみると、こんなに短くて良いのだろうか?と心配になります。
しかし、実際に文字を彫ってみると、1mmの深さでも十分文字が浮き出る感じ(実際には文字が周りよりも凹んでいるんですが)になってくれます。この程度の浅い掘り込みなら、手にはそれほど抵抗もなく、後は丁寧にトリマー本体を移動させていけば、思ったよりも簡単に作れます。
板の縁を削り落とすときも、一気に形を作ろうとせずに、少しずつ削ぎ落としていくようにしていきます。あまり一気に押し込むと、木目に焦げ目のように跡が残ってしまうことがあります。
もうひとつ、取扱説明書にはちょっとわかりにくい記述があります。それは、「外周を削るときには反時計回りに、内周を削るときは時計回りに」というもの。板の縁を落とすときはともかく、文字を彫っていくときには、外側になったり内側になったり、結構ややこしいことになります。
ただ、これは見方を変えればもうちょっと単純な話。ビットは時計回りに回転しているので、トリマーを前方に向けて押していくと、ビットの刃が正対しているのは、進行方向に対して左側ということになります。先の説明のような動かし方をすれば、結果的に常に進行方向左側が削りたい面に当たる…というわけです。
実際に文字を彫っていくときには、あまり外側、内側を意識せず、常に一方通行で左側が輪郭に当たるように押していけば、特に問題ありません。逆に右側が当たったとしても、木のささくれ立ちが目立ったりはしますが、致命的な悪影響はありませんし、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。
円柱形のストレートビットで彫っていく以上、トリマーではビットの太さより細いところを彫ることができません。尖った形状を彫るのは不可能です。1mm程度の細いビットも市販されていますが、ここは無理せず彫刻刀を併用しました。
看板の文字は丸みのあるフォントを使ったので、尖った場所は全くなかったのですが、ワンポイントに入れたバラの図柄には尖った場所だらけ。彫刻刀が大活躍しました。とりあえず中心部分はトリマーで彫り込んでおいて、彫刻刀はその深さに合わせて底面が平らになるように仕上げました。
結果的に、小さなバラの方は半分位の面積を手彫りで仕上げることになりました。小学校の図工の授業を思い出しました。結構好きだったんですよね…上手だったかどうかはともかく(笑)。
看板の木材加工としての作業はとりあえず終了。あとは塗装を残すのみとなりました。何とか8月中に仕上げたいところです。
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