先日、妻の店の看板が台風で落ちてヒビが入ってしまい、新しい看板を作ることにしましたが、看板の材料としていただいたのが、「サーモアッシュ」という素材。天然の木材そのものではあるのですが、熱処理を行うことで、もとの木材とは異なる様々な特徴を身につけています。
寸法が狂いにくく、腐朽にも強い…というのは、屋外で使う看板には非常に有利なんですが、一方でちょっと困るのは、表面がかなり硬いこと。文字などを表面に塗料で書き込むだけならともかく、トリマーで彫り込もうとしている私にとっては、これは懸念材料になります。
先週、試しにトリマーを当ててみたところ、一応彫れないことはない…ということは確認できたので、この週末は実際に図案を彫ってみることにしました。しかし、作業を始めてみると、やっぱり先代の看板の集成材とは硬さがずいぶん違います。トリマーを当てても、刃の進み方がずいぶんゆっくりになっているのがわかります。
注意深く作業を進めていたつもりだったんですが、文字を彫り込んでいる途中でトリマーのビットが折れてしまいました。深く彫りすぎた場合にも、ビットには無理が掛かって折れやすくなりますが、今回は3mmのビットで1mm強の深さに彫り込んでいるので、それほど非常識な作業でもなかったはずです。材の硬さは影響したのでしょうけど、もしかするとトリマーを速く動かしすぎて、横の力が掛かってしまったのかも知れません。
3mmのビット2本を立て続けに折ってしまい、自分の気持ちまで折れかけましたが、そうも言っていられません。手元に残っていた6mmのビットを使って、続きを彫ることにしました。
文字の太さが10mm程度なので、この太さでは正確に彫るのは難しいのではないかと思っていましたが、丸ゴシックのフォントのおかげもあって、意外にすいすい進みました。これなら、最初から6mmで作業しておけば、2本もビットを折らずに済んだ気もしますが…後の祭りです。
しかし、ワンポイントで入れているバラの図柄の方は、さすがに6mmのビットではどうしようもありません。今回も彫刻刀で仕上げることにしました。硬い木の表面を彫刻刀で彫っていくのは、思っていた以上に大変でしたが、何とか仕上がりました。
先週もご紹介しましたが、店の看板のサイズにする際には、2枚の板を接ぎ合わせる必要があります。材質の性質上、ボンドなでで接着するのはちょっと難しいのではないか…という話だったので、ここは金具を当てて補強することを考えていました。
先週、ちょうど名古屋に出張に行った帰りに、名古屋駅の東急ハンズで必要なものを見繕って購入しました。厚み0.8mmの穴あきのステンレス板3枚と、同じくステンレスのトラスタッピングビスです。屋外で使うモノなので、錆びにくいことを重視しました。別にハンズでなくても、近所のホームセンターでも入手できたような気はしますけどね。
背面3箇所を、合計12本のビスを締め込んでしっかり固定しました。一応木工用ボンドも塗ってありますが、これなら真っ二つになってしまうことはまずないでしょう。
残った作業は、四隅を丸ノコで切り落として縁をトリマーで整え、文字などに色を塗る…といったところ。色を塗る代わりに、妻が専用の粘土を詰めてガラスストーンなどを埋め込もうか?なんてアイデアも出ていますが、どうしようか思案中です。
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