昨年の初めに、iDeCoに加入できるようになったことをきっかけに、ついでにNISAの口座も開設し、投資というものをちょっとかじり始めたワタシですが、そろそろあれから1年が経ちます。
大した額を投資しているわけでもありませんが、今のところ幸い損していることはなく、投資したおカネはこの1年で数パーセント増えたことにはなっているようです。もっとも、保有している商品の価値は日々個別に変動するので、損得は何とも言えないところではありますが。
1年前の記事でも触れましたが、現在でも私は基本的に投資信託のみで運用しています。投資信託は、プロの皆さんがいろいろ考えて組み合わせた金融商品がパッケージとして販売されているもの。サラリーマンの昼食に例えると、カフェテリアで好きな料理を選んでお皿に盛るのではなく、定食屋でセットを頼んで食べるイメージでしょうか。
定食は細かいことを考えなくても、栄養バランスを整えてくれるのがありがたい…ということで、投資信託でも様々な商品のバランスを考慮して組み合わせてくれたものなら、リスクを低減してより安全に資産を増やせる利点があります。一方で、もっと積極的におカネを増やすことを意図した商品もあったりして、何を選ぶかは人それぞれの判断に委ねられているわけです。
そして、もうひとつポイントになっているのが、同じ商品を定期的に少しずつ買い増す「積立」で投資していること。こちらは、もともと大量の資金がないワタシでも取り組める利点があるほか、金融資産の種類ではなく時間軸上でリスクを分散する手法になる…という側面もあります。
そう言われてもピンとこない方のために、もうちょっと細かく説明してみましょう。下の表をご覧ください。ある金融商品の1年間の単価の変動が、表のとおりだったとします。
単価 | 月100株購入 | 月10万円購入 | |||
口数 | 購入価格 | 口数 | 購入価格 | ||
1月 | 1,200 | 100 | 120,000 | 83 | 100,000 |
2月 | 700 | 100 | 70,000 | 143 | 100,000 |
3月 | 1,000 | 100 | 100,000 | 100 | 100,000 |
4月 | 1,500 | 100 | 150,000 | 67 | 100,000 |
5月 | 800 | 100 | 80,000 | 125 | 100,000 |
6月 | 400 | 100 | 40,000 | 250 | 100,000 |
7月 | 600 | 100 | 60,000 | 167 | 100,000 |
8月 | 1,700 | 100 | 170,000 | 59 | 100,000 |
9月 | 1,100 | 100 | 110,000 | 91 | 100,000 |
10月 | 700 | 100 | 70,000 | 143 | 100,000 |
11月 | 1,400 | 100 | 140,000 | 71 | 100,000 |
12月 | 900 | 100 | 90,000 | 111 | 100,000 |
合計 | – | 1,200 | 1,200,000 | 1,410 | 1,200,000 |
平均 | 1,000 | – | – | – | – |
評価額 | – | 1,080,000 | 1,268,688 | ||
増減 | – | -10.00% | 5.72% |
1月に1口あたり単価1,200円だったこの金融商品を1,000口、120万円で購入した人は、12月までこれをそのまま持っていたら、単価が900円まで下がったので、評価額は90万円になりました。資産が25%減ってしまったことになりますね。
しかし、この商品を毎月100口ずつ買い増していくと、結果的に12ヶ月・1,200口で同じ120万円を投資したことになり、12月時点の全体の評価額は108万円。マイナス分は10%に抑えられています。
さらに、「毎月10万円分ずつ」という形で買い増していくと、12ヶ月で1,410口が購入できて、12月時点の評価額は約127万円。減少していないどころか、5.7%増えています。この、毎月同じ金額を買い増していく方法は「ドル・コスト平均法」、あるいはもう少し単純に「定額投資法」と呼ばれたりもしますが、金額を固定することで口数は「安いときにたくさん、高いときにはちょっと」買うことになり、結果的に平均の取得価格を下げられる(=同じ額でより多くの口数を購入できる)効果がある投資方法です。
もっとも、あくまでも「同じ口数よりは同じ金額の方が有利」という程度の話であって、もっと積極的に判断して随時売り買いできるのなら、その方がより多くの利益を出すことができるはずです。もちろん、積立投資そのものは毎回自分で指示しなくても口座が自動的に行うように設定してあるわけで、「放りっぱなし」にしておいてもそこそこの効果が見込めるのが、この手の方法の利点のような気がします。
iDeCoの仕組みそのものも、このドル・コスト平均法による毎月の積立です。こちらも基本的に放りっぱなしでしたが、1年間で初期の手数料分程度は増えてきて、ようやくプラスマイナスゼロ…という感じです。まあ、ジタバタしても大したことはできませんから、もうしばらくはこのまま様子を見ましょう。
積立投資といえば、2018年から新しく「つみたてNISA」という制度が導入されました。NISAと同様に運用益が非課税になるのですが、基本的にほとんどの金融商品に投資できるNISAと異なり、投資方法は投資信託の積立のみに限定されていて、年間非課税限度額も40万円に抑えられています。その代わりに、非課税期間は最大20年も続くのが特徴です。
40万円も投資する余裕がない私にとっては、一見良いことずくめのように見えるつみたてNISAなんですが、購入できる投資信託自体がかなり絞り込まれていることには留意する必要があります。一応、現在定番となっているものはひととおり網羅されているようで、私の現状ならそのままNISAからつみたてNISAへの切替もあり得たんですが、できることなら自分でも今後はちょっとは考えていろんな方面に投資をしてみたいな…と思い、切替は見送りました。
とはいえ、今やっているように、手堅いところを睨みながら基本的に放りっぱなしで行くのなら、つみたてNISAはかなり優遇される仕組みになっているわけで…やっぱり、切り替えた方が良かったのかなぁ?
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