4月30日から、予定どおりにWindows 10の大型アップデート「April Update 2018」の一般配信が始まりました。私のデスクトップPC・HP Pavilion Wave 600では、翌日・5月1日の朝にはWindows Update上に「Windows 10、バージョン 1803 の機能更新プログラム」がリストアップされ、レッツノート・CF-RZ4でもその日のうちに表示されるようになりました。
アップデートとはいえ、基本的にOSのバージョンアップということで、以前は結構面倒な作業だったんですが、今回は再起動で使えなくなる時間がずいぶん短縮され、月例のアップデートよりもちょっと長いかな?という程度の印象です。再起動後に初期セットアップの画面が出てくることもありません。
どうやら、最初のWindows Update画面から起動する段階で、バックグラウンドでかなりの部分のセットアップを済ませてしまっているようです。これからは半年ごとにユーザーに行わせようとしている作業ですから、あまり負担に思わせないようにしなくてはなりません。そのあたり、いろいろ考えたのでしょう。
今回の機能追加の中で、巷で話題になっているもののひとつに、「タイムライン」機能があります。タスクバーのCortana(検索)の隣にあるボタンで呼び出せる(Windowsキー+Tabキーのショートカットの方が有名かも?)タスクビューの機能が大幅に拡張され、現在実行中のタスクのみでなく、その下に時系列的にタスクの履歴が表示されるようになりました。過去の時点の作業に簡単に戻れる…ということのようです。
とはいえ、タイムラインに履歴を表示させるためには、個々のアプリ側での対応が必要なのだそうで、現状でここに並ぶのはWindows標準のアプリやMicrosoft Officeアプリがほとんどです。しかし、ちょっとビックリするのは、先日登場したばかりのCakewalk by BandLabで開いた曲データがリストアップされていること。おそらく、アプリ側での対応はそれほど面倒な作業ではないのでしょう。
現時点では、Edgeブラウザーで閲覧したWebサイトの履歴がほとんどを占めるので、あまり劇的な変化には見えません。しかし、同じMicrosoftアカウントでログオンしている複数端末間では、タイムラインが共有されるようですし、各アプリの対応が進んでくると、ガラリと操作性が変わってくる可能性を秘めていると思います。
外見上の変化としては、Fall Creators Updateから適用が始まった「Fluent Design System」というUIデザイン指針が、より多くの部分に適用されるようになっていることがあります。半透明のすりガラスの上に載っているような電卓も、そのひとつです。他にも、設定の各画面や、Edgeブラウザーのタイトルバーなどにも、同様の効果が加えられています。
半透明を多用した3次元的UIといえば、Windows Vistaのときに導入された「Aero Glass」を思い出します。その後、Windows 8が登場するときに、フラットデザインが基本の「Metro」スタイルが導入されましたが、Fluent Design Systemは、Aero Glass時代への回帰?と見えないこともありません。
とはいえ、Vista時代との大きな違いは、実際に3次元空間内でWindowsを操作する形になる、VR/MRデバイスが登場していること。Aero Glassでは、3D Flipなど「こんなことができるんだぞ~」的な飛び道具が目立った感もありますが、Fluent Design Systemはもうちょっとさりげなく3Dを身近に表現してくれそうです。そもそも、Aero Glassも個人的には結構好きだったこともありますし、歓迎すべき変化だと思っています。
Windows 10の「大規模アップデート」と呼ばれるものも今回で5回目になりますが、毎回外見も、中身もいろいろと更新されてきています。もう最初のWindows 10とは全くの別物と言って良いでしょう。OSを買い換えずにこれだけの進化を体感できるのは、ありがたいことです。
Microsoft社自身が、OSそのものを収入源と位置づけなくなり、クラウドサービス企業への転身に成功していることもあり、この「Windows as a Service」といえる提供形態は、少なくとも当面の間は続けてもらえそうです。これからも、どんどん育てていってほしいものですね。
しかし、今回もアップデート後に一部の環境でフリーズする事例が報告されているのはいただけませんね。とはいえ、既に修正プログラムは準備中で、当面の対処方法も公開されています。「Windows+Shift+Ctrl+B」のショートカットキーでグラフィック周りをリセットすることで、復帰可能だそうです。
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