パイプオルガンと歌を聴く

土曜日・14日は、アクトシティ浜松の中ホールまで、浜松混声合唱団の演奏会を聴きに行きました。毎年この時期に、30年以上も連続で演奏会を続けている合唱団で、私もかつてここで歌っていたことがあります。今年は、妻は店の営業日ということで、私がひとりで出かけることになりました。


「アクトの中ホール」では何度か演奏会を聴いただけでなく、ステージにも登ったことがありますが、よく響いて歌いやすく聴きやすい優れたホールだと思います。しかし、それだけに人気があるのか、なかなか会場として確保できないのだそうで、「浜混」の演奏会がここで開かれるのは4年ぶりになります。

今回は、中ホールのパイプオルガンを全面的にフィーチャーした演奏会となっていました。ゲスト演奏者にオルガニストの石丸由佳さんを迎え、第1ステージでは合唱団がパイプオルガンと共に2曲を歌いました。メインの第4ステージが終わった後のアンコールでも、ふたたび石丸さんが登場して、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」がパイプオルガン伴奏で歌われました。

余談ですが、この「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は浜混では様々な場面で歌われている看板曲のひとつなんですが、たまたま私が在籍している間には歌う機会が一度も回ってきませんでした。合唱団の先輩である(といっても活動期間はあまり重なっていないのですが)妻にとっては馴染みのある曲。彼女に「歌ったことがない」と話したらビックリされました。

ゲストステージでは、パイプが並んでいる高い場所ではなく、ステージ上に置かれたリモートコンソールで演奏していただきました。パイプオルガンは、私も演奏経験がある電子オルガンのルーツにある楽器で、演奏技術には通じる部分がかなりあります。あの足鍵盤での素晴らしいフットワークも共通で、今回も間近に見ることができました。曲による音選びの部分も説明していただけたりして、楽器ヲタクとしても楽しめましたね。


パイプオルガンの話ばかりしてしまいましたが、もちろん合唱の方も十分に楽しませてもらいました。元団員としての立場から見ると、技術的に細かいところが気になる場面もありましたが、それぞれの曲に対する思い、気合いは伝わってきました。これがライブステージの醍醐味です。

パイプオルガンとの共演の後の第2ステージでは、歌謡曲やJ-POPを積極的に取り入れた曲構成になっていましたが、いちばん印象に残ったのが宇多田ヒカルの「花束を君に」。彼女が亡くなった母親のことを歌った曲ということもあり、つい自分のツボにはまってウルウル…ということもあったのですが、曲そのものが実に難しいですよね。独特の細かい節回しで、縦軸を合わせるのも大変だったはずです。

あと、毎年楽しみにしているのが男声合唱。いつも攻めの姿勢を感じるのがイイですね。ステージに立っていた頃は、人数も少ないし失敗できないぞ…と、毎回緊張していたのを思い出します。


アンコールでの客席との合唱も恒例になりました。せっかくの「大きな声で歌っても迷惑にならない」機会なので、思いっきり声を出そうと思っているわけですが、年々声がしっかり出せなくなっていることが自覚できます。普段から歌っていないから、こういうことになるのでしょう。

できることなら、また歌ってみたい気持ちはもちろんまだあるのですが…なかなか状況が許さないですね(涙)。それでもあきらめずに、気持ちは持ち続けていたいと思います。


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