昨日は、妻と一緒に静岡市まで出かけました。私自身の仕事の用件や、妻の店のイベントへの出店など、静岡市に行くこと自体は結構あるのですが、全く仕事とは関係なしに出かけることはめったにありません。…とか言いつつ、先日出かけた県民の森も、実は静岡市内だったりしますが。
今回の目的地は静岡市民文化会館。7月21日から9月17日まで、劇団四季が「オペラ座の怪人」の公演を行っています。
「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい。」というキャッチコピーは結構有名ではないかと思いますが、私は13年前に東京でこれを観ています。妻にとってもこれはお気に入りの作品で、以前静岡で行われた公演にも行ったことがあるそうですが、最後に観たのは私と同じ13年前の観劇ツアー。結婚してからはいろいろ忙しく、こうしたモノに触れる機会もなかなか作れませんでした。
せっかく県内で公演してくれるのだから…ということで、今回久々に出かけることにしました。もっとも、静岡まで行くのも、名古屋まで行くのも大して手間は変わらないような気もしますが。
購入したチケットは2階席最前列。ステージとの位置関係としては、13年前とかなり近い場所でした。妻によると、「上の方でちょこちょこ動いてるファントムが見やすい」のだそうです。最前列にだけ、各シートにひとつ低反発クッションの座布団が置かれていました。なぜこの列だけ?と思ったわけですが、これがないと、私はともかく妻は手すりが邪魔になって舞台全体が見渡せません。なかなか気が利いています。常設劇場ではない地方公演ならではです。
ずいぶん久しぶりに観ることになったわけですが、以前よりもストーリーの流れがわかりやすく伝わってきたような気がしました。既に舞台を見るだけでも3度目、さらに映画化されたものを何度か見返していることで概ねアタマに入っていることもあるかも知れませんし、そもそも私自身が「物わかりの良いオトナ」になってしまったのかも知れませんが、おそらく演出にも手が入ったのではないかと思います。何処が違ったのか?と聞かれるとよくわからないんですが、「こんな場面あったかな?」という違和感のあるシーンがいくつかあった気がします。
ミュージカル「オペラ座の怪人」がロンドンで初演されてからもう30年以上。日本上陸からでも30年が経ちます。ただでさえ、全く同じことをしようとしてもそれはできないのが演劇のステージなんですが、何度も公演を繰り返す中で、意図して変更を加えてきているのだと思います。それでなくては、生きた舞台でやる意味がありませんしね。
ロングラン公演では同じ役を複数の俳優が分担して演じているので、会場では当日は誰が出演したか…という出演者リストが配られています。帰宅してから自宅の本棚を調べてみたら、13年前の公演の際の出演者リストも、パンフレットに挟んで保管してあるのを見つけました。物持ちが良いなぁ(笑)。
今回の静岡公演で怪人を演じていたのは、地元出身の佐野正幸。彼は13年前の舞台にも上がっていました…ただし、怪人ではなくラウルとして。さすがにこれだけ時間が経つと、キャストはほぼ入れ替わっているわけですが、その中で同じ名前をこうして見られるのは面白いですね。もちろん、味のある演技、幅広く深みのある歌声を聴かせていただきました。
同じ名前といえば、今回クリスティーヌを演じていた苫田亜沙子は、13年前にも同じクリスティーヌ役で出演していました。彼女のプロフィールを見ると「2005年オーディション合格、『オペラ座の怪人』で初舞台を踏み」とありますから、東京で観たときにはルーキーだったんですね。当時は一緒に観た皆さんからイマイチの評価をもらっていた覚えがありますが、今回は素晴らしい歌声を聞かせていただきました。妻に言わせるとまだ注文はあったようですが。
舞台に立つ俳優の皆さんにも、観客席にいる私たちにも、13年の時の流れを感じられたのは良い体験だったと思いますが、それを抜きにしても、やはり上質のエンターテイメントだと思います。3時間弱のステージの間、確かに静岡にパリ・オペラ座が出現していました。是非また観たいですね。…次は13年も後にはならないといいなぁ。
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