ヤマハの「大人の音楽レッスン」でドラムを習い始めてから、気がつけば7年目に突入しています。さすがにこれだけ長い間習い続けていれば、それなりにいろいろな曲が演奏できるようになってきます。シンプルな曲なら、初めて見る楽譜でもある程度は何とかなりそうなくらいにはなりました。
しかし、私のドラムの技能には、決定的に足りないものがあります。それは、他のメンバーと一緒に演奏すること。ピアノやギターなどとは違い、ドラムは単独でひとつの楽曲を成立させるのが非常に困難な楽器です。そんなことはないぞ!と仰って独りで演奏してしまう方もいらっしゃいますが、普通は音程を奏でる他の楽器が入らないことには話になりません。
そんな私に、7年目にして初めてのチャンスが巡ってきました。「大人の音楽レッスン」で他の楽器を習っている皆さんと一緒にバンドを組んで、ライブ形式で発表会をする…という企画が行われたんです。
最初に、今回演奏予定になっている曲のリストをいただき、希望する曲をいくつかエントリーしてありました。せっかくなので、家族には是非聴きに来てもらおう!と思い、知っていそうな曲から優先的に選んでみました。
どのように選定されたのかはよくわかりませんが、私が参加することになった曲は「明日はどこから」(松たか子)。朝ドラ「わろてんか」のテーマ曲ですね。ドラマは妻がずっと見ていて、原曲の音源もCDを借りてフルコーラスで持っていますから、曲の理解はバッチリです。
もちろん、ご存じの方も多いはずのこの曲。もらった楽譜によると、テンポの指定は「4分音符=89」となっています。リストに並んでいた曲の中では、相当ゆっくりな部類です。しかし侮ってはいけません。しっかり16ビートのリズムに乗らなくてはならないことを考えると、このテンポでも余裕があるとは言えません。
それ以上にタイヘンなのは、そのテンポの感覚を、ドラムを叩く私の側から示して、リードしていかなくてはならないこと。これまで、カラオケに合わせて叩いていることばかりだった私にとっては、全く別次元の技能が求められることになります。もっとも、もともとソロ楽器の経験もあるわけですし、それができないことにはまともな演奏は不可能でしたから、思い出せば良いだけの話です。
他の楽器を担当する皆さんとの合同練習は、3回ほど行われました。行ってみて驚いたのが人数の多さ。ボーカル、ギター、ベース、キーボードあたりがいるのは当たり前ですが、ボーカルはコーラス隊ですし、しかもバイオリンやチェロの方々までいて、総勢10名以上の大所帯であることが明らかになりました。確かに、この曲はイントロを始めとして弦楽の印象的な作品ですが、まさかそれをホンモノで聴けるとは!と、ワクワクしてきました。…もちろん、単に聴いている場合ではなく、自分もそこに入って演奏しなくてはならないのですが。
多くの方々とひとつの曲を一緒に作っていくのは、やっぱり格別の気持ちよさがありますね。他の音を聞きながら、自分の音の出し方を考えて合わせていくのも楽しみのひとつです。もっとも、あまり周囲に合わせすぎて、テンポがふらついてしまってはいけません。そこはドラムの大事なお仕事です。
テンポといえば、いちばん大変だったのが、演奏に入る前にスティックで4拍のカウントを出すことになったこと。ここでとんでもないテンポを示してしまうと、後がタイヘンなことになります。毎回緊張感たっぷりで、アタマの中で歌ってみながら、それでもドキドキしながらカウントを出しました。
当日の本番は、何だかバタバタしている間に終わってしまった感じで、実はステージ上での記憶はほとんどありません(汗)。思い出せるだけでも間違えた箇所が何カ所もあって、肝心なところに音が入っていなかったりして、格好が付かなかったのではないかと思います。それでも、途中で演奏が止まらずに、皆さんに掛けた迷惑は最小限に留め、最後まで走り切れただけでも上出来だった…と思うようにしましょう。
当日は、観客席で他のグループの演奏も聴いてきたわけですが、ついついドラムの方々に目が行きます。聴いていると、皆さんとにかく間違えませんね。少なくとも、私から見ていて「やっちまったな」という場面は皆無でした。ボーカルやギターなどの前面に出る楽器は、間違えたことがわかりやすくて、ドラムやベースはこれらよりも目立たない…という面はあるのかも知れませんが、そもそもドラムはやっぱり土台を支える立場ですから、「まともにできて当たり前」でなくてはならないのだと思います。私の不安定な演奏では、まだまだダメです。
悔いはいろいろと残ったステージでしたが、楽しかったのも確かです。またこんな機会があれば、是非エントリーしたいと思います。次回は、もうちょっとまともに演奏できるように、もっと練習しなくては。
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