2018年もあと少しで終わるわけですが、今年の出来事をいろいろと振り返ってみる中で、どうしてもここで触れておきたい話がひとつあることを思い出しました。日本プロ野球・中日ドラゴンズの松坂大輔投手のことです。
昨シーズン末に、福岡ソフトバンクホークスでは3年間で大した働きもできずに退団した彼が、今年の年明け早々にドラゴンズの入団テストを受ける…ということになり、大きな話題になりました。私も、「平成の怪物」の意地に期待していなかったわけではないものの、正直なところ復活するのは難しいのではないかと思っていました。森監督(当時)が、かつての教え子である彼に最後の花道をどのように演出してやるのだろうか?というあたりが、当時の私の興味のポイントでした。
しかし、春季キャンプが始まり、オープン戦が始まり、シーズンが開幕し…と続いていく中で、彼は脱落せず1軍のマウンドに立って投げるための身体を作ってきました。4月5日の読売ジャイアンツ戦で、日本では12年ぶりとなる先発登板。このときには5回を投げて3失点(自責点は2)と試合を作るピッチングを見せたものの、残念ながら敗戦投手となりました。この調子で投げられるのなら、そのうちきっと勝てる…と確信したのを覚えています。
その後は、11試合に登板し投球回55 1/3、6勝4敗で防御率は3.74という成績でシーズンを終えました。全盛期の彼の大車輪の活躍からすると、物足りなさは感じるわけですが、今年もシーズン5位という残念な成績に沈んでしまったドラゴンズの中で、2番目に多くの勝ち星を稼いで貯金を作ったわけで、 十二分にチームの一員として戦力になってくれたと言ってよいでしょう。今シーズンは、この成績でカムバック賞も受賞しました。「少々聞き飽きた」と言った舌の根も乾かぬうちに恐縮ですが、平成が終わる前に平成の怪物が帰ってきましたね。
単に成績の話だけでなく、プロスポーツとしては重要な興行面でも、彼はチームを盛り上げたようです。チケットやグッズの売り上げはもちろんのこと、公式ファンクラブの入会者が過去最高を更新したのだとか。私もかつてはファンクラブ会員だったんですが、なかなか球場に足を運べなくなって、しばらく入会していませんでした。また入ってみようかしら。
来シーズンもドラゴンズでプレイすることになった松坂投手。年俸は8,000万円(+出来高あり)に大幅アップし、背番号も99からお馴染みの18に戻ります。今年は試用期間、来シーズンからは本採用…といったところでしょうか。
本人は「今年の倍投げて、倍勝てるように」と話しているようですが、それが実現できれば、今度は「完全復活」だと言えると思いますし、チームも長い低迷を脱することができるはずです。チームは若返りを図っている中ですが、その中で数々の経験を積んだ彼がいることは、単にプレーだけでなく様々な効果を与えるはずです。期待したいなぁ。
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