先日のレッツノート2019年冬春モデルの発表は、少々肩すかしの感もあったわけですが、これと前後して他の各社からも新製品の発表が続いていますね。Whiskey Lake・Amber Lake世代のプロセッサーを搭載した製品が、かなり出そろってきました。
特に国内各社のモバイルノートPCを見ると、「ビジネスモバイル」を前面に打ち出したものが目立ちます。もっとも、今やパーソナルモバイルはスマホやiPadでほとんど用が足りてしまうわけで、PCがモバイルされるのはビジネス用途くらいのもの…ということなのでしょうか。さらにもう少し表現を変えるなら、ビジネスモバイルを標榜する製品こそ、持ち歩くことを本気で考え抜かれているのではないかと思います。
「国内各社」と言っても、海外資本の流入がどんどん進んでいる電機メーカーたちの中で、何処までが国内メーカーと呼べるのか微妙だったりしますが、昨年のうちにとんでもない意欲作を投入してきた富士通に続いて、各社の動きも見えてきました。
先日のCES 2019でダイナブック(株)がお披露目した「Dynabook 30周年記念モデル」は、Dynabook Gとして発表されました。13.3型の画面を持ち、最軽量構成なら779gという仕上がりになっています。CPUがWhiskey Lake世代でないのはちょっと残念ですが、それでもちゃんとクアッドコアのCore i7-8550U等が搭載されています。薄型でフラットなデザインは、私が最初にレッツノートを買おうと思った20年前に対抗馬だった、Dynabook SS 3000シリーズの頃から変わりませんね。
VAIO(株)は、昨年末のVAIO A12に続いて、従来の13.3型クラスとほぼ同じサイズの筐体に14型の画面を収めたVAIO SX14を発表しています。14型画面で1kg切りという仕様は、既に昨年の時点でLG gramが実現していますが、4Kディスプレイが選択できるなど、後発ならではの最新の仕様を取り込んていますし、VAIOのアイデンティティーとなりつつある角の立ったデザインも魅力的ではあります。
いずれもまさに「ビジネスモバイル」として勝負しようとしているわけですが、見比べていくと共通点が結構たくさんあります。もちろん、イメージしている利用シーンが近いわけですから、そうなってくるのも当然なのでしょうけどね。
まず言えるのは、インターフェースが結構充実していること。最近は、USB Type-Cを数個付けているだけ…というようなかなり思い切った製品も出てきている中で、有線LANや標準サイズのHDMI、USB 3.0 Type-Aはきっちり装備。VAIO SX14にはVGAのアナログRGB15ピン端子まで付いています。特に、出先でプロジェクターにつないでプレゼンするときに、変換アダプターなどを介さず直に接続できた方が、余計な心配をしなくて済みます。
一方で、今どきのインターフェースを代表するUSB Type-Cもちゃんと装備されています。最大のポイントになるのは、このType-CがUSB PD(Power Delivery)に対応していること。モバイルノートPCも、電気がなければただのお荷物ですから、内蔵バッテリーや専用のACアダプターの他にも、様々な電源供給の手段が使えるのは重要なことです。
指紋認証や顔認証などの生体認証が使えるのも共通点ですね。PCを持ち出すことは、個人や企業の大事なデータにアクセスされるリスクにつながるわけで、誰でも開けないようにしておくセキュリティー対策はもちろん必須。しかし、毎回ややこしいパスワードなどを入力するのは面倒…ということで、この手の仕組みが活躍するわけです。Windowsへのログインだけでなく、Webブラウザーでの認証などにも使えるようになっているそうです。
ちなみに、私は現在のところPCでのログインの際の認証にはPINコードを使っています。たった4桁の数字ですからパスワードよりはずいぶん楽ですが、それでもスリープ復帰ごとに入力しなくてはならないのは面倒に感じる今日この頃。スマホには指紋認証が付いていますが、時々認識に失敗するものの、ワンタッチで済ませられるのはやっぱり楽です。生体認証でセキュリティが強固になるとはあまり思っていませんが、従来と同程度のことを楽にできる…という意味で魅力に感じています。
こんなライバルたちを迎え撃つレッツノートですが、先に列記したような装備は、既にほぼ持っていたりします。20年以上も、本気のモバイルユーザーたちからのワガママ(もちろん私も含む)を受け止め続けてきただけに、パナソニックの皆さんも勘所は知り尽くしているでしょう。
先日発表されたCF-SV8なら、先に挙げたそうそうたる面々と真っ向から対抗できる性能・機能を持ち合わせている…と言って過言ではありません。高速にスリープから復帰するモダンスタンバイ、PDだけでなく超高速インターフェースのThunderbolt 3としても機能するUSB Type-C、SIMフリーの最大下り300Mbpsで使えるLTEなどは、枯れた技術を手堅くまとめるイメージがあるレッツノートらしからぬ、一歩先を行く装備と言えそうです。
一方、700g台の2in1として、代えがたいオンリーワンの存在感を放つCF-RZ8ではありますが、プロセッサーこそ最新世代に切り替わったものの、返す返す残念なのは今回のマイナーチェンジでUSB Type-Cと生体認証が搭載されなかったこと。もともとギリギリの設計で、これらを後から追加するのは困難だったのでしょうけど、これらさえあればCF-SV8と並んでビジネスモバイル・レッツノートの双璧と太鼓判を押せるのに…と、歯がゆい思いをしています。
軽量・タフ・長時間駆動が以前よりも当たり前になってきた現在でも、レッツノートの他社製品に対する優位性はいろいろあると思いますが、ひとつ押さえておきたいのは、フットプリントがより小さなモデルが選べること。現在の「大画面モバイル」たちも、画面サイズの割にコンパクトな筐体に収められてはいるわけですが、PC用ではない普通の鞄に収めたり、公共交通機関での移動中に広げたり…という場面では、やはり縦横サイズの小ささもモノを言います。
13.3~14型クラスの製品の、いわゆる「A4ファイルサイズ」は、移動先のホテルなどで腰を据えて広げるのには快適なのでしょうけど、移動中に気軽には広げにくいと思います。かつて「2週間お試しキャンペーン」で貸していただいた12.5型画面のCF-MX3ですら、ちょっと大きさが気になりましたからね。
ここまで、こんな感じでいろいろと考えてきたわけですが、いつまでもウジウジしていてもらちが明きません。私にとっては6台目となるモバイルノートPC選びに、そろそろケリを付けようかと思います。近日中にご紹介しますので、しばしお待ちを。
コメントを残す