レッツノート・CF-RZ4の次に使うモバイルノートPCをどうするのか考え始めてから、もう1年近くになります。そろそろ、「次」をどうするのか決めてしまいたいところです。他社も含めての新製品情報、今後の動向も含めて様々な情報が集まり、どんな方針で行くのかはかなり絞られてきました。
レッツノート以外の製品に照準を定めていろいろと検討を重ねてきたものの、どうも決め手がなく、やっぱりレッツノートを待つしかないのかな?と思いながら、2019年冬春モデルの発表を待っていました。しかし、期待していたCF-RZ6の後継機種は、CPUこそパワーアップしたものの、筐体には全く変更なしのCF-RZ8となりました。
そのときには近日中の新モデルの登場を期待するようなことも書いてみましたが、TDP(熱設計電力;どのくらいの排熱が必要かの基準になります)が1割以上も上がったAmber Lakeを搭載するために、CF-RZ8の内部設計には何らかの手が入ったはずです。そうだとすれば、直後に新筐体を設計してモデルチェンジすることは合理的ではありません。当面は、今のRZのデザインが続くのでしょう。パナソニックがレッツノートに割く開発リソースを考慮すると、私の期待するようなニューモデルが出てくるまでには、さらに年単位で待たされそうです。
そう考えたときに、「次」を担う候補として俄然浮上してきたのが、同時に最新プラットフォームに切り替わったCF-SV8。振り返ってみると、実はこのクラスのレッツノート(A4前後のサイズの光学ドライブ内蔵モデル)は、それこそ初代レッツノートの頃から存在していて(AL-N3ですね)、現在ではまさにレッツノートの中核と言える存在になっていますが、私はこれまで一度も購入対象として位置づけたことがありませんでした。光学ドライブなんてたまにしか使わないから、内蔵していても仕方ない…というのがその理由。余計なモノは持って歩きたくありませんよね。
しかし、いちばんの売れ筋であるのには、何かしら理由があるはずです。食わず嫌いもよくありません。改めて、CF-SV8もじっくり見てみようと思いました。
とはいえ、カタログスペック的にはだいたいわかっていますから、ここで言う「じっくり見る」は、言い換えれば「じっくり触る」です。これを実行に移すためには、実店舗やショールームなどに足を運ぶしかありません。
そんな私が足を運んだのが、東京・有楽町のビックカメラ。昨年11月にも行ったばかりなんですが、幸か不幸か、このところ月イチくらいのペースで東京には出張があり、ちょうど今回はCF-SV8・CF-RZ8の発表があった直後でした。せっかくなので、ついでに寄ってきた…というわけです。他の様々な製品も見比べられますしね。とはいえ、両機種ともまだ発売前。筐体が同じCF-SV7とCF-RZ6を見比べてくることになります。
SV7がデビューしてから1年になりますから、とっくに見慣れているはずなのですが、考えてみると手に取ってみたことは一度もありませんでした。というわけで、まずは持ち上げてみます。ここの展示品には、ダミーのバッテリーがちゃんと取り付けられていたので、重量感も正しく確認できます。
A4用紙より長辺が1cmほど短いサイズは、明らかにRZよりひとまわり大きいことが実感できますが、これは十分許容範囲です。これまでいろんなレッツノートをいろんな鞄に入れて持ち運んできた中で、外出先でも気軽に広げられるノートPCのフットプリントとしては、A4サイズ(210×297mm)くらいが限度だろう…と感じています。鞄からすっと取り出せるサイズの限界が、私にとってはA4の冊子なんですね。
ただでさえRZよりもやや厚みがある上に、ヒンジ部のあたりでバッテリーがちょっと飛び出しているのですが、この形状自体は懐かしのCF-R2やCF-R4とよく似ています。鞄から取り出すときに手がちょうど掛かってくれそうです。
カタログ値で1.0~1.1kgあたりになるSV7は、RZ6の約1.5倍の重量があることになりますから、それなりに重いのは当たり前。 大きく重い(という形容をこの製品に与えるのは明らかに筋違いですが)代わりに、CPUの能力が大幅に向上したり、顔認証やUSB Type-Cが使えたり、画面が大きくなったり(画素数は同じ1920×1200ドット)、キーボードの横幅がフルピッチになったり(縦は相変わらず短めですが)、ホイールパッドの縁をクルクルとなぞるスクロール機能が使えたり…と、多くの嬉しいポイントが加わります。あとは、重量差とタッチパネルがないことを許容できるかどうかです。
翻ってRZ6を持ってみると、やはりSV7よりは明らかに小さくて軽いです。いろいろな機能差・性能差はもちろん考慮されるべきなのですが、やっぱり「軽さは正義」というのはひとつの真理…というか、一種の麻薬だと思うわけで、それこそ理性が吹っ飛びそうになります。このクラスの方がユーザーも少ないはずですし、持ち歩く快感という点では上回るのではないでしょうか。
RZ4を2in1として積極的にタッチパネルで使ってきたこともあり、タッチパネルがないSVでは物足りなくなるのでは?という心配もあります。一方で、RZ4からRZ8に買い換えても、見た目が大して変わらないのでつまらない?という気もしますし…。
あとは、私がどの辺りに落としどころを持ってくるか?という話になるのですが、このあたりの整理を付けるために、5階パソコン売り場のある一角に足を運びました。…長くなってきたので、話の続きはまた改めてにしましょう。
レッツノート以外にも、気になるモノはありました。11月に行ったときにはまだ店頭にはなかった、Yoga Book C930の現物が見られたのは面白かったですね。
Yoga Book C930は、電子ペーパーのタッチパネルにキーボードを表示する「仮想キーボード」を持った2画面端末です。これが物理キーボードの代わりになり得るのか?に注目していたのですが…残念ながら、私にとっては全然使い物になりません。キーを叩くとバイブレーションで感覚が返ってくるのですが、物理キーボードの感触とはずいぶん違い、違和感があります。MacBookのタッチパッドぐらいハッキリしたクリック感があれば、また違う印象になるのかも知れないのですが…。
押したキーが凹んだように見える画面効果もあるのですが、キーを押してから画面効果までのタイムラグがあまりに長すぎます。この仮想キーボードは、あのThinkPadを開発しているチームが本気で取り組んでいるテーマらしいのですが、モノになるにはまだ時間がかかりそうです。未来を感じさせる挑戦であるのは確かで、今後に期待はしておきたいと思います。
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