レッツノートの2019年秋冬モデルが発表されました。今回の最大のハイライトは、完全な新筐体のCF-QV8がお披露目されたことと言って間違いないでしょう。分離合体型2in1のCF-XZ6に代わり、ラインナップに加わりました。
CF-QV8は、CF-XZ6と同じ12.0型で、WQXGA+(2880×1920ピクセル)というさらに高解像度のディスプレイを装備した2in1機です。横幅フルピッチのキーボード、円形のホイールパッド、折りたたみ時に18.7mmの薄型筐体、アクティブタッチペン対応など、CF-XZ6から多くのものを受け継いだ上で、Whiskey Lake世代の高速クアッドコアCPU、Thunderbolt 3・USB PD対応のUSB Type-C、顔認証+指紋認証など、最新世代のレッツノートの基本仕様はフル装備です。
画面サイズが維持されている一方で、画面の狭額縁化によりフットプリントがかなり縮小されています。パナソニックによると、「第8世代 インテル® Core™プロセッサー クアッドコアCPU搭載の2in1モデルにおいて」世界最小(底面積57,111.6平方mm)だとか。限定する語句はいろいろぶら下がってはいますが、世界一を名乗りたがるあたりも相変わらずです。
CF-XZ6から最も大きく変わったのが、2in1の実現方法。CF-RZ8と同じ360度開閉スタイルになりました。ある意味レッツノートらしくない気もする、均一な厚みのデザインも含めて、どことなく「大きなRZ」っぽいイメージがあります。もちろん、基礎体力やインターフェースなど、RZを遙かに上回る高性能を実現しているわけですが。
私がCF-SV8を購入してから半年少々が過ぎたわけですが、もしあのときにCF-QV8が既に登場していたら、検討対象に加わっていたことは間違いないでしょう。CF-SV8と並べると、重量は同程度、パフォーマンスやインターフェースも同レベル。そして画面にはCF-RZ4と同様にタッチパネルがあります。光学ディスクドライブがないことは、私にとってはマイナスポイントではありません。
おまけにフットプリントは小さくて解像度は細かい…と、トンデモナイ製品が出てきたわけですが、気になるポイントは、JEITA 2.0基準で10時間というバッテリーでの動作時間。CF-RZ4と同レベルということになるわけで、極端に短いわけではないはずなのですが、CF-SV8などと比べてしまうと不安要素になります。コレまであまたのモバイルデバイスを買い求めてきましたが、どんなに高性能でも、バッテリーまわりに不安を持ったモノには後から苦労させられている気がします…例えばXperia Z4とか。
そしてもうひとつ気になるのは、こんな商品が出てくるのなら、次に出てくるRZの後継機はどうなるんだろう?という期待が高まってしまうこと。QVの設計思想をそのままに、さらに小型化したら、とんでもないモノが作れそうな気がしてしまうんですよね。そこに期待してしまい、結局買い換えには至らなかったような気がしています。
CF-SV8は、気になっていたブルーレイドライブの挙動も修正されて、現状では特に不満がありません。デスクトップ機をそのまま持ち歩いているかのような快適な動きで、まる一日走りきります。Windows 10がMay 2019 Updateに更新されてからしばらく、ブルースクリーンの出る場面が増えていましたが、いつの間にか落ち着きました。CF-RZ4とギリギリの状況で歩き続けていたらどうだったろう?と考えると、有楽町で背中を押してもらったのは正解だったと思っています。
先には「後継機に期待して…」なんてことも書いてみたものの、どう考えても現在の市場の中ではニッチと言わざるを得ないRZの後継機が、そもそも登場し得るのか?という疑問は相変わらず残ったままです。横幅で2cmほどしか違わず、しかも12型画面で普通に仕事に使える(はずの)QVとどう差別化できるのかを考えると、RZが登場したときのコンセプトを超える新機軸がなくては、このままフェードアウトするのもやむを得ない気がします。
もちろん、もしRZからのリニューアルがあるとすれば、CF-QV8のスペックは一つの基準になり得ます。ただ、「大きなSV」としてLVがリニューアルされたときとは違い、小さくするのは至難の業。いったいどうなるのやら。
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