今日はしまだ大井川マラソンで走っていた友人がたくさんいたのですが、私の方は土曜・日曜と妻の店の手伝いでイベントに出掛けていました。おはこ壱は、手作り雑貨等を販売する人たちにとっては浜松界隈では最大級のイベントの一つで、200近くの店が遠州灘海浜公園に並びます。
台風の接近も心配されたのですが、結果的には二日間晴天に恵まれ、多くのお客様にご来場いただきました。私が店番をしている時間帯でもそこそこ売れてくれたので、ホッとしています。週末に倉庫づくりが進められなかったのは心残りでしたけどね。…やっぱり相当重症のビョーキだ(汗)。
というのはともかく、最近この手のイベントに行くと、タープテントや移動販売車の軒先に小旗が上がっているのをよく見かけます。赤い四角の中にアルファベットのPが白抜きで書かれたロゴが付いているアレです。
小旗のロゴの下には、「ペイペイ使えます。」と書かれています。ペイペイ(PayPay)は、昨年から提供されている、QRコードを活用したキャッシュレス決済のサービスですね。ソフトバンク・ヤフーの合弁による事業だそうです。
PayPayといえば、サービス開始時に派手なばらまきキャンペーンを展開したこともあり、「一度は使ったことがあるユーザー」の人数ではおそらく日本一ではないでしょうか。当時投入された資金も桁違いだったはずですが、サーバーダウンなどのトラブルまで含めて、名前を売るのには成功したといえるのかも知れません。まあ、このあたりのやり方はいかにもソフトバンクグループらしいのですが。
PayPayは、これを導入する店舗側に対しても「初期導入費無料、決済システム利用料無料、入金手数料無料」という大盤振る舞いをしています。店頭にQRコードさえ掲示しておけば、あとはユーザーがアプリを起動してこれを読み込むことで決済可能…という仕組みになっているので、そもそも初期投資がほとんど要らない構造になっています。これが、電源を用意できないイベント会場でも使える!という利点も生みます。
消費税が10%に上がるのに合わせて、キャッシュレス決済を普及させる目論見もあって国が優遇策を打ち出したこともあり、PayPayをはじめとしたQRコード決済は、使える店がかなり増えている状況のようです。しかし、実際にどのくらい利用されているのか?となると、どうも疑問があります。
今回、イベント会場内を見て回り、PayPayの小旗が出ているいくつかの店の様子を見ていたのですが、私が見た限りでは、PayPayで支払っているらしき現場には一度も出会えませんでした。親子連れが多いイベントで、かなりお客様の年齢層は広いのですが、たまたまだったとしても、ちょっと利用率が低いのでは?という印象を持ちました。
現状では、物珍しさもあってとりあえず登録してみたものの、キャッシュレス決済が身近に感じられるところまでは行っていない…という人が多い状況ではないでしょうか。このままだと、キャンペーンや国の還元制度が終わると下火になってしまうのでは?という気がしています。店舗側からも、いずれ手数料を徴収することになるのでしょうし、そうなると中小小売店(我が家も含めて)がそのまま使い続けられるのかどうか…。
ユーザー数及び店舗数が増えて、生活に必須になりさえすれば、店舗も導入せざるを得なくなり、QRコード決済は巷に根付くはずです。その方向に誘導するために、各社とも戦略的な費用設定でキャンペーンを張っているわけですが、少なくとも、現在の「なんちゃらPay」が乱立している状況では難しいのではないかと思います。クレジットカードのように、数社の決済手段が同一のプラットフォームで共用できる状況にならないことには、ユーザーも店舗側も対応が煩雑すぎます。
ちなみに、妻の店ではQRコード決済としては現在LINE Payに対応しています。これは、LINEのユーザーならあっという間に利用手続きができてしまうので、潜在的なユーザー数で言えばPayPay以上かも知れません。ただ、こちらも今のところ妻の店で実際に決済に使われた方はいらっしゃらないようです。
また、旧来からのキャッシュレス決済であるクレジットカードでの支払いにも、Squareというサービスを利用することで対応しています。Squareが間に入ることで、VISAもMasterCardもAMEXも、JCBも利用できるようになります。JCB系列だけ個別の審査があって、どうやらちょっとキビシイらしいですが、妻の店では利用可能になったそうです。これまた利用者は現状でナシ。
これに加えて、PayPayの方も導入するべく現在準備中だそうです。これでキャッシュレス決済の利用が増えるのかどうかは、正直なところやってみなくてはわかりません。現状では店舗側のメリットは感じませんが、対応しておくことで将来的に「選ばれる店になる」というメリットを期待、でしょうか。
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