3月になりました。例年だと、そろそろ花粉症が本格的に始まって、憂鬱な日々になるところなのですが、今年はそれどころではない事態になっています。年明け早々から騒ぎになっていた新型コロナウイルスへの対応で、ここに来て政府から広く国民に向けての要請が出て、一気に動きが出てきました。
先週辺りから、政府の要請を受けて、多くの人々が集まるイベントが軒並み中止になっています。Jリーグは3月前半までに開催される予定だった公式戦を延期しましたし、プロ野球はこの週末からオープン戦を無観客試合としています。オープン戦は選手の調整としての意味合いもあるので、中止するのも困ってしまいますから、こういう対応にしたのでしょうね。
観客を入れずに開催したイベントを、動画配信で中継するパターンも多くなっています。昨日は東京ガールズコレクションをこの方法で開催したニュースが流れていましたが、誰もいない会場でランウェイを歩くモデルさんたちはどんな気分だったのでしょうか。モチベーションを保つのに苦労しそうです。それでも、中止せずに済んだわけですから、良かったのでしょう。
これは日本国内だけの話ではなく、例えばスペインのバルセロナで毎年開催されている携帯通信機器関係の一大イベント・MWC(Mobile World Congress)も、今年は中止になりました。大手企業が次々に出展中止を決め、イベント自体を中止せざるを得なかったのでしょうけれど、個人的に私もどんなモノが登場するのか楽しみにしていたイベントで、残念ではあります。もっとも、製品発表自体はそれこそオンライン配信されたりするので、実際にスペインになんか行けない私にとっては、たいした違いはないのですが。
そこまでスケールが大きなイベントだけでなく、大小いろいろな集まりが中止になっています。私の周りでも昨日の飲み会、ドラムのレッスン、週明け以降に東京や名古屋で開催される会議など、公私にわたり中止の連絡が相次ぎました。「不要不急の外出は避けてほしい」とされている中で、それぞれが本当に必要な外出は何なのだろう?と考える中、実はどうしても外出しなくてはならない用件はそれ程多くない…ということなのかも知れません。
最近は、仕事の打合せでもSkypeなどを使ってテレビ会議することがあります。画面の中でも、話している相手の「顔が見える」というだけで、電話と比べるとずっと話しやすくなります。資料のファイルもその場で送って閲覧できます。まだ正直なところ違和感がないといえば嘘になるレベルですが、慣れてしまえば直接会うのとそう変わらないのかも知れません。
これを突き詰めると、そもそも職場に出勤する必要があるのか?という話になります。職場にはそもそも在宅勤務のシステムはありませんが、出先でレッツノート・CF-SV8を使ってドキュメントを作成したり、メールやSlackのメッセージ、Boxのファイル転送などを使ってやりとりをしたり…という場面はあります。職場から支給されているインフラではない、いわゆる「シャドーIT」なのでコンプライアンス的には問題もあるのは理解していますが、現実問題として出先でもネットワークが使えないと仕事になりません。こういうところも柔軟に認めていただくと、テレワークの推進、さらにはホントの「働き方改革」に繋げていけるかも知れないのですが。
先週は、トイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭から消える騒ぎもありました。我が家では、たまたまトイレットペーパーの在庫がなくなってきたので、週末にコストコで買ってこようか…と話をしていたのですが、金曜日に妻が近所のスーパーマーケットに行ってみたら、これら紙製品を大量に抱え込む人たちでごった返していたのだとか。
とりあえず彼女もトイレットペーパー12ロールを買ってから、1日前倒しでコストコへ。こちらでもトイレットペーパーを1パック(といっても大きめサイズが30ロールも入っているのですが)買って帰ってきたそうです。コストコでもその後各地の倉庫店では欠品・品薄状態が発生して、購入数制限も行われているのだとか。早めの動きで、間に合いました。
マスク増産のあおりを受けて紙製品が入手しにくくなる…との噂からの行動だったようですが、実際のところそんな事実はなく、誤った噂(いわゆるデマ)にあおられたパニックだったようです。在庫はすぐに回復するでしょう。
しかし、オイルショックで同様の現象が起きてから半世紀近く経つわけですが、歴史は繰り返されるものなのですね。SNSでクチコミ情報が広がりやすくなった分だけ、さらに現象は爆発的になっている気もします。
妻の店は、先週開催予定だったイベントが中止になり、昨日も自宅離れの店舗で営業しました。私は庭仕事をしていましたが、見ていると結構クルマの出入りが多かったですね。大型イベントが中止になり、街の人混みへの外出はちょっと控えようか…という方も多い中、妻の小さい店は、案外居心地が良い場所になっているのかも知れません。
店では、手作りのマスクがよく売れているそうです。不織布製の使い捨てマスクも、店頭から姿を消しているモノのひとつですが、繰り返し使えるガーゼのマスク、見直してみませんか?。かわいいモノ、オシャレなモノ、いろいろな色柄のものが売られていますよ。
マスクといえば、今回の新型コロナウイルス対策でマスクをしたり、帰宅時にうがいや手洗いを励行したりする人が増えたことで、今年はインフルエンザがあまり流行していないのだそうです。どちらもウイルスが原因で風邪症状が出るということで、対策はよく似ています。きちんと対策できれば流行を抑え込めることを、図らずも証明していると言えますね。
今回の事態は、多方面に影響する重大な状況になっているわけですが、案外対応方法は用意されていたりします。与えられた制約も、それまで当たり前だったことを見直してみる、良いチャンスになるのかも知れない…と思ったりします。もちろん、これはお試しではなく現実ですから、冷静な対応は求められます。そこを踏まえた上で、アタマを柔らかくして対応したいですね。
ちなみに、昨日の私は自宅の庭でスギの薪を短く刻み、キンドリングクラッカーで割って焚き付けを作っていました。外に遊びに出掛けられないなら、自宅でできることをする…という選択はもちろんアリ、でしょう。それで楽しめるのなら、文句なしです。
それにしても、今いちばん気になっているのは娘の小学校の卒業式はどうなるのか?ですね。政府の要請は「春休みまでは休校を」と言いつつ、卒業式等は「実施する場合には万全の対応を」ということなのですが、小学校の卒業式は本番前に子供たちが何度も練習を繰り返して臨みます。当日だけ出席してきたところで、子供たちが式典に即応するのは難しいでしょう。
少なくとも、例年の卒業式とは異なる形にはなるでしょうし、中止も覚悟しておかなくてはならないかな…と思っています。ともかく、娘にとっては一生に一度のイベント。何とかできないものでしょうか。
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