「アナと雪の女王2」の4K ULTRA HDブルーレイ版を購入しました。ここ数年は、新作映画を映画館に出掛けて鑑賞することがなかなかできなくなってしまい、気になる作品は基本的にこうして一般に販売、あるいは配信されるのを待ってから観ることになります。
私が在宅勤務を終えてリビングに降りていったら、妻が先に作品を見始めていたのですが、ケースの中を見てみると4K ULTRA HDブルーレイのディスクが残されていました。テレビで観ていたのは、パッケージに同梱されているハイビジョン版のブルーレイの方でした。特典映像などはこのハイビジョン版ディスクのみに収録されているということで、商品は2枚組の構成になっています。
せっかく4K映像が楽しめる環境になったのだから…と、高価な4K ULTRA HDブルーレイ版を購入したのに、妻には価値が伝わってないのか?とガッカリしつつも、とりあえず最後まで観てもらった上で、改めて4K版のディスクを挿入しました。
後で妻に聞いてみると、ディスクが2枚入っているとは思わず、4K版のディスクが同封のリーフレットの裏に隠れていて気付かなかったのだとか。先に4K版のパッケージ構成について説明しておかなかった、私の落ち度もあったかも知れません。
4K版の画像は、細部まで細かく描き込まれたキャラクターや背景、HDRによる強い日差しから夜の闇までの多様な光の表現…と、ハイビジョンとはひと味違う世界を堪能できたのですが、観ていてなぜか物足りなさが残ります。というのも、音がイマイチなんですよね。ハイビジョンのときよりも音が籠もった感じで、セリフと環境音の分離ももう一つです。画はレベルアップしたのに、音はレベルが落ちたような気がして、何とも言い表せない違和感が最後まで続きました。
思い当たったのが、音声の記録方式の違い。普通の洋画だと最初は原語版音声+日本語字幕で観るのが流儀なのですが、この作品に限って言えば、日本語音声が本気で作り込まれていることを知っていましたから、まず日本語音声・字幕なしで観ていました。しかし、その日本語音声に見逃せない差があります。
日本語音声はどちらも7.1chで記録されているのですが、そのフォーマットが異なり、4K版はドルビーデジタルプラス、ハイビジョン版はDTS-HDマスターオーディオ(英語音声と同じ)となっています。大きな違いは前者は非可逆圧縮、後者は可逆圧縮の規格であることで、これはちょうどMP3とFLACの関係と似ています。当然、後者の方がデコードしたときに高音質の音声に戻すことが可能です。私が受けた違和感は、どうやら単なる気のせいではなかったようです。
ちなみに、4K版の英語音声はDolby Atmos収録なので、音の定位感では7.1chのDTS-HDマスターオーディオと比べても段違い。BRAVIA X9500Gの本体スピーカーのみの再生でも、明らかに差を感じ取れます。
実は、この音声仕様は、最初に買った4K ULTRA HDブルーレイ版の実写版「アラジン」でも全く同じ。あれを観たときは、「原語音声ファースト」の原則に則っていたので、いきなり「4Kスゲぇ」+「Dolby Atmosってスゲぇ」状態になり、全然気にならなかったのですが、普通の(?)ドルビーデジタルだと音声としての体験がかなり異なってくるんですね。
これだと日本語版は「画にこだわるか、音にこだわるか」の二者択一にならざるを得ないわけで、ここは販売する皆さんに企業努力をお願いしたいところです。オブジェクトオーディオの音声作成はそんなに難しくない…どころか、もともと分離されている音声トラックを7.1chにミックスダウンしなくて済むわけですから、全く手間が掛からないのではないか?と思うのですが。
とはいえ、これはテレビのスピーカーのみで音を聞いているこちらの環境にも問題があるのかも知れません。もっと音響環境を充実させれば、状況が変わるのでは?という思いもあります。20年近く前から5.1chのホームシアター生活を続けていましたから、マルチチャンネル出力の威力はよくわかっています。しかし、音声がHDMIからしか出てこないブルーレイレコーダーを使うようになったので、光デジタル入力しかないホームシアターは使えなくなり、処分してしまいました。
今の環境に合わせたホームシアターを揃えたい気持ちはあるのですが、資金が全然足りません。「この前10万円もらったんでしょ」って?いや、アレには別のもっと重要な使い道がありますし…(汗)。昔ほど大げさなシステムを揃えなくても、十分な効果が得られる製品が出てきているようなので、研究してみましょう。
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