我が家のテレビ・BRAVIA KJ-55X9500Gの「Android TV」としての働きについては、以前にもご紹介しているところなのですが、Android TVであるということは、Googleアシスタントで指示を出せるということでもあります。スマートフォンと同様に、音声をキーにしてGoogle検索や様々な機能が使えます。特に、テレビならではの機能も音声で動かせるのは、これまでになかった世界です。
X9500GでGoogleアシスタントを呼び出すときには、リモコンのど真ん中あたりにあるGoogleアシスタントボタンを押せば一発。音声入力を受け付ける画面が下段に表示されます。リモコン内にはマイクも内蔵されているので、あとはリモコンに向かって話しかけるだけです。
テレビ側の環境設定には、「『OK Google』の検出」という設定があります。これを有効にしておけば、「OK, Google」「ねぇ、グーグル」のキーワードを常時受け付けるようになります。マイクは、リモコンだけでなくテレビ本体にも内蔵されている(ただしX9500Gの場合49型には非内蔵)ので、テレビに直接話しかける形も可能です。
X9500Gの電源が待機状態のときでも反応するのは、「テレビつけて」に反応するためなのでしょうけれど、そこでいきなり検索キーワードを聞かせれば、音声で案内が始まります。つまり、これは「55型の超大型ディスプレイ付きスマートスピーカー」そのものです。我が家では既にAlexaも働いているので、どう扱っていくのか決めかねているところではありますが。
SONYのWebサイトで見ると、BRAVIAのGoogleアシスタントでは、テレビ操作としては以下のようなキーワードに対応しているのだそうです。
- 電源のON・OFF:「テレビつけて」「テレビ消して」
- 音量調整:「ボリュームを上げて」「ボリュームを20に」
- チャンネル切換:「NHK総合」「チャンネルをNHKEテレに」「BSプレミアムに変えて」など
上の2つはすんなり行きますが、チャンネル切換はなかなか難しいです。NHKや全国共通のBS・CS放送はともかく、地上波のローカル局で結構手こずります。例えば静岡県の場合、全国キー局と同じキーワードを持つ静岡朝日テレビはすんなり選局可能。呼び方が「えすびーえす」しかないSBSもほぼ問題ありません。しかし、Daiichi-TVは「だいいちてぃーう゛ぃー」でないと反応せず、「だいいちてれび」だと「第一テレビ」に変換されてしまい、チャンネルとして認識されません。テレビ静岡は、通称の「てれしず」では反応せず、「てれびしずおか」とフルネームで呼ぶ必要があります。なお、種類豊富なCS放送へのチャンネル変更も、名前さえマッチすれば意外に問題なくできますが、契約していなければもちろん見られず、入会手続きを案内されます。
また、「チャンネルを○○に」ならそこそこウマく行くのですが、放送局名のみを呼ぶとさらに混迷の度が増します。テレビ局の運営会社は、たいてい地元で多角的に事業を展開していますから、例えば「SBS」と呼びかけると近隣の住宅展示場・SBSマイホームセンターへの道案内が出てきました。また、テレビ局が運営しているYouTubeチャンネルが出てくる場合もあります。これは、テレビとしての操作が受け付けられなかった場合のデフォルト動作で、YouTubeの検索キーワードとして単語を取り扱う仕様になっているようです。
自然言語インターフェースのスマートスピーカーとしては、まあこんなモノかな…という感じ。Alexaも結構「よくわかりません」を連発しますが、それ以上に融通が利かない感じがします。もっとも、このあたりは数を多くこなしていくと学習されていくのでしょうか。Alexaも含め、「自然言語」とはいえど、基本的なキーワード自体はしっかりとこちらが把握して、彼らにわかりやすいように噛み砕いて伝えなくてはならない…というのが、スマートスピーカーの現状だと思っています。
総合してみると、X9500GでのGoogleアシスタントは、ないよりは便利かも知れないけれど、積極的に使っていくほどのものではないなぁ…という印象です。電源を入れるのに声を掛けるだけでできるのは良いのですが、ボリューム変更も、チャンネル変更もリモコンを使った方がずっと確実で早いです。音声検索は、YouTubeで映像を探すのには使えそうですが、それ以外の目的ならPCのキーボードでGoogle検索して結果を見た方が確実な気がします。
ただし、こうした分野の技術革新は日進月歩。「使えない」と決めつけて放りっぱなしにはしないように、情報はこまめに更新するべきだろうと思っています。
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