レッツノートの2020年秋冬モデルが発表されました。夏モデル登場のときに、6コアCPUを搭載するなど比較的大きなステップアップがあったこともあってか、今回は型番が代わったくらいで、中身はほぼ変わっていません。巷では、Intel社が「第11世代のCoreプロセッサー」を発表し、海外メーカーは早速これを採用したモデルを発表していますが、レッツノートは相変わらずのマイペースで、第10世代のまま。まあ、こうして「周回遅れ」にされるのも想定どおりです。
開発中は「Tiger Lake」と呼ばれていた第11世代Coreプロセッサーは、Intel社が立ち上げに散々苦労してきた10nmプロセス世代で、ようやくマトモに仕上がってきた製品といえそうです。動作クロックは14nm時代と同レベルまで上げられるようになっていますし、統合GPUも「Xe」というブランドを銘打って気合いの入った次世代に切り替わっています。周辺とのインターフェースも強化されていますし、AI推論用のロジックも強化されているなど、総合的なパフォーマンス向上を、より低消費電力で体感することができるはずです。
例えばレノボが第11世代Coreプロセッサーを使った「1kg切り大画面モバイル」のThinkPad X1 Nanoを発表したり、これまたIntel社の次世代CPUであるLakefieldを採用して「折りたたみ画面モバイル」のThinkPad X1 Foldを市場デビューさせたりするのと比べると、レッツノートを見ていてどうしても寂しさはあります。まあ、十分熟成されたシステムで、安定感のある動作が期待できる…とは言えそうですね。旧モデルを持っているワタシとしては、ステップアップされないことでホッとする部分もあるわけですが。
本体が変わらなかったから…ということでもないのでしょうけれど、今回はちょっと面白い周辺機器が一緒に発表されています。CF-LV9・CF-SV9・CF-QV9で使える、「純正の」USB PD接続ACアダプターです。出力は65Wということで、これなら「普通に使いながら充電」ができるはずです。筐体のデザインが何となくレッツノート風になっているのが、純正ならではのポイントですね。
CF-SV8標準のACアダプターよりはかなりコンパクトになっていますが、それでも本体のみで重量が140g。2本の接続ケーブルを加えると、200gを大きく超えます。これなら、サードパーティーのより軽量・コンパクトで個性的な製品たちの中から、ニーズに合ったモノを選んだ方が満足感が大きいと思います。
もちろん、USB Type-Cを持たないCF-RZ8では、このACアダプターは使えません。というよりも、5年以上前にデビューしたCF-RZ4から基本設計がほとんど変わっていないであろうCF-RZ8が、まだ現役モデルとして投入されていること自体が、ある種驚きではあります。さすがに、次回あたりにそろそろ何らかの動きがあるのではないかな?と思っています。それが単なるフェードアウトなのか、それこそThinkPad X1 Fold以上の驚きを持って迎えられるニューモデルなのかは、想像も付きませんけどね。
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