新しいスマートフォン・OPPO Reno3 Aが、Quick Charge 2.0対応であることをご紹介したところです。古い充電器が再利用できるのはありがたいのですが、一方で、我が家にはUSBを用いた充電規格としてはより新しい、USB PDに対応した充電器が増えてきています。
旅行先での充電なども想定すると、レッツノート・CF-SV8やNintendo Switchの充電も合わせて、ひとつの充電器で済ませられるとありがたいところ。USB PD対応の充電器とReno3 Aをつないだときにどうなるのか、挙動を確認しておきたいところだったのですが…。
USB PDとQuick Charge 2.0/3.0の間には互換性がありませんから、Quick Charge非対応の充電器からReno3 Aに9Vの電圧を供給することはできないはずで、あとは、USB本来の規格の中で電力の受け渡しをするしかなくなってきます。最低でもUSB BC1.2の枠組で5V×1.5A=7.5Wの供給を受け付けて欲しいところですし、USB Type-Cコネクターで流せることになっている3Aの電流をサポートして15Wくらいで充電できれば、期待以上です。
まずは、CF-SV8の充電に使っているRAVPower RP-PC112を接続してみたのですが、のっけから想定外の反応が。入力電圧が5V強からじりじりと上昇し続けて、最後には9V以上に達しました。電流も最大時には2A近くに。Quick Chargeの規格でつながっているとしか思えない挙動です。
先日購入した新しいUSB Type-Cテスターには、現在の電源供給規格が何かを簡易的に判定して表示する機能がありますが、そこには「QC3.0」の文字が。RP-PC112の商品情報にはどこにも書かれていないのですが、どうやらこっそりとQuick Charge 3.0に対応しているようです。ひとまわり小さいRP-PC120も試してみましたが、こちらも同様に9V・2Aの供給ができているようです。
これらの充電器を持っていけば、1台で三種類のデバイスの充電をこなせることになるわけですが、USB PDはQuick Charge等の他の充電規格に対応していると厳密には規格違反のはずで、どう解釈するべきか微妙なところではあります。まあ、我が家のニーズに合った使い方ができるので、そこはありがたいのですが。
次に使ってみたのが、コストコで購入したGigastone社の充電器。いろいろな可能性を考えながらつないだのですが、私の予想をさらに裏切る意外な展開となりました。5Vの電圧はかかっているものの、ほとんど電流が流れていません。Reno3 Aの側でも、充電中を示す稲妻のアイコンは表示されませんでした。
つまり、この充電器のType-Cポート(USB PD対応)では、Reno3 Aの充電どころか、給電もできないことになります。ただし、Type-Aポートの方につなげば稲妻のアイコンが表示される充電状態にはなるので、ケーブルを別に用意すれば充電はできますし、二つのデバイスを同時に充電できるようにもなります。USB BC1.2の7.5Wだとすれば充電速度には期待できませんが、iPadみたいに2A以上受け入れていたりすると、意外に速いかも知れません。どちらなのか確認できないのは辛いところですが…Type-A用のテスター、やっぱり必要か?
さらに状況を確認するために、CF-SV8のType-Cポートにテスターをつなぎ、ここからReno3 Aへの給電がどうなるか見ることにしました。こちらは、テスターの表示は5V・0.8Aほどになっていたので、USB 3.1標準(最大電流900mA)の電力が供給されているようですが、それでもやはり稲妻のアイコンは表示されません。給電はされているものの充電はされていない…と見るべきでしょう。ノートパソコンのUSB PD対応でも、十分な電力が確保できない場合には充電しない制御をしている製品がありますし、Reno3 Aでもそれと似た判定をしているのかも知れません。
巷のWeb記事を検索してみても、同様にUSB PD対応の充電器との組み合わせでウマく行かない事例が見られます。本来は、USB PDにしろQuick Chargeにしろ、最初はUSB標準の給電動作をした上で、機器間の通信で対応を確認して設定を変更する手順を踏みますから、全く給電されないということは起こらないはずなのですが…。
いずれにしても、Reno3 AをUSB PD対応の充電器と組み合わせて使うのは、どうも賢明な選択ではなさそうです。しかし、それにしてもどうして今さらQuick Charge 2.0なんだろうなぁ。USB PDだとライセンス料などの問題があるのか、それともQualcommから何かもらっているのか(苦笑)。
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