1月13日に、レッツノートの2021年春モデルが発表されました。大きな方からLV、SV、QV、RZという4機種のラインナップには変化無し。SVシリーズに第11世代Intel Core iシリーズが搭載されて「CF-SV1」になったことが、中身としての進化となります。他の3機種については、どこが新しくなったのか全くわかりません。型番が付け直された程度でしょうか。

2020年秋冬モデルが登場したときにも触れましたが、「Tiger Lake」と呼ばれてきた第11世代Coreは、このところ足踏みが続いてきたIntel社のモバイル向けCPUが、久々にステップアップを果たしたシリーズと言えると思います。熱設計電力の設定をベンダー側に委ねて幅を持たせたのが仕様上の特徴のひとつですが、当然のようにCF-SV1も上限目いっぱいの28Wで動作できる範囲を増やす設計で、ハイパフォーマンス志向を鮮明にしています。

外見は、私が使っているCF-SV8と見比べても間違い探しレベル…というより、全く同じと言って良さそうです。もちろん、中身はこれまでの2倍近い電力(≒発熱)を受け止めるために一新されているはずですけどね。

ともかく、Tiger Lakeを載せて、マトモに設計すればこれまでより大幅にパワーアップできるはずで、胸を張って「パフォーマンスは1.6倍」なんて言っている場合ではありません。その程度は当たり前で、ようやく競合他社に追いついたかどうか。しかも、他社製品は新しい小型・軽量の筐体を導入しているものが多い中で、頑ななまでに「パナソニック流Tick-Tockモデル」を堅持して同じハコです。これが彼ららしさではあるのでしょうけれど、やっぱり新しいモノも見せて欲しいところです。ワタシにとっては、中身はともかく見た目が陳腐化しないのはウレシイのですが。

驚くべきなのは、まだCF-RZ8がラインナップにあること。継続販売されるということは、依然として手堅いニーズがあるのかな?とは思うわけですが、それにしても息が長い商品になっています。ビックカメラ有楽町店のコンシェルジュが、「今回はCF-SV8を使ってみて、その後にRZの後継を考えてみてはどうか」と提案してくださったことを思い出します。ここまでRZの販売が続くことは、もうあのときには決まっていたのでしょうか?


今年でレッツノートは25周年ということで、パナソニックストアには記念モデルも用意されています。今回のベースになったのは、12型画面の2in1タイプであるCF-QV9。通常のプレミアムエディションとの違いは外装だけと言っても良さそうで、これまでの記念モデルのようなトンデモナイ値札は付いていません。

購入への敷居が低そうなのは良いと思うのですが、何よりもこれが「9」であることが残念で仕方ありません。せめてこの記念モデルだけでも、「CF-QV1」にならなかったのかなぁ…と思います。過去には、同時期に同じハコの中に世代の違うプラットフォームを収めたモデルを提供していたこともありますしね。

ともかく、今回の2021年春モデルでは、Tiger Lake世代へのステップアップは限定的なモノで、レッツノートの周回遅れは二周目に突入した…という感があります。春の訪れは、まだ遠いか。



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