昨年10月に新しいスマートフォン・OPPO Reno3 Aを購入してから、ずっと気になっていたことがあります。それは、Android 11へのバージョンアップがいつ公開されるのか?ということでした。
2021年4月現在で最新版となるGoogleのスマートフォン用OS・Android 11は、昨年9月に正式版の一般への提供が始まりました。もっとも、Androidの場合、WindowsやiOSなどとは異なり、リリース即一般ユーザーの手元に降りてくる…というケースは非常に限定的です。各端末を製造販売するメーカーがカスタマイズしなくては導入は不可能で、新機種に乗り換えるのならともかく、バージョンアップについては各メーカーが対応するかどうか?が重要になります。
OPPOは、以前は発売済の製品のOSアップデートには消極的だった印象があります。OPPOのスマートフォンには、Androidがベースになった、彼らが「独自OS」と謳うColorOSがインストールされています。Androidのバージョンアップに合わせて、その都度ColorOSにカスタマイズを行うとなると、かなりの作業が必要になって割に合わない…ということだったのかも知れません。新製品購入へのモチベーションを下げる方向にもつながりますしね。
しかし、最近はOPPOの端末にも「ColorOSのバージョンアップ」が提供されることが増えてきています。Android自体にもバージョンアップを容易にするような仕組みが取り入れられていると聞きますし、ユーザーからもバージョンアップの要望が多く上がっていたのではないかと思います。
Reno3 Aについては、昨年10月の時点で、楽天モバイルがAndroid 11へのバージョンアップの対象になることを発表していました。キャリアカスタム版の楽天モバイル版がバージョンアップされるのに、ベースとなるSIMフリー版がバージョンアップされないことは、まず考えられません。あとはタイミングの問題です。他からの発表が全くなかっただけに、楽天モバイルがテキトーなことを言っているのでは?という一抹の不安はありましたが…。
3月23日に、ワイモバイルからReno3 AのOSバージョンアップ開始の案内がありました。3月25日には、OPPOブランドを日本で展開するオウガ・ジャパン(株)からも、SIMフリー版について同様に更新開始の案内がありました。ちなみにこのオウガ・ジャパン、昨年10月に「オッポジャパン株式会社」から社名変更されたのですが、OPPOの日本での認知度が上がってきたこのタイミングで、どうして変更したのか実に不思議です。
一番乗りがSIMフリー版ではなくワイモバイル版だったのには、少々驚きました。まずSIMフリー版が作られて、そこから各キャリア版にカスタマイズされる…という流れのはずですから、普通に考えれば前後逆転するはずがありません。私自身、それを期待してわざわざSIMフリー版を購入したわけで、わずか2日違いとはいえ、どうもスッキリしないところがありました。
ただし、ワイモバイル版には、他社が販売するReno3 Aとの間に重大な差があることを考慮するべきではあります。本来SIMを2枚差して通話の同時待ち受け(DSDV; Dual SIM Dual VoLTE)ができるはずのReno3 Aを、あえてSIM1枚しか挿せない仕様に変更しているのです。もしかすると、今回はSIM2枚差しを考慮しなくて良い分だけ検証が楽だったのかも?と思ったりもします。
早速、3月25日の朝一番にReno3 Aを起動し、設定画面から「ソフトウェアアップデート」を見てみました。しかし、そこに現れたのは「ソフトウェアは最新の状態です」という文字。プレスリリースに書かれていたとおり、対象端末には本当に「順次」配信される形になっているようです。サーバーへの過負荷を避けようとすると、こうなるのも仕方ないところはあります。とはいえ、私のような積極的「人柱」予備軍に対しては何らかの強制バージョンアップの手段を用意していただけると、もう少しお役に立てそうなのですが(笑)。
毎日のように「最新の状態…」画面を開いてはガッカリしていた私でしたが、4月9日の朝、目を覚ますと「新しいバージョンが検出されました」との通知が届いていました。都合2週間少々待ったことになります。
通勤前の時間に余裕がないところにもかかわらず、早速ダウンロードを開始。3 GB以上の巨大なファイルでしたが、20分ほどでダウンロードが完了しました。
そのままバージョンアップの作業を開始。特に引っかかることもなく、ほぼ放りっぱなしで、これも20分弱で作業が完了しました。以前のAndroidスマートフォンのOSバージョンアップと比べると、あまりストレスを感じずに、あっさり作業が完了した印象です。いろいろ、改良されているのでしょうね。
ちなみに、Android 10ベースだったときのColorOSのバージョンは7だったのですが、今回Android 11ベースになるのに合わせて、ColorOSの方もバージョン11に番号が揃えられています。この方がわかりやすいですね。
ランチャー画面を見ているだけでも、微妙に雰囲気が変わったのがわかります。ColorOS 11のランチャーは、従来よりもカスタマイズ項目が増えているのが変更点のひとつだそうで、アイコンのスタイルやレイアウト、フォントなどをいじることができます。その通知ドロワーの背景が透けているのも変更点です。
ちょっと気になるのは、ランチャー上のアプリアイコンの中に、不自然に小さく表示されているものがいくつかあること。アプリ側がAndroid 11にきちんと対応していない可能性があるのですが、サードパーティーのアプリはともかく、Google謹製の「アシスタント」アプリのアイコンまで小さくなっているのは何とも不思議です。もし、きちんとAndroidアプリの流儀に沿って指定されたアイコンが正しく表示されていないのなら、ColorOS側の問題なのですが。
ダークモードについては、時間帯で自動的に切り替える設定が増えましたが、私はそもそもAMOLEDディスプレイの省電力のためにダークモードを使っているわけで、この機能は使わないでしょう。ダークモードの「ダーク」な度合いも調整できますが、これも真っ黒な「ブラック」の一択です。
もうひとつ、省電力絡みでは「常時表示ディスプレイ」にも、しばらくの間端末が動かされていない場合に表示されない…という「省エネ」の設定が追加されています。しかし、これだと夜ベッド脇に置いておくと表示が消えてしまい、本来のガラケーのサブディスプレイ(あるいは懐中時計)的な使い方ができないので、これも「終日」で決まりです。バッテリーもほとんど食いませんしね。
バッテリー関連では、他にもいろいろと詳細設定がありますが、夜間充電の最適化でバッテリーの劣化を防ぐ…というアプローチには注目です。今どきのスマートフォンはバッテリーを外して交換することができませんからね。長持ちしてくれるのならウレシイところです。
ColorOS 7 (Android 10) だったときのReno3 Aには、Webページのスクロールなどで、ちょっと動作にもたついたり引っかかったりする場面があった(特にアプリ内のWebページ画面)のが気になっていましたが、バージョンアップしたらこの症状は見られなくなりました。全体的に、動作が軽快になったような気がします。
これは、Android 11で軽量化が図られたのか、ColorOS 11のカスタマイズが頑張ったのか、どちらが効いているのかわかりませんが、ともかく改善していただいたのは良かったと思います。ストレスを感じる場面が減り、これでReno3 Aをメイン端末として使える期間は少し伸ばせそうな気がします。
ところで、今回「カメラ」アプリの方にも見た目だけではない大きな変化があったのですが、実はこれ、Android 11になったことと大きな関連がある話です。これはじっくり、たっぷり解説しておきたいと思います。詳細はまた回を改めて…とさせてください。
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