ここ数年の間、年に数回のペースで、携帯電話サービス各社のWebサイトを巡回しています。主な目的は、各社のサービスエリアの広がりの確認。特に、5Gのサービスエリアがどのように広がってきているのか?が、重要なポイントです。
5G(ふぁいぶじー、と読まれることが多いようです。ごじー、もアリ)は「5th Generation(第五世代)」を意味するキーワードで、現在主流であるLTE(もともとは「第3.9世代」なんて呼ばれていましたが、結局これが第四世代と呼ばれることに)の次世代となる新しい通信規格のことです。5G NR(New Radio; 「新電波」ですね)という略称で呼ばれることもあります。
5Gは、LTEと比べると「高速大容量」「高信頼低遅延」「多数同時接続」といった特徴を持つとされます。ただ、高速大容量や多数同時接続が実現できているのは、割り当てられる周波数の範囲(「帯域幅」とも呼ばれますが)をLTEよりも広く確保していることによる部分が大きいようです。これまでLTE用に使っていた周波数を5G NR用に転用することも可能で、実際にこれを積極的に進める方針のキャリアもありますが、この場合、5Gとしての能力向上効果は限定的なものになります。
実際にLTE/5G向けの無線基地局を持つ4社のサービスエリアマップ(NTTドコモ、KDDI (au)、ソフトバンクモバイル、楽天モバイル)を見比べると、それぞれの方針の差が見えてきて面白いところです。現在のところ、5G NR用の新しい周波数帯(6GHz未満ということで「Sub 6」と呼ばれますが)でエリアを最も積極的に広げているのはNTTドコモで、我が家の周辺でも、おカネをもらえる職場の周辺でも、この「5Gネイティブ」とも言える電波は今のところNTTドコモのものしか拾えなさそうです。
これと比べると、auとソフトバンクモバイルでは、Sub 6でのサービスエリアの面的展開はまだまだです。ただし、両社はLTE用の周波数の一部を5G NR用に転用する、いわゆる「5G NR化」を積極的に使ってエリアを広げているので、スマホのアンテナに「5G」と表示される場面は増えているはずです。妻のiPhone 12 Proも、外出先でときどきauの5Gの電波を拾っているようです。もっとも、先にも触れたとおり、「5Gと表示されるエリアが広がっているだけで、通信速度などはLTEと変わらない」ということが想定されるため、あまり意味が無いような気がします。消費電力が増えたりしますしね。
楽天モバイルは、そもそも通信事業への参入自体が相当後発だったわけですが、気がつけばLTEのサービスエリアは他社に近いレベルまで広がり、Sub 6の基地局の展開は、auやソフトバンクモバイルよりも早いように見えます。もっとも、他の3社も含め、公表されているエリアマップをどれだけ信用するのか?という話なのですが。特にソフトバンクモバイルや楽天モバイルの最大の不安は、企業のコンプライアンス意識が希薄なのではないか?と感じられるところだと思っているわけで…。
各社ともに、Sub 6の他に「ミリ波」(約30~300 GHzの電波。波長が1 mmオーダーになることからこう呼ばれます)という、より高い周波数の電波の割当も持っています。5Gの特徴をより発揮できる電波なのですが、遠く隅々まで行き渡らせることが困難なため、各社ともスポット的な提供に留まっています。私の行動範囲内でNTTドコモのミリ波が拾えるかも知れない場所があるのですが、そもそもミリ波が使える端末自体種類が多くありませんし、考慮する必要はなさそうです。
ともかく、田舎の我が家では当分縁がないなぁ…と思っていた5Gが、意外に近いところに来ていることはわかります。こうしたインフラが整ってくるまでには、どうしても年単位の時間が必要です。
5Gの電波が飛んできていても、それを捕まえられる通信機器がなくては話になりません。私が現在使っている機器の中には、5Gが使えるモノはひとつもありません。電波が飛んでいなかったから、機器を用意する気が全く起きなかった…というだけなのですが。
巷で売られているスマートフォンにも、5G対応のものがずいぶん増えてきました。iPhoneや10万円以上のハイエンドAndroid機だけではなく、2~3万円程度のかなり安価な製品でも、5G対応のものが買えるようになってきています。PCでも5G内蔵の製品が出てきていますね。
回線契約の方も、MVNOの格安SIMで5Gに対応するものが増えてきています。現在私が使っているBIGLOBEモバイルでも今月28日から、NTTドコモ回線による5Gの利用が月額費用の追加無しで可能になります。しかし、現在はKDDIの子会社であるBIGLOBEが、どうしてau回線のSIMでのサービス開始を優先させなかったのか?…実に不思議です。BIGLOBEを使っている限り、「NTTドコモ回線でのサービス終了」という事態を想定しておく必要があると思っているのですが、今のところはそんな素振りが全然見えません。まあ、その時に考えれば良いか。
現在使っているスマートフォン・OPPO Reno3 Aは5G未対応。端末代金の分割払いがまだ半年少々残っています。OSのAndroid 12への更新はどうも望み薄で、そろそろ次のことも考えておかなくてはならないのでしょうけれど、正直なところあまり魅力的な乗り換え先がありません。先立つモノが足りない…という面もあるわけですが。
それ以前に、5G対応に換えたい!というモチベーションがほとんど無い自分に気付きます。そもそも、5Gが必須になる魅力的なサービスがあるわけでもなく、必然性は全く感じないんですよね。例えば、リアルタイムの通信対戦ゲームなどをすれば、低遅延は効いてきそうです。実世界上にARで展開するようなモノなら、モバイル通信を使う必然性が出てきます。ただ、今のところ興味のあるコンテンツには巡り会えていません。
いつの日か、故障するなどしてReno3 Aから次に乗り換えざるを得ない状況になって、気がついたら5G対応になっている…という形になりそうです。とはいえおサイフの中身は慢性的に寒いし、いつになることか。
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