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Rakutenは最強になったのか

この週末は、平日中にいろいろ頑張りすぎてしまったせいか、寝ている時間が長く、ホントになんにもしない週末で終わってしまいました。とはいえ、週に1度の定期更新に穴を空けるのもイヤなので、前から気になっていたアレの話でも、してみましょうか。


5月12日に、楽天モバイルが新しい料金プラン「Rakuten最強プラン」を発表しました。6月1日からサービス開始。既存ユーザーに対しても、6月1日から適用開始となるそうです。

楽天モバイルは、かつてはNTTドコモなどの回線を借りたMVNOとしてサービスを提供していましたが、2020年からは自社の通信設備を持つ事業者となりました。それ以来、基本的には「高速通信が税抜き2,980 円で使い放題」という単一の料金プランでのサービスを、何度か調整を繰り返しながらも続けています。「高速通信を使い放題」のサービスとして見れば、競合他社よりも安価に提供されています。

しかし、これは「楽天回線エリアのみ」という条件付き。通信会社としては後発であった楽天モバイルは、自社のネットワークが整備できていないエリアではauの回線を「パートナー回線」として借りることで、全国でのサービスを始めました。しかし、パートナー回線での高速通信は月に5 GBまで。それ以上は速度が1 Mbpsに制限されるか、追加容量を購入するか…という、他社のプランとよく似た扱いでした。

楽天モバイルのサービスが始まった頃は、私の自宅周辺などは当然エリア外でしたから、実質的に「月5GBでニーキュッパ」という、安いとは言えないサービスでした。その後、楽天回線のエリアは広がってきたものの、エリアマップを見ただけでも、私の行動範囲の中では「どこでも使える」とはとても言いがたい状況です。

実際に使っている方も周りに何人か出てきましたが、いろいろ話を聞いた限りでは、「楽天回線につながりさえすれば結構イイけれど、つながらないことが結構多い」というのが現状の評価のようです。地図の色を塗りつぶすことはできても、建物などの障害物が多いところで隅々まで電波が届くのか…という点で、まだまだツラいのかも知れません。


今回の「最強プラン」は、月に3 GBまでで980 円、20 GBまで1,980 円、それ以上はいくら使っても2,980 円(いずれも税抜)…という3段階の料金設定については、現状の「Rakuten UN-LIMIT VII」と変わりません。今回最大の変化は、パートナー回線の使用量に制限がなくなったこと。どちらの回線でつながっているかを考えずとも、「使い放題」という意識で使えるようになります。

楽天モバイルは、このプランの実現に際して、auとの間でのローミングの契約について見直したようです。これまでは、ローミングサービスは自社回線が用意できるまでのショートリリーフという考え方で、自社回線のエリア整備が進んだところから、なるべく早くローミングは終わらせよう…という動きだったように見えます。auに支払う回線使用料も、相当な負担になっていたようですしね。

自社の通信設備を整備していくためには莫大なコストがかかります。とはいえ、先にも触れたとおり「つながらない」というのが大きなマイナスイメージになっている以上は、何とかしてそこを解消しなくてはなりません。確かに、いちばん手っ取り早いのはauのパートナー回線でも容量制限無しで使ってもらえるように、何とかして話を付けることです。楽天モバイルとしては、単にいちばん合理的でコストのかからない手を打っただけなのでしょう。

一方、auにとってのメリットが何なのか?が、ワタシにはどうも読み切れません。auにとっては楽天モバイルからの回線使用料は魅力的な固定収入だった…ということはもちろんあると思いますし、5Gへの移行を進めていく中で余裕ができつつあるLTEの電波を貸しても、それほど負荷にならない…という話もあるようです。そもそも、楽天モバイルが自社回線で提供できないところだけのフォローですから、使われる場面はかなり限定的になるはずです。ユーザー数としても楽天モバイルはpovoやUQモバイルも含めたau系列のユーザーに比べたらずっと少ないわけで。

ただ、auが同業のライバルである楽天モバイルをここまで助けてやる義理はないような気がしていて、どうも裏に何かあるのでは?と感じてしまいます。例えば、楽天モバイルがサービスを終了するときにはauが面倒を見る…ということで既に話が付いているとか。私には、遠からず楽天はこの事業を放り出す気がしてならないんですよね。現時点で密約がないとしても、au側にはそのくらいの打算はあるかもしれません。窮地を救う振りをして踏み台にする…というのは、かつてはソフトバンクのお家芸でした


今回の一連の発表で、楽天モバイルとしてはパートナー回線も使い放題になったことと共に、「人口カバー率99.9 %」というのをかなり強調しています。「業界最高水準」とも謳っていますが、そもそも楽天モバイル以外の3社はもう横並びで、自分もauの回線のおかげでつながるのだから、同等のカバー率になるのは当たり前です。ともかく、これで最大の弱みをカバーできるのは確かでしょう。

ただ、気をつけなくてはならないのは、全てがauと同じになるわけではないということ。楽天モバイルがauから借りているのは800 MHz帯のLTEのみで、現在楽天モバイルが主に使っている1.7 GHz帯よりも周波数幅が狭いのだそうです。もちろんauの5Gは使えませんし、キャリアアグリゲーションにも対応しません。通信速度もそこそこでしょう。実際に、現時点でも「楽天回線につながった方が速い」という話は聞きます。

このあたりの品質に納得できるのなら、「少しでも安くて、そこそこの高速通信が使い放題」というニーズに対しては、Rakuten最強プランは文字通り最強の選択になる可能性はあると思います。ただ、現在他の3キャリアの回線で使っているユーザーが乗り換えると、ストレスを溜める要因が増える可能性はありますね。

私としては、とりあえず現状を分析した上で格安SIMを使っていることもあり、すぐに乗り換えようとは思っていません。そもそも、楽天モバイルのサービスがいつまで続くのか?に懐疑的ですし。


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