現在私が使っているスマートフォン・AQUOS sense7は、USB PD 3.0による18Wの急速充電には対応しているのですが、それ以外の急速充電の規格には全く対応していません。独自規格に走る中華スマホメーカーたちとは一線を画し、統一規格に則った商品を出していくという方針は、至極真っ当で好ましいモノだと思うのですが、現状としていろいろな急速充電規格が広まっている中で、不便を感じる場面もあります…という話は、以前にもしたところです。
例えば、我が家の愛車・ブラックパール2世号ことステップワゴン e:HEV スパーダのセンターコンソールに標準装備されているUSBポートは、iPad充電器の規格に準拠した5 V・2.5 A(12.5 W)の急速充電に対応していますが、AQUOS sense7をつなぐと電流は1 Aにも届きません。Amazon Music Unlimitedでストリーミング再生しながら走るときに、消費する電力を補う程度は何とかできているようなのですが、外出時に消耗したバッテリーを復活させるには心許ないところです。
そんなクルマの車内での充電能力を補強するために、是非有効活用したいのが12 Vのシガーライターソケット。とは言っても、今やかつての目的だったタバコへの点火機能を備えているクルマは見当たらず、12Vの直流電源を取り出せる電源コンセントとして装備されています。ステップワゴン e:HEV スパーダの場合、ダッシュボードのシフトレバー下付近と3列目シート脇の2箇所にこのソケットがあります。
シガーライターソケットに差し込むタイプのUSB充電器は、昔から結構いろいろなものが出ています。USB PDの規格が登場して以降は大電力化が進み、100 W以上を取り出せる製品も出てきています。まあ、大電力になるほどお値段の方も上がっていくのですが…。さすがにパソコンを充電するようなことは想定していないので、そこまでデカいのは要らないけれど、AQUOS sense7の充電用に一つ欲しいかな?とは思っていました。
先日、ダイソーの店内をぶらりと歩いていたら、「PD対応」を謳っている「超速充電カーチャージャー」なる商品が500 円で売られているのを見つけました。また、PD対応の両端Type-Cのケーブルも、300 円で売られていました。最近はダイソーにもこの手の商品が結構充実しています。さすがのダイソーでも全てが100 円とは行かないのですが、仕様の割には破格の安価で売られているモノばかりです。
パッケージ裏面の商品説明を読むと、充電器はPDとしては9 V・2.22 Aという、いわゆる「iPhoneの20 W急速充電」に対応しています。Qualcomm社のQuick Charge 3.0(18 W)対応のType-Aポートも装備されていますが、同時に急速充電は行えないようです。ケーブルの方には20 V・3 Aの最大60 Wまでの対応が明記されています。電流5 Aまで流せるeMarkerは入っていないよ、ということですね。
どちらも、100円ショップの商品とはとても思えない、しっかりした仕様説明がされています。…というよりも、ダイソーを「100円ショップ」という枠組で表現すること自体に、大きな疑問を感じる昨今ですが。ともかく、合計税込880 円でコレだけの機能が揃うというのなら、試してみたくなります。
早速チャージャーとケーブル一式を購入し、クルマに取り付けてみました。シガーライターソケットからは多少出っ張りますが、それほど気になりません。
クルマのシステムを起動して、ケーブルでAQUOS sense7と接続すると、画面には「急速充電中」と表示されました。USB PDの充電として認識されていることは間違いありません。
念のため電圧・電流も測ってみました。9 Vの電圧が掛けられていることは確実で、電流はどうしても使用状況によって変動が大きくなるものの、最大で2 A近くが供給されています。最大20 WというUSB PDの給電能力は、ほぼ生かせているようです。
しばらく様子を見ていると、画面を消して置いてあるときに大電流が供給され、実際にスマホを操作していると電流が下がってきます。AQUOS sense7の側で、発熱による電池の劣化を抑えるために「インテリジェントチャージ」としてこうした制御を行っているようです。
ということは、音楽プレイヤーとして使っている間は充電速度にはあまり期待できないのかも?ということになりますが…まあ、どうしても急いで充電しなくてはならないときには役に立ちそうではあります。常時シガーライターソケットに差し込んでおく必要はないかも知れませんね。
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